エクスモーション 減収減益 受注は回復基調

2020/08/14

 

 

渡辺 博之 代表取締役社長

株式会社エクスモーション(4394)

 

 

企業情報

市場

東証マザーズ

業種

情報・通信

代表者

渡辺 博之

所在地

東京都品川区大崎2-11-1 大崎ウィズタワー23階

決算月

11月

HP

https://www.corporate.exmotion.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,300円

2,822,371株

3,669百万円

10.6%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

15.00円

1.2%

34.65円

37.5倍

489.64円

2.7倍

*株価は07/22終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
*ROE(実)は2019年11月期末の数値。

 

非連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2016年11月(実)

622

123

123

80

43.93

1,330.00

2017年11月(実)

694

125

125

85

45.84

1,400.00

2018年11月(実)

834

145

146

99

45.58

28.00

2019年11月(実)

976

187

190

140

52.42

15.00

2020年11月(予)

1,035

152

153

96

34.65

15.00

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。

 

 

(株)エクスモーションの2020年11月期第2四半期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2020年11月期第2四半期決算概要
3.2020年11月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 20/11期上期は前年同期比9.0%の減収、同56.8%の営業減益。一部顧客でのプロジェクトの中断、コンサルティング要員の自宅待機、更にはトレーニングサービスの開催延期等、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたことに加え、感染拡大による景気悪化に備えて即戦力の中途採用を抑制(厳選採用に切り替え)したこともあり、売上が期初の想定を下回った。ただ、2Q(3-5月)を底に受注は回復基調にあり、感染第2波への警戒はあるものの、足元は順調。 
  • 通期予想に変更はなく、前期比6.0%の増収、同18.9%の営業減益。当初から20/11期は中長期的な成長に向けた踊り場との位置付け。通期業績予想には、既存領域及び新たな領域での投資に伴う一時的な売上の伸び鈍化と、労務費・人件費を中心にしたコスト増が織り込まれている。配当は1株当たり15円の期末配当を予定している(予想配当性向43.3%)。 
  • 自動車業界は電動化や自動運転など「CASE」がもたらす100年に1度の大変革のさなかにあり、自動車以外の様々な分野でもソフトウェア技術の高度化が続いている。同社は、こうした事業環境を享受できるポジションにあるが、持続可能な成長には、高度人材によるコンサルティングだけでなく、コア資産のデジタル化による外販ビジネスの育成が必要と考えており、そのための取り組みが進行中だ。上期決算は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で減収・減益となったが、取り組みは順調であり、一部サービスの21/11期開始に目途がついた。今後の展開に注目したい。 

     

1.会社概要

組込みソフトウェアの開発支援に特化したコンサルティングを展開しており、教育・人材育成やツールの提供等も手掛けている。アナログから完全デジタル化への移行や自動運転・EV開発等でいち早く、高度な組込みソフトウェアの開発需要が顕在化した自動車分野で豊富な実績を有し、自動運転時代のソフトウェア開発に不可欠な“技術参謀”を自認。二輪車、ロボット、医療機器等へ取引先が広がりを見せている。
社名の「eXmotion」は、“emotion:感動” と “X:最大限や幾重もの” を組み合わせた造語。「エクスモーションが提供するサービスにより、お客様とともに、大きな感動を分かち合うことができるように」との願いが込められている。

 

尚、ソフトウェア開発等を手掛ける(株)ソルクシーズ(証券コード4284)が発行済株式数の56.69%を所有している。グループ収益へ貢献しているが、取引関係はなく、経営は完全に独立している。

 

 

【企業理念: ITがますます重要になる時代、「高品質なソフトウェア」を通して新しい社会の実現に貢献していきます。】
組込みシステムの開発現場は、大規模・複雑化への対応に追われ、効率的な組込みシステム開発への変革が求められている。
同社は、「お客様の変革を支援し、成功に導く」をミッション(存在意義)として掲げ、「実践による成功体験と、そこから生まれる感動こそが変革を可能にする」、という価値観と行動規範の下、「お客様の変革と成功をともに分かち合える」「メンバー(社員)どうしが成長しあえる」、というビジョン(思い描く理想像)をもって、顧客企業の組込みシステム開発の変革を支援している。

 

【事業内容】
コンサルティング事業の単一セグメントだが、コンサルティングを中心に、教育・人材育成やツールの開発・販売も手掛けている。

 

コンサルティング
自動車やロボット、デジタル機器等の製品に組込まれる「組込みソフトウェア」の品質改善に特化したコンサルティングサービスを提供している。同社のコンサルティングは、従来型の提案主体のものではなく、提案した内容を自ら実践し、直接課題解決まで手掛けるワンストップ型の実践的なスタイルを特徴としている。

 

「問題発見 ⇒ 提案 ⇒ 問題解決&実践」をワンストップで解決する実践的なコンサルティグスタイルに専門特化

(同社資料を基に作成)

 

メーカーが苦手とする分野にフォーカスしたコンサルティング(ソフトウェア・エンジニアリング)
モデリング技術を中心に、組込みソフトウェア開発に有効な技術領域を得意としており、デジタル化や自動運転・EV開発で早くから需要が顕在化していた自動車分野(売上高全体の約9割を占める)では、国内の自動車メーカーやサプライヤーに対するモデルベース開発の導入・展開や機能安全への対応等の支援で豊富な実績を有する。尚、モデリングとは、システムの開発において、業務の流れや構造などを抽象化し、全体像を把握するシステム構築技法であり、モデリング技術を用いたモデルベース開発は組込みシステム開発のプロセスを改善するための手法の一つである。
例えば、自動運転に関して言えば、自動車メーカーは自動運転に必要なセンサー・フュージョン(どのようなセンサーを使って、どう物を認識するか等)の開発には強いが、その機能を実現するためのソフトウェアの開発に関する技術やノウハウは乏しい。しかも、プロセッサやメモリの高機能化でソフトウェアが大規模化・複雑化していることに加え、開発に当たっては、どのように開発すれば、将来の機能追加に対応できるか、或いは、機能追加の時のテストが少なく済むか等も考慮して開発する必要があり、適切なコンサルティング(ソフトウェア・エンジニアリング)が必須。自動車に限らず、こうしたメーカーが苦手とする分野にフォーカスして支援しているのが、同社のコンサルティングである。

 

 

教育・人材育成
コンサルティングで同社が活用するエンジニアリング手法については、同社社内で技術習得用のトレーニング教材を独自開発しており、開発したトレーニング教材はコンサルティング時の技術導入に活用することはもちろん、人材育成用トレーニングサービスとして顧客に販売している。また、セミナーやトレーニングのサービスも提供している。

 

 

ツール提供(開発・販売)
コンサルティングで実績のあるソリューションの一部は、同社以外の技術者でも低価格で利用できるようにツールとして提供している。現在は、ソフトウェアの設計・実装品質を診断するC言語用品質診断ツール「eXquto」、MATLAB/Simulinkモデルの品質を診断(定量化・可視化)するツール「MODEL EVALUATOR」、アーキテクチャ設計モデルと詳細設計モデルを相互に変換するツール「mtrip」の3製品を提供している。

 

2.2020年11月期第2四半期決算概要

2-1 非連結上期業績

 

19/11期 上期

構成比

20/11期 上期

構成比

前年同期比

期初予想

予想比

売上高

467

100.0%

425

100.0%

-9.0%

491

-13.5%

売上総利益

220

47.1%

174

41.1%

-20.7%

213

-18.3%

販管費

123

26.4%

132

31.2%

+7.7%

148

-10.8%

営業利益

97

20.8%

41

9.9%

-56.8%

64

-35.4%

経常利益

98

21.1%

43

10.2%

-55.9%

66

-34.6%

四半期純利益

67

14.5%

29

6.9%

-56.6%

43

-31.9%

* 単位:百万円

 

前年同期比9.0%の減収、同56.8%の営業減益
売上高は前年同期比9.0%減の425百万円。一部顧客でのプロジェクトの中断、コンサルティング要員の自宅待機、及びトレーニングサービスの開催延期等、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に加え、感染拡大による景気悪化に備えて中途採用を抑制(厳選採用に切り替え)した影響もあり、売上が減少した。

 

営業利益は同56.8%減の41百万円。緊急事態宣言下におけるテレワークや活動自粛で交通費等の経費抑制効果があったものの、売上減による原価率の上昇で売上総利益が同20.7%減少した。販管費は、採用費(エージェントに支払われる成功報酬)の未消化等で予算を下回ったものの、新規事業立ち上げのための要員確保等で同7.7%増加した。

 

 

期初予想との差異要因
新型コロナウイルス感染症拡大の影響と厳選採用による採用計画の未達で、売上高及び売上総利益が下振れした。採用計画未達による採用費の未消化で販管費も期初の想定を下回ったものの、売上総利益の下振れをカバーするには至らなかった。

 

 

四半期業績の推移

 

18/11-1Q

2Q

3Q

4Q

19/11-1Q

2Q

3Q

4Q

20/11-1Q

2Q

売上高

200

192

205

236

205

262

237

271

214

210

売上総利益

89

90

92

100

95

124

110

99

96

78

販管費

42

51

77

56

62

61

58

60

63

69

営業利益

47

39

14

43

33

63

51

38

32

9

経常利益

48

40

15

41

33

64

52

38

32

10

四半期純利益

31

26

12

28

22

44

36

35

22

7

* 単位:百万円

 

2-2 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

19年11月

20年5月

 

19年11月

20年5月

現預金

1,272

1,305

負債

122

88

流動資産

1,421

1,381

純資産

1,391

1,382

固定資産

92

89

負債・純資産合計

1,513

1,471

* 単位:百万円

 

上期末の総資産は1,471百万円。ほぼ現預金と純資産のシンプルな財政状態である。流動性と財務安定性に優れ、手元流動性比率15ヶ月、自己資本比率93.9%。

 

キャッシュ・フロー(CF)

 

19/11期 上期

20/11期 上期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー(A)

67

78

+11

+16.9%

投資キャッシュ・フロー(B)

-14

-7

+7

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

52

71

+19

+36.2%

財務キャッシュ・フロー

-35

-38

-2

現金及び現金同等物期末残高

1,179

1,305

+126

+10.7%

 

税引前四半期純利益43百万円(前年同期98百万円)、売上債権の減少78百万円(同3百万円)、及び法人税等の支払い△25百万円(同△27百万円)等で78百万円の営業CFを確保した。投資CFは主に有形無形固定資産の取得によるもので、財務CFは主に配当金の支払いによる。

 

2-3 受注状況

自動車分野の大手顧客の一部で先行投資部分の予算削減によるプロジェクトの中断等があったものの、6月以降、徐々に回復しており、足元では、中断していたプロジェクトが再開する等、新型コロナウイルス感染症拡大前の状態に戻っている。こうした例外的な事例を除くと、自動車分野は総じて活発な開発投資が続いており、小さい案件でストップした案件があるものの、それ以上に新規案件が増えていると言う。また、ニューノーマル(新常態)対応の一環としてリリースしたオンライントレーニングも受注の回復に寄与しており、感染予防対策に取り組みつつ開発を進めている企業等からの受注に成功していると言う。
第2四半期末の受注残は前年同期比23.9%減の230百万円にとどまるが、7月から9月にかけての契約更新は順調に進んでおり、6月末時点での通期の受注見込み(764百万円)が通期売上予想(1,035百万円)の74%に達している。

 

2-4 既存事業の進捗状況

第2四半期の業績は、少なからず新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたが、取引先上位4社のうち2社の売上が計画を上回る等、影響は取引先毎に濃淡があった。6月以降、コンサルティング事業、教育事業共に回復基調をたどっている。

 

コンサルティング事業
自動車分野において、次世代向けのCASE関連支援要請が堅調に推移しており、MBSE(モデルベースシステム開発)支援の需要も、自動車分野はもちろん、非自動車分野においても大きい。こうした中、同社においては、オンラインコンサルティングの体制が確立され、遠方の顧客に対する効率的な支援が可能になる等、コンサルティング要員の生産性が向上していると言う。

 

教育事業
対面型は新型コロナウイルス感染症拡大の影響による延期等で一時期ほぼ全てがストップしたが、オンラインでのトレーニングをリリースし(4月に新型コロナウイルスの感染拡大防止に対応したサービスラインナップの検討を開始していた)、6月から順次、実際のサービスが始まっている。オフィスの自席や在宅から参加でき、グループワーク(ワークショップ)機能も備える等、充実した機能が顧客から評価されているようだ。

 

2-5 投資活動の進捗状況

既存領域及び新たな領域で投資活動を行っており、既存領域では、コンサルティング業務でのコア資産のデジタル化・ストック化に、新たな領域では、新ビジネスの育成と最新テクノロジーの活用人材を育成するためのコンテンツ制作に、それぞれ取り組んでいる。新型コロナの影響で中断したプロジェクトの要員を投入した効果と、テレワークによる作業効率向上効果で、いずれの取り組みも想定以上に進捗した。

 

既存領域での投資活動
既存領域での投資活動は、“コア資産のデジタル化・ストック化により、コンサルティング事業のスケーリングを図る”ことを目的としている。コア資産のデジタル化は、コンサルティングのコア資産(教育、教材、ツール)をデジタル化することで社内でのナレッジの共有を可能にし、コンサルティングの一段の底上げにつなげていこうというもの。今期中にコア資産の選定を完了し、年度内に社内運用を開始したい考えで、現在、動画やツール等のデジタルコンテンツライブラリを構築中である。
一方、コア資産のストック化は、デジタル化したコア資産の一部を外販し、ストックビジネス化しようというもの。同社は高付加価値なコンサルティングサービスを提供しているものの、コンサルティングはその性質上人的リソースの制約を受ける。また、顧客のすそ野を中小の開発企業に広げるためにも、廉価で利用できるサービスをラインナップする必要がある。そのためには、高度人材によるコンサルティングだけでなく、コア資産のストック化、言い換えると、コア資産のデジタル化による外販ビジネスの育成が必要と考えている。取り組みは順調に進んでおり、デジタルコンテンツライブラリの一部について、21/11期早々の有償での外部公開の目途がついた。

 

新たな領域での投資活動
新たな領域での投資活動は、“新たにビジネス&テクノロジー領域への進出を図る”ことを目的としている。ビジネス領域への進出では、起業に興味や関心のある学生や若手エンジニアをターゲットとした、“起業家の卵”発掘・育成プログラム「DeruQui(デルクイ)」の実証実験を6月1日に開始した。「DeruQui」は、多くの企業・専門家の連携による充実したコンテンツと個別指導による手厚いサポートで、イノベーターの発掘・育成から出口(社内起業・社外起業)までをサポートするプログラムである。事業としては、スポンサー企業を募り、その中で収益をあげていくことになる。

 

テクノロジー領域への進出では、最新テクノロジー活用人材を育成するためのコンテンツを開発中である。このコンテンツは最新テクノロジーを知る・使いこなすために必要な基礎知識から勘所までを解説した「手引書」との位置付けである。6月に社内向けの入門編をリリース(5タイトル)し、現在、フィードバックを反映中。今期中に応用編のリリースも予定しており、社内での人材育成での活用を始める計画。コア資産のストック化の取り組みと同様、来期の外部公開の目途がついた。

 

(同社資料より)

 

2-6 採用状況

新型コロナウイルス感染症拡大による景気の動向を保守的に想定し厳選採用に切替えたため、即戦力となるエンジニアの中途採用数は5名にとどまり、第2四半期末のコンサルティング要員数は52名(前年同期比5名増)と、若干、計画を下回っている模様。
一方、新卒採用(2021年4月入社:エンジニア)については、情報系の学生を中心に多数の応募があり、その中から4名に内定を出し、5月末で採用活動を実質終了した。早い段階からオンラインでの採用活動に切替え、Web座談会や面接を実施してきた効果に加え、株式上場による知名度の向上効果も大きかったと言う。

 

 

3.2020年11月期業績予想

3-1 通期非連結業績

 

19/11期 実績

構成比

20/11期 予想

構成比

前期比

売上高

976

100.0%

1,035

100.0%

+6.0%

売上総利益

430

44.1%

436

42.2%

+1.3%

販管費

242

24.9%

284

27.4%

+17.1%

営業利益

187

19.2%

152

14.7%

-18.9%

経常利益

190

19.5%

153

14.8%

-19.0%

当期純利益

140

14.4%

96

9.3%

-30.9%

* 単位:百万円

 

通期予想に変更はなく、前期比6.0%の増収、同18.9%の営業減益予想
コンサルティング事業のデジタル化・ストック化のための投資と新領域での展開に伴う投資を計画しており、コンサルティング要員の一部をデジタル化・ストック化業務に振り向けるため、一時的に売上の伸びが鈍化する。利益面では、デジタル化・ストック化投資に伴う一部コンサルティング要員の稼働率低下で売上総利益率が低下する一方、新たな領域への展開に向けた人材投資に伴い販管費が増加するため営業利益の減少が見込まれる。

 

配当は1株当たり15円の期末配当を予定している(予想配当性向43.3%)。

 

3-2 21/11期は成長軌道へ回帰し、22/11期は更なる飛躍へ

 

20/11期 予想

21/11期 見込

22/11期 見込

投資なし

投資あり

投資なし

投資あり

投資なし

投資あり

売上高

1,021

1,035

1,200

1,300

1,400

1,650

営業利益

205

152

240

240

330

450

増収率

+4.6%

+6.0%

+17.5%

+25.6%

+16.7%

+26.9%

増益率

+9.6%

-18.7%

+17.1%

+57.9%

+37.5%

+87.5%

* 単位:百万円

 

既存領域及び新たな領域での投資活動により、20/11期は減益となる見込みだが、21/11期以降は既存領域において投資活動の成果が顕在化し、売上・利益共に大きな伸びが見込まれる。尚、20/11期はコンサルティング要員の9名の純増を計画しており、21/11期及び22/11期の売上・利益は同規模の採用が継続的に達成されることを前提としている。

 

4.今後の注目点

通期予想に対する進捗率は、売上高41.1%(前年同期の通期実績ベースの進捗率47.8%)、営業利益27.6%(同51.7%)、経常利益28.4%(同51.9%)、最終利益30.7%(同48.4%)。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で第2四半期にブレーキがかかったため進捗が遅れている。足元では受注が回復し、オンラインでのコンサルティング体制の確立でコンサルティング要員の生産性も向上する等、下期の巻き返しに向けた材料もあるが、感染第2波が現実味を増す中では、着地点を正確に見通すことが難しいと言う。
言い換えると、通期の業績が下振れする可能性を否定できないわけだが、中長期的な事業環境の良さに変わりはない。自動車分野は電動化や自動運転など「CASE」がもたらす100年に1度の大変革のさなかにあり、自動車分外の様々な分野でもソフトウェア技術の高度化が続いている。同社は、こうした事業環境を享受できるポジションにあり、高度人材によるコンサルティングとコア資産のデジタル化・ストック化の二つのビジネスモデルでニーズに応えていく考えだ。起業家の卵発掘・育成プログラム「DeruQui(デルクイ)」の進捗と共に、今後の展開に期待したい。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態 監査等委員会設置会社
取締役 8名、うち社外3名
監査役 -名、うち社外-名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2020年07月13日)
基本的な考え方
当社は、企業価値を持続的に高めていくためにコーポレート・ガバナンスの充実が重要であると認識し、経営の効率性・健全性の確保および適時適切な情報開示に努めてまいります。
当社は2017年2月開催の定時株主総会の決議によって、取締役会、監査等委員会、会計監査人を設置する監査等委員会設置会社へ移行しております。経営の効率性確保と責任ある経営の維持という観点から、当社の規模・業務内容には上記制度が最も適切であると判断しております。社外取締役が過半数を占める監査等委員会の設置により、客観的かつ中立的な立場から経営監視機能が発揮されるとともに、社外取締役の参加により取締役会の業務執行上の監督機能が強化され、経営の健全性が確保されるものと考えております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施しております。

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