ブリッジレポート:(3989)シェアリングテクノロジー 大幅増収、今期も収益拡大見込

2019/07/18

シェアリングテクノロジー株式会社(3989)

 

 

企業情報

市場 東証マザーズ
業種 情報・通信
代表 共同経営者 篠 昌義、森吉 寛裕
所在地 名古屋市中村区名駅1-1-1 JPタワー名古屋19F
決算月 9月末日
HP https://www.sharing-tech.jp/

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

765円

18,406,500株

14,080百万円

34.1%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

DPS(予)

0.00

53.56円

14.3倍

110.48円

7.0倍

*株価 7/9終値。発行済株式数、EPSは2019年9月期第2四半期決算短信より。 ROE、BPSは2018年9月期決算短信より。

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2016年9月(実)

1,141

57

55

21

1.42

0.00

2017年9月(実)

1,754

400

389

268

16.93

0.00

2018年9月(実)

4,727

553

539

695

38.74

0.00

2019年9月(予)

8,800

1,700

1,620

973

53.56

0.00

*単位:百万円。予想は会社側予想。2017年9月期までは非連結。2018年9月期以降は連結、IFRS。経常利益は税引前利益。当期利益は親会社の所有者に帰属する当期利益。2018年8月6日付で1:3の株式分割を実施。EPSは遡及して調整。

 

シェアリングテクノロジー株式会社の会社概要、業績動向等をお伝えします。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2019年9月期第2四半期決算概要
3.2019年9月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレートガバナンスについて>

 

 

今回のポイント

  • 19年9月期第2四半期の売上高は、前年同期比215.7%増の35億57百万円。両事業とも大幅な増収。営業利益は4億57百万円の損失。KPI伸長のためWEB施策、ライフサービスインフラ施策を積極的に実施したため、販管費が同157.7%と大幅に増加した。 
  • 通期業績予想に変更は無い。売上高は前期比86.1%増の88億円、売上高のうち主力のWEB事業は全体を上回る約2倍の伸びを目指す。営業利益は同218.7%増の17億円の予想。会社側は前期に続き大幅な増収増益を予想している。 
  • 通期予想に対する第2四半期実績の進捗率は低いが、主力ジャンルの季節性、コンテンツ投資の本格的な収益化スタート、「Mover」等による単価向上の寄与により下期からの収益拡大を見込んでいる。特に「Mover」については、問合せ単価は施策前比1.4倍と当初想定通り成約率向上を通じた上昇を見せている。第3四半期、第4四半期と、会社側予想通り、どれだけ売上、利益を積み上げていくかを注目したい。 

1.会社概要

「求める人と提供する人を結びつけるマッチングサービスを高度なテクノロジーで成熟・進化させ、世の中に貢献して参ります。」との企業理念の下、ライフサービスプラットフォーム「生活110番」やライフサービス領域に関する「バーティカルメディアサイト(※)」の運営を通じて、「生活のお困りごと」を抱えるユーザーと、生活に密着したサービスを提供する専門業者とのマッチングサービスを提供している。
他社には実現できないスピーディーかつ高精度なマッチングを実現しており、機能をブラッシュアップしたライフサービスインフラ「Mover」をリリースすることで、さらなる成長を目指している。

 

※バーティカルメディアサイトとは?
特定のテーマに関連する様々な情報が提供されたサイトを指す。そのテーマに興味を持つユーザーが望む情報に効率的に辿り着くことができるように構成されており、ユーザーにとってのメリットは高く、運営会社側にとっては、ユーザーニーズに沿ったコンテンツ配信が容易であり、広告媒体としてもターゲットユーザーにリーチしやすいといったメリットがある。

 

【1-1 沿革】

社会にイノベーションを起こすことを目指して同社の前身である株式会社リッツが2006年11月に設立された。
2009年5月、インターネット回線の取次サービスを提供する「ネット110番事業」をスタート。
ネット110番事業を運営する中で、カギ、雨漏り、水漏れ、シロアリ駆除、リフォーム、修繕等、生活の各種トラブルを解決する業者を効率的に探すことが困難であることから、一般生活者と業者(ライフサービス事業者)をWEBで効率よくマッチングすることで新たな市場を創出できるのではないかと考え、市場調査を行ったところ、こうしたジャンルでは、町の便利屋的な業者が簡易なWEBサイトを手掛けているだけであった。

 

そこで、ライフサービス領域に関する「バーティカルメディアサイト」を立ち上げ、これまでに培ってきたノウハウを活かして、生活に関する突発的な困りごとを持つ一般生活者とライフサービス事業者を結びつける当事業を2012年4月に開始した。
2015年6月には総合プラットフォームサイト「生活110番」をスタート。
ライフサービス事業者の遊休資産を有効に活用する「シェアリングエコノミー」の概念を軸にテクノロジーで実現、需要と供給両者を取り込むことで急成長を遂げ、2017年8月に東証マザーズに上場した。
2019年2月に新マネジメント体制に移行し、「新たな仕組みで、安心な暮らしを、」をミッションに掲げた。

 

【1-2企業理念】

上記のように企業理念(ミッション)として、「新たな仕組みで、安心な暮らしを、」を掲げている。

 

サービスを求める側と提供する側を結びつけるライフサービスマッチングを行ってきた同社は、ユーザーのニーズの詳細、サービス提供者の特質とポテンシャル、マッチング結果といったあらゆる情報をデータ化し、自動で解析し、マッチング精度を高めて運用に反映させる、オートマティックな「マッチングテクノロジーシステム」として確立。
今後は、ライフサービスマーケットのリーディングカンパニーとして、社会のニーズを的確にとらえ、既存事業の強化や積極的な投資を行うことで、企業価値の最大化に努めるとともに、「お困りごと」が発生したとき少しでも早く安心していただく、また同社のサービスがあることで「お困りごと」が起きても大丈夫と安心して暮らせる、そんな世界を目指していく。

 

【1-3 市場環境】

日常生活で突発的に発生するトラブル(カギ、雨漏り、水漏れ、リフォーム、ガラスの修理・交換、ペット葬儀等)や毎年決まった季節に発生するトラブル(シロアリ駆除等)は全国各地において発生しており、毎年継続的な需要の発生が見込まれ、外部環境の変化等に関わらず、安定的に収益を見込むことができる市場分野である。

 

また、少子高齢化の進展に伴い、自力での解決が困難な高齢者のトラブル解決ニーズは今後増大することが見込まれ、同社サービスはそうした需要を取り込むとともに、社会的な意義も大きいと考えられる。

 

外部調査会社によれば、主に300万円以下の案件からなる「生活のお困りごと」の市場の中で、同社の主力ジャンル(主に軽作業)の市場規模は約5兆円、流通総額は14兆円を超えると推計している。
同社は、まずは主力ジャンルの5兆円市場にフォーカスして事業展開を行っていく予定である。
同社の現在の流通総額は現在約100億円であり、前述の市場規模に対してシェアはまだまだ低いことから、今後も高い成長率を維持できると考えている。

 

現在、同社規模で全国的な加盟店ネットワークを構築している同業他社は存在しないが、将来的な新規参入企業の増加、既存競合企業との競争激化といったリスクに備えるため、加盟店との関係強化に継続的に注力している。

 

(同社資料より)

 

 

【1-4 事業内容】

報告セグメントは、「WEB事業」と「投資事業」の2つ。

 

(1)WEB事業

主力事業である「WEB事業」では、総合プラットフォームサイト「生活110番」とライフサービス領域に関する「バーティカルメディアサイト」との運営を通じて、「生活のお困りごと」を抱えるユーザーと、生活に密着したサービスを提供する専門業者(加盟店)とのマッチングサービスを提供している。

 

①WEBマーケティングサービス
幅広いライフサービス領域を対象にマッチングを行っている。

 

◎ライフサービス領域概要

(同社資料より)
「生活110番」では、140以上の多様なジャンルでサービス提供者情報をはじめ様々なコンテンツを提供しており、ユーザーからの問い合わせに対して、スピーディーにサービス提供者とのマッチングが可能となっている。
また、同社からは生活に役立つコンテンツを定期的に発信し、ユーザーの生活を豊かにする支援を行っている。

 

 

(同社資料より)
カギ、雨漏り、水漏れ、シロアリ、草刈り等、生活に関するトラブルの解決を手助けするためのバーティカルメディアサイトを2019年3月末時点で約200サイト運営。サービス提供領域は約140ジャンルに及ぶ。

 

◎サービス提供の流れ

 

(同社資料より)

 

<ライフサービスインフラ「Mover」について>
他社には実現できないスピーディーかつ高精度なマッチングを実現している同社が、ユーザーと加盟店のさらなる利便性と同社の成長を目指してリリースしたのが、ライフサービスインフラ「Mover」である。

 

(概要)
ライフサービスインフラ「Mover」は、加盟店の各スタッフが「Mover」をインストールしたスマートフォンを携帯。「GPS情報」と「リアルタイムスケジュール機能」を活用し、日本全国どこでも、一番近くにいる加盟店がリアルタイムで分かり、迅速にユーザーを訪問することができるシステムである。

 

「Mover」の活用により日本国内で圧倒的なスピードでサービスを提供するライフサービスインフラを構築することで、同社は「生活のお困りごとに関するWEBサイト運営企業」から、「生活のお困りごと」を解決するライフサービスインフラ構築企業」への進化を遂げようとしている。

 

(課題)
現行のマッチングシステムには以下のような課題があり、失注や加盟店の作業効率低下に繋がっていた。
・ユーザーからの受付後、マッチングまでにリードタイムが存在する。
・ユーザーの訪問希望日時に必ずしも添うことができない。
・加盟店に多くの移動時間が発生する。

 

(特徴)
これに対して「Mover」は、「GPS情報」と「リアルタイムスケジュール機能」の2つの機能を追加することでこうした課題をカバーし、ユーザーには最速・最短でのサービス提供を、加盟店には業務効率の向上による売上の拡大を実現するため、ユーザー、加盟店双方に大きなメリットをもたらすシステムである。

 

*リアルタイムスケジュール管理機能
加盟店作業員の位置情報とリアルタイムスケジュールを把握することでユーザーからの入電時点で訪問日時の提案が可能である。実際に同社がテストを行ったところ、リードタイムが短縮でき、通常送客案件では、42.4%であった成約率が50.2%に上昇した。

 

*GPS機能
日本中の加盟店作業員の現在地を把握するため、訪問先に最も近い場所にいる作業員を紹介することができ、最速での現地到着が可能となる。これも成約率向上に結び付くと考えられる。

 

加えて、同社のサービスジャンルの中には、電球交換や家具組立といったユーザーが低価格でのサービス提供を求めるジャンルがあり、移動コスト等を勘案すると積極的な広告出稿が行えないものも多数あるが、「Mover」により作業員の移動コストが削減できれば、ニーズに合った価格でのサービス提供が可能となるといえる。

 

(Moverがもたらす利益急拡大の可能性)
「Mover」の利用による「さらなる成約率の向上=1件当たりの実質売上向上」は、同社の利益急拡大につながる可能性が高い。
仮に、現在の取次後の平均成約率が38.2%、目標売上高が40億円の場合、「Mover」によって成約率が15%向上し約44%(38.2%×1.15)となると、売上高は約46億円(40億円×1.15)となるが、コストは一定であるためその差額6億円は全額利益となる。
「Mover」によって獲得した利益をWEB広告に投入することで、これまで以上に飛躍的に利益を拡大させることが可能である。そうした仕組みを構築している点も同社の大きな競争優位性といえよう。

 

◎ビジネスモデル
上記のように、同社売上の中心は加盟店から受領する報酬(手数料)となっている。
受領の形態は、加盟店からユーザーへのサービス提供が完了した時点で支払い義務が発生する「成果報酬型」を中心に、同社が加盟店へユーザーを紹介した時点で報酬を受領する「紹介報酬型」がある。
加盟店は同社が介在することで、集客増加・受注拡大とともに、隙間時間に売上を計上することができ、より効率的に余剰経営資源を活用することができる。総加盟店数は、2019年3末月時点で3,400社以上。

 

(2)投資事業

WEB事業の成長スピードを加速させるために一定の投資効率を考慮したうえで子会社の株式を直接所有して経営指導を行っている。

 

*M&Aへの取り組み
従来から企業価値向上のため、戦略A、B、Cの3つに分類し、M&Aに積極的に取り組んできたが、今期は大きなシナジーが見込めるM&A以外実施しない予定である。

 

 

戦略の概要

買収した会社・サイト

戦略A WEBマーケティングノウハウを活かして短期的に投資回収率30%以上が見込まれる。 フランチャイズの窓口株式会社

アーキクラウド

株式会社APEXY

iPhone救急車

引越しチェキ!

戦略B 積極的な投資により高成長させることで企業価値の拡大を図る。 株式会社リアブロード

Discover 株式会社

戦略C 買収価格に対し純資産が潤沢で、安定的な事業継続を目指す。 電子プリント工業株式会社

株式会社名泗コンサルタント

塩谷硝子株式会社

 

 

【1-5 特長と強み】

同社の強力な競争優位性、高い成長力を実現している要因、背景として以下の様なポイントを挙げることができる。

 

(1)成功報酬型のビジネスモデルによる全国最大規模の加盟店ネットワークを構築

中小企業や個人事業主の多くは、集客効果が不確定である紙媒体等を活用した集客方法に未だ依存している場合が多く、必ずしも集客コストが売上に紐付いていない場合がある。
こうした成功報酬型ビジネスモデルは、初期登録料や年間契約料等の支払いも不要であり、集客コストの抑制を図りながら効率的に受注案件の獲得や売上の拡大を図ることが可能なため、中小企業や個人事業主にとって大きな魅力である。同社は施工実績が豊富でユーザーニーズに柔軟に対応できる加盟店の囲い込みに成功するとともに、加盟店の定着率向上も進んでおり、全国最大規模の加盟店ネットワークを構築している。

 

(2)データ蓄積に比例して収益が向上する事業構造

マッチングサービスを繰り返し提供することで、地域毎におけるユーザーニーズの傾向や動向、各加盟店におけるサービスの特徴や強みといった案件情報に紐付く様々な情報がシステム内部に蓄積され続けている。
ライフサービスインフラを構築する新システム「Mover」は、加盟店の各スタッフが「Mover」をインストールしたスマートフォンを携帯しGPS情報を活用することで、日本全国どこでも一番近くにいる加盟店をリアルタイムで知ることができるため、マッチング効率の向上により、迅速にユーザーを訪問することができるシステムである。
いわば、「ライフサービス版Uber」ともいえる「Mover」では、ユーザーのリードタイム“0分”を目指し、より一層スピーディーなマッチングを行い、成約率を向上させることで収益の向上を図ることが可能だ。

 

同社は、「Mover」の活用により、「生活のお困りごとに関するWEBサイト運営企業」から、「生活のお困りごとを解決するライフサービスインフラ構築企業」への進化を遂げようとしている。

 

加えて、同社では全バーティカルメディアサイトのCPA効率(※)を毎日分析しており、ジャンル別損益の状況をタイムリーに認識することができ、CPA以上の利益を獲得できた場合には、受付数増加のために広告宣伝費の積極的な追加投下を行っている。さらには、各バーティカルメディアサイトの問合せ電話番号に連動し、受付トークマニュアルが自動表示されるシステム設計となっているため、新たなサービスジャンルを追加した場合でも、オペレーション品質の均一化(成約精度の高いオペレーションをシステム化)を通じた、スピーディーなマッチング提供が可能である。

 

※CPA (Cost per Action)
コンバージョン単価とも呼ばれ、「1件のコンバージョンを得るのにいくら投資したか」を表す。CPA = 広告費用 / コンバージョン数。

 

2.2019年9月期第2四半期決算概要

(1)連結業績概要

18/9期2Q

対売上比

19/9期2Q

対売上比

前年同期比

売上収益

1,126

100.0%

3,557

100.0%

+215.7%

売上総利益

1,108

98.4%

2,183

61.4%

+97.0%

販管費

1,079

95.8%

2,782

78.2%

+157.7%

営業利益

29

1.7%

-457

税引前利益

22

2.0%

-482

当期利益

5

0.5%

-374

*単位:百万円。IFRS。

 

大幅な増収も損失
売上高は、前年同期比215.7%増の35億57百万円。両事業とも大幅な増収。
営業利益は4億57百万円の損失。KPI伸長のためWEB施策、ライフサービスインフラ施策を積極的に実施したため、販管費が同157.7%と大幅に増加した。

 

(2)セグメント動向

 

18/9期2Q

対売上比

19/9期2Q

対売上比

前年同期比

売上収益

         

WEB事業

1,119

99.4%

2,085

58.6%

+86.2%

投資事業

6

0.6%

1,472

41.4%

合計

1,126

100.0%

3,557

100.0%

+215.7%

セグメント利益

         

WEB事業

414

37.0%

-223

投資事業

-31

118

8.1%

調整額

-353

-353

合計

29

2.6%

-457

*単位:百万円。売上高は、「外部顧客への売上高」を示す。営業利益の構成比は売上高営業利益率。

 

(WEB事業)
増収も先行投資で損失計上。

 

「暮らしのお困りごと」事業の売上収益は前年同期比48%増と堅調に推移している。
「暮らしのお困りごと」では、WEB事業売上収益から、直接連動して発生する「広告宣伝費」「コールセンター人件費」を控除した「事業限界利益」をKPIに設定している。

 

 

(投資事業)
子会社の業務改善、管理体制の強化に努めた。

 

3.2019年9月期業績予想

(1)連結業績予想概要

18/9期

対売上比

19/9期(予)

対売上比

前期比

進捗率

売上収益

4,727

100.0%

8,800

100.0%

+86.1%

40.4%

営業利益

553

11.7%

1,700

19.3%

+207.1%

税引前利益

539

11.4%

1,620

18.4%

+200.3%

当期利益

695

14.7%

973

11.1%

+39.9%

*単位:百万円

 

業績予想に変更無し。引続き大幅な増収増益予想
売上高は前期比86.1%増の88億円、売上高のうち主力のWEB事業は全体を上回る約2倍の伸びを目指す。
営業利益は同207.1%増の17億円の予想。

 

(2)今期の各種取り組み・方針

進捗率は低いが、以下3点により、第3四半期(4-6月)からの収益向上及び利益拡大を見込んでいる。

 

①主力ジャンルの季節性
「暮らしのお困りごと」の主力ジャンル(害虫、草刈り、台風など)は、気温上昇と共に売上が増加する季節性があり、今期も下期から売上が増加すると見込んでいる。

 

②コンテンツ投資の本格的な収益化スタート
同社のコンテンツ投資回収比率(該当記事からの流入売上÷記事制作コスト)は10-12カ月で100%超す傾向にある。
昨年10月以降先行投資してきたライター制作のコンテンツ記事が公開から6カ月経過し、今後の本格的な収益貢献を見込んでいる。
また、これまで主力となっていたリスティング流入に加え、オーガニック流入を強化することで、更なる集客力強化に努める。また、オーガニック流入についてはリスティング流入に比較して直接的に課金される広告宣伝費(PPC広告)がない分、収益性の向上が見込まれる。

 

③「Mover」等による単価向上の寄与
特定ジャンルにおいて全国展開を開始した。そのジャンル内では案件の約半数を、GPS等を用いてマッチングを実施しており、成約率向上により、新システムローンチ前よりも問合せ当たり単価は1.4倍以上と順調に拡大している。
今後はジャンルの拡大を進める計画だ。

 

同社では「暮らしのお困りごと」事業については今期を試験的な施策実施も含め積極的投資期間と設定している。
リスティング運用による成長に加え、ブランディングによるオーガニック流入、業務提携の流入経路拡大、リテンションによる集客力強化を目指している。
加えて、「Mover」の浸透などによる単価向上施策を実施する。

 

4.今後の注目点

通期予想に対する第2四半期実績の進捗率は低いが、主力ジャンルの季節性、コンテンツ投資の本格的な収益化スタート、「Mover」等による単価向上の寄与により下期からの収益拡大を見込んでいる。
特に「Mover」については、問合せ単価は施策前比1.4倍と当初想定通り成約率向上を通じた上昇を見せている。
第3四半期、第4四半期と、会社側予想通り、どれだけ売上、利益を積み上げていくかを注目したい。

 

<参考:コーポレートガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態 監査役会設置会社
取締役 7名、うち社外3名
監査役 3名、うち社外3名

 

◎コーポレートガバナンス報告書
最終更新日:2018年12月25日

 

<基本的な考え方>
当社は、継続企業として収益を拡充し企業価値を向上させ、株主利益を最大化するために、コーポレート・ガバナンスの確立が不可欠なものと認識しております。
具体的には、代表取締役以下、当社の経営を負託された取締役等が自らを律し、その職責に基づいて適切な経営判断を行い、経営の効率と迅速性を高め当社の営む事業を通じて利益を追求すること、財務の健全性を確保してその信頼性を向上させること、事業活動における透明性及び客観性を確保すべく適時適切な情報開示を行うこと、実効性ある内部統制システムを構築すること、並びに監査役が独立性を保ち十分な監査機能を発揮すること等が重要であると考えております。

 

 

<実施しない主な原則とその理由>
「当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております。」と記載している。

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