(9698:JASDAQ) クレオ 中期経営計画達成にむけ好調

2019/02/28

Creo

今回のポイント
・19/3期3Q(累計)は前年同期比9.5%の増収、同206.2%の営業増益。調査サービスが減少したサポートサービスの売上が前年同期並みにとどまったものの、主力のソリューションサービスの売上が同11.2%増と伸びる等、4事業が収益性の改善を伴って二ケタの増収。売上・利益共に期初計画を上回った。10-12月の3カ月間でも、前年同期比7.3%の増収、133.3%の営業増益と好調を維持。本来、3Qは閑散期に当たるが、ソリューションサービスをけん引役に2Q(7-9月)を上回る利益を計上した。・通期予想は前期比10.0%の増収、同55.9%の営業増益。「第3四半期末までの業績が当初予想を大きく上回っていることに加え、第3四半期末時点における第4四半期の業績見込みを勘案した」として、通期の業績予想を上方修正した。4Qは、来期以降の受注拡大に向けた広告宣伝費や積極的な人材採用による採用費・人件費等の追加投資を織り込んだが、これを吸収して前年同期並みの利益を確保する。配当は、1株当たり10円増配の期末25円を予定。期初予想の20円に5円を上積みした。

・中国の景気減速や米中貿易摩擦の影響で上場企業の業績に先行き不透明感が出てきたが、同社においては、受注済みの大型案件対応及び来期以降の案件増加に備えて技術者の採用を積極化している事から、足元の受注好調が推測される。働き方改革の取り組みもあり、業務効率化や省人化に向けた企業のIT投資は堅調なようだ。業績モーメンタムは良好であり、中期経営計画の最終目標(20/3期に売上高150億円、営業利益10億円)の達成確度が徐々に高まってきた。

会社概要
多様なソリューションを提供するシステムインテグレーター。2,000社を超える企業ユーザーを誇る業務用パッケージ「ZeeMシリーズ」(人事・会計・資産管理等を網羅するERP)や業務効率の向上・コスト削減に寄与するBPM(Business Process Management:ビジネスプロセス管理)「BIZ PLATFORM」等の業務ソリューション、官公庁・自治体・公益法人・大企業向けシステム開発、国内大手ポータルサイト事業者向けWebシステム開発・運用、更には優良顧客を有するコールセンターサービス等を手掛ける。
グループは、同社の他、(株)ココト、(株)クリエイトラボ、(株)アイティアイ、(株)アダムスコミュニケーションの連結子会社4社。アマノ(6436)とヤフー(4689)が、それぞれ同社株式の31.87%、13.25%を保有し、同社はアマノの持分法適用関連会社に当たる。また、18/3期は富士通(株)と富士通グループ企業向けの売上が連結売上高の30.3%、ヤフー(株)向けが13.8%を占めた。【企業理念】
私たちは、「人間の想像力」と「世界中のテクノロジー」を結合することで、「感動!」を生む変革を起こし、豊かな未来社会の実現を目指します。

【ロゴに込めた想い】

同社のロゴには、「感動」、「創造」、「永遠(とわ)」という3つの「想い」が込められている。
「感動」。常に周囲の期待を超え、驚きを提供していく姿をロゴに託した。ロゴはエクスクラメーションマーク(感嘆符)をかたどり、球形は同社自身を表す。共に語り、共に考え、共に成長するという共創の精神を象徴している。
「創造」。知識や技術、関係の新たな結びつき(新・結合=イノベーション)を発見、創造し続ける決意を象徴している。同社自身を示すこの球体から、次代を担う人財、製品、サービスが次々と生まれ、大きく育っていく姿を表している。100年企業を目指し、時代時代にあわせ、変化し続ける姿である。
「永遠(とわ)」。ステークホルダーに寄り添う企業でありたいという願いが込められている。同社自身である球体が、顧客や社会、株主に寄り添っているというイメージを表現している。社会に貢献できる価値を提供し続ける企業でありたい、という願いを象徴した。

【事業内容とグループ企業】
事業は、ソリューションサービス事業、受託開発事業、西日本事業、及び子会社の事業領域であるシステム運用・サービス事業、サポートサービス事業の5事業に分かれる。18/3期の売上構成比は、それぞれ、25%、11%、11%、17%。36%。
ソリューションサービス事業
2,000社以上のユーザー企業を抱える中堅企業向け業務用パッケージ(人事・会計・資産管理ERP)「ZeeMシリーズ」、業務効率の向上やコスト削減に寄与するBPM「BIZ PLATFORM」、更にはERPとBPMのノウハウと、ホワイトカラーの定型的な作業を自動化するRPA(Robotic Process Automation)技術を組み合わせた新サービスであり、人とロボットが混在した業務プロセスを実現するRPAソリューション等を提供している。

提案力・販売力の強化による新規開拓とクロスセルによる既存客の深堀
持株会社体制の下では、製品毎に扱う子会社が決まっていたためシナジーを発揮できていなかったが、2017年4月に事業・組織再編を行い、ソリューションサービス事業として同社に集約し統合ソリューションを本格化させた。また、事業をクレオに集約した事で筆頭株主であるアマノ(6436)との販売連携も進めやすくなった。アマノの顧客層はクレオのユーザー層と重なる部分があり、今後、販売力の強化も進む見込み(従来は、直販展開)。加えて、導入企業が2,000社を超える「ZeeMシリーズ」も、人事・会計・資産管理等がフルセットで導入されているケースは必ずしも多くない。このため、「BIZ PLATFORM」やRPAソリューションのクロスセルも含めて深堀していく考え。

受託開発事業
大企業向けシステムの受託開発、官公庁・自治体向けのシステム、新聞社の組版システム、公営競技のオッズシステム等、信頼性と実績が重視される案件が多い。また、富士通経由の案件が多い事も特徴であり、短期的なぶれはあるが、安定成長が期待できる事業である。協力会社を含めた「人」の確保がポイントになる。

西日本事業
名古屋以西の顧客に対して、ソリューションサービスや受託開発サービスを提供する“mini クレオ”的な事業であり、安定成長が期待できる事業である。

システム運用・サービス事業
連結子会社(株)ココトの事業領域であり、主に国内大手ポータルサイト事業者(ヤフー:4689)とそのグループ企業に対して、ポータルサイトやWebサービスの基盤となるサーバシステムの開発、保守、ハッキング対策等も含めた運用サービスを提供している。従来、持株会社傘下の複数のグループ企業で対応してきたが、2016年4月に設立した(株)ココトに集約された。これにより営業・開発面でグループ力を発揮できるようになり、ヤフーのグループ企業に取引が広がっている。ヤフーの深堀とグループ企業の開拓で事業を拡大させていく考え。

サポートサービス事業
ヘルプデスクやテクニカルサポートを中心としたサポート&サービス、及び選挙の出口調査、社会調査、市場調査等、インバウンド・アウトバウンド両対応のコールセンターサービスを提供している。技術系では富士通系とNEC系にサービスを提供する等、優良顧客をバランス良く抱えている事が当事業の強み。安定成長が期待できる事業だが、課題は「人」の確保。このため、外国人採用にも力を入れている。

2019年3月期第3四半期決算
前年同期比9.5%の増収、同206.2%の営業増益
売上高は前年同期比9.5%増の93億09百万円。調査サービスの既存顧客からの受注減少でサポートサービス事業の売上が前年同期並みにとどまったものの、主力のソリューションサービス事業の売上が同11.2%増と伸びる等、4事業が二ケタの増収となった。

営業利益は同206.2%増の3億49百万円。収益性の高い大型統合ソリューションの寄与と原価最適化等でソリューションサービス事業(前年同期比60.1%の増益)の利益率が14.5%と4.5ポイント改善した他、パッケージの好調で西日本事業(同68.7%の増益)の利益率も3.2ポイント、増収効果と単価改善効果等でシステム運用・サービス事業(同66.9%の増益)の利益率が2.1ポイント、それぞれ改善。前年同期は顧客都合による失注で苦戦を強いられた受託開発(同33.7%の増収)の利益率も1.6ポイント改善した。

10-12月の3カ月間では、前年同期比7.3%の増収、同131.8%の営業増益。サポートサービス事業を除く4事業の売上が収益性の改善を伴って増加した。

ソリューションサービス事業 人事給与・会計ソリューション「ZeeM」等によるソリューションサービス
売上高22億26百万円(前年同期比11.2%増)、営業利益3億21百万円(同60.1%増)。複数製品・サービスを組み合わせ提案する統合ソリューションの寄与等で売上が増加。統合ソリューションを中心にした収益性の高い製品ライセンス売上の増加に加え、大型案件受注による技術者の稼働率向上や費用最適化等による効果も顕在化し、収益性の改善が想定以上に進んだ。

受託開発事業 富士通グループ、アマノ(株)をはじめとする大手企業向けシステム受託開発サービス
売上高9億79百万円(前年同期比21.5%増)、営業利益1億80百万円(同33.7%増)。前年同期に主要既存顧客からの案件失注等で苦戦した反動もあり、売上・利益が増加した。一部案件の下期へのずれ込みで上期の売上が下振れした影響で計画を下回ったが、10-12月の3カ月間では計画を上回る売上を計上した。収益性の改善が想定以上に進み、利益は計画線で着地した。

西日本事業 名古屋以西の顧客向け自社製品・サービスの販売及び受託開発サービス
売上高10億50百万円(前年同期比19.9%増)、営業利益1億15百万円(同68.7%増)。「ZeeM」をはじめとするソリューションサービスの好調に加え、受託開発サービスも堅調に推移。収益性の改善を伴って売上が増加した。

システム運用・サービス事業 主に国内大手ポータルサイト事業者に対するシステム開発・保守・運用サービス
売上高17億54百万円(前年同期比16.4%増)、営業利益1億19百万円(同66.9%増)。新規顧客からの大型案件受注や既存顧客の受注単価上昇等で収益性の改善を伴って売上が増加した。

サポートサービス事業 ヘルプデスク、サポート等のサポート&サービス、社会・市場調査等のコールセンターサービス
売上高32億97百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益1億70百万円(同6.2%減)。調査サービスの既存顧客からの受注が減少したものの、前年同期並みの売上を確保した。利益面では、売上の伸び悩みで減益となったものの、原価削減等が進み計画を上回った。

第3四半期末の総資産は前期末と同水準(47百万円減)の74億78百万円。借方では、季節要因もあり、現預金が増加し売上債権が減少した。貸方でも、季節要因等で、未払金、賞与・役員引当金、未払法人税等が減少する一方、前受金が増加。利益剰余金を中心に純資産も増加した。自己資本比率73.4%(前期末70.2%)。

2019年3月期業績予想
通期業績予想と配当予想を上方修正
「第3四半期末までの業績が当初予想を大きく上回っていることに加え、第3四半期末時点における第4四半期の業績見込みを勘案した」として、通期の業績予想を上方法修正した。

ソリューションサービス事業において、例年第4四半期に営業利益計上が偏重する傾向があるが、当期は四半期毎の利益額が例年より平準化する見通し。また、ソリューションサービス事業において、来期以降の受注拡大に向けて販促活動を強化しているため、広告宣伝費が当初計画を上回る見込み。加えて、同事業では、受注済みの大型案件対応及び来期以降の案件増加に備えるため、技術者の採用を積極化しており、採用費、人件費等も当初計画を上回る見込み。第4四半期(1-3月)の利益計画に、上記要因による営業費用の増加を織り込んだ。

配当は、1株当たり10円増配の期末25円を予定している。期初予想の20円に5円を上積みした。

※参考 中期経営計画(18/3期~20/3期)の基本方針と数値目標

20/3期に、売上高150億円、営業利益10億円、経常利益10.1億円、純利益6.8億円、ROE11.5%、の達成を目指している。利益面では、ソリューションサービス事業をけん引役としつつ、事業全般で利益成長を実現し、これを原資に新規事業に投下していく。

今後の注目点
通期予想に対する進捗率は、売上高69.0%(通期実績ベースの前年同期69.3%)、営業利益54.5%(同27.8%)、経常利益56.6%(同33.0%)、純利益66.8%(同33.4%)。今期は業績の第4四半期偏重が例年よりも平準化する見通しである事もあり、通期実績ベースの前年同期の進捗率を大きく上回っている。中国の景気減速や米中貿易摩擦の影響で上場企業の業績に先行き不透明感が出てきたが、同社においては、受注済みの大型案件対応及び来期以降の案件増加に備えて技術者の採用を積極化している事から、足元の受注好調が推測され、来期についても大きな不安はないようだ。働き方改革の取り組みもあり、業務効率化や省人化に向けた企業のIT投資は堅調と思われる。業績モーメンタムは良好であり、中期経営計画の最終目標(20/3期に売上高150億円、営業利益10億円)の達成確度が徐々に高まってきた。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書更新日:2018年06月28日
基本的な考え方
当社は適正なコーポレート・ガバナンス体制を構築し、不断の向上に努めることが経営の透明性・公正性を高め、企業価値の向上に寄与するものと考えております。特にコーポレートガバナンス・コードを遵守することが当社のより良いガバナンスの確立に寄与するとの基本的な考え方に基づき、基本5原則以外の原則、補充原則についても順次自主的に実施していくことを方針とし、既に実施しているものについてその内容を本報告書に記載しております。

<実施しない原則とその理由>
当社は、JASDAQ上場会社として、コーポレートガバナンス・コードの基本原則のすべてを実施しております。
基本原則以外の原則、補充原則のうち、開示が求められ、当社が既に対応を行っている原則については、下記の「コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示」にその概要を記載しております。

<開示している主な原則>
【原則1-4. 政策保有株式】
政策保有株式については、保有に関する方針、議決権行使に関する方針を定め、以下の通り開示しております。
原則的に新たな保有は行わず、既に保有している株式については、段階的に残高の削減を行うことを基本方針としております。

政策保有株式に関する基本方針と保有状況についてのお知らせ
https://www.creo.co.jp/news/n160729-2/

【原則3-1.情報開示の充実】
本原則に定められた開示事項のうち、「(i)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画」について以下の通り開示を行っております。

企業理念・行動指針
https://www.creo.co.jp/corporate/concept/
中期経営計画(2017年度~2019年度)
https://www.creo.co.jp/ir/plan/

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