(9278:東証1部) ブックオフグループホールディングス 新事業の収益安定化に向けての取組みに期待

2019/02/28

bookoff

今回のポイント
・2018年10月1日付けで純粋持株会社ブックオフグループホールディングス(株)として再スタートを切った。19/3期3Q(累計)は、前年同期に催事販売(ハグオール事業)から撤退した影響で売上高が横ばいにとどまったものの、既存店の好調によるリユース店舗事業の収益性改善と催事販売からの撤退効果で前年同期は1億75百万円だった営業利益が12億96百万円に拡大した。・通期予想は前期比0.6%の増収、同144.4%の営業増益。既存店売上高(リユース店舗事業)が粗利率の高い書籍を中心に好調に推移している事等を踏まえ、営業利益以下の各利益予想を上方修正した。経常利益は5期ぶりの20億円台が見込まれ、中期経営方針の21/3期目標を前倒しで達成する。配当は、1株当たり5円増配の15円の期末配当を予定(期初予想10円)。

・リユース店舗事業では、既存店が仕入・売上共に好調だ。収益性が高い主力の書籍に加え、アパレルを除く全ての商材で前年同期を上回っている。取扱商材の順調な広がりが、売上単価の上昇につながり、既存店売上高に反映されているものと思われる。リユース店舗事業の収益安定化が19/3期の取り組みの一つであり、成果はあがっているようだ。この他、百貨店内買取窓口のてこ入れに取り組んでいる他、中期経営方針の下、チェーン共通の基盤・サービスの整備も進めている。19/3期は中期経営方針の21/3期経常利益目標を前倒しで達成する見込みだが、順調とは言え、各取り組みは未だ途上にあり、更なる収益拡大の余地は大きいと考える。

会社概要
書籍、CD、DVD、ゲーム、アパレル、スポーツ用品、ベビー用品、雑貨など様々なジャンルでリユース(再使用)事業を展開する日本最大級のリユースチェーンをグループで展開。北海道から沖縄まで全国をカバーする店舗ネットワーク(直営+フランチャイズ)は800店を超え、「ネットリユース」とのシナジーを追及している。
同社は純粋持株会社として、グループ全体の経営戦略策定、投資資金の調達、事業モデルの開発、及び経営資源の適正配分による経営の効率化に専念している。【事業内容】
事業は、リユース店舗事業、ECサイト「BOOKOFF Online」及び大手百貨店内で富裕層向け買取サービス等を行うハグオールの運営のブックオフオンライン事業(以上、報告セグメント)、及び新刊書店「青山ブックセンター」、「流水書房」の店舗運営や各事業の店舗の内外装工事の企画・設計施工等を行うその他に分かれる。

リユース店舗事業
書籍・ソフト等のリユースショップ「BOOKOFF」のチェーン本部としてフランチャイズ(FC)システムの運営及び直営店舗の運営を行っている。直営店舗は、本・CD・DVD・ゲームソフト・家電・携帯等を取り扱う「BOOKOFF」、「BOOKOFF」にアパレル・ブランド品等を加えた中型複合店舗「BOOKOFF PLUS」、及び書籍・ソフトの他、家電(オーディオ・ビジュアル、コンピュータ等)、アパレル、スポーツ用品、ベビー用品、腕時計、ブランドバッグ、貴金属、食器、雑貨など幅広いリユース品を取り扱う総合リユースの大型複合店舗「BOOKOFF SUPER BAZAAR」の3つのタイプで展開している。

主な子会社は、(株)ブックレット、(株)ブックオフウィズ、(株)ブックオフ沖縄、リユースコネクト(株)、(株)マナスが、国内で「BOOKOFF」店舗の運営を行なっている。(株)ブックオフウィズは、上記に加え、アパレル・ベビー用品等のリユース店舗の運営を行なっており、腕時計・ブランドバッグ・貴金属等のリユースショップ・チェーンである「キングラム」のFCでもある。また、(株)ブックレット、(株)ブックオフウィズ、(株)ブックオフ沖縄は、アパレル等のリユース店舗の運営も行なっている。
海外では、BOOKOFF U.S.A. INC.が米国で「BOOKOFF」店舗の運営、BOK MARKETING SDN.BHDがマレーシアで「Jalan Jalan Japan」の運営をそれぞれ行なっており、SCI BOC FRANCEがフランス国内に所有する不動産の賃貸を行っている。

【CSR活動】
家庭で不要になった本・CD・DVD・ゲーム等をブックオフオンライン(株)が提供している宅配買取サービス「宅本便」で買い取りを依頼すると、その買取金額が被災地支援に役立てられる「売って支援プログラム」を実施している(買取金額の10%分をブックオフグループが上乗せし、日本赤十字社や赤い羽根共同募金等を通じて寄付している)。

2019年3月期第3四半期決算
リユース店舗事業の収益性改善と催事販売からの撤退効果で営業利益が7.4倍に拡大
売上高は前年同期比0.2%増の595億88百万円。リユース店舗事業が同2.4%、ハグオール事業(ブックオフオンライン事業として縮小継続)を取り込んだブックオフオンライン事業の売上が同21.4%、それぞれ増加し、催事販売からの撤退の影響を吸収した。

営業利益は同7.4倍の12億96百万円。リユース店舗事業における粗利率の高い書籍売上高の好調や催事販売からの撤退効果で売上総利益率が59.9%と1ポイント改善する一方、店舗オペレーションの効率化や催事販売からの撤退で販管費が減少。営業利益率が1.9ポイント改善した。

リユース店舗事業
売上高534億09百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益29億64百万円(同28.4%増)。既存店売上高(前年同期比103.1%)が前年同期を上回って推移した事に加え、前期に実施した大型複合店舗の出店や、(株)マナス、BOK MARKETINGSDN.BHD.が連結子会社となった事等で売上が増加した。利益面では、既存店売上好調と店舗オペレーションの効率化で営業利益率が改善し、大幅な増益となった。
新規出店は、グループ直営店3店舗、FC加盟店2店舗、及びBOOKOFF総合買取窓口5店舗の計10店舗。閉店はグループ直営店6店舗、FC加盟店17店舗の計23店舗。この他、FC4店舗でリパッケージを行った。

ブックオフオンライン事業
売上高55億11百万円(前年同期比21.4%増)、営業利益39百万円(同72.5%減)。ECサイト「BOOKOFF Online」における販売が好調に推移した事や、前期にハグオール事業で実施していた百貨店内買取窓口の運営を引き継いだ事等で売上が増加した。ただ、最低賃金の上昇や配送コストの値上げ等に加え、ハグオール事業から引き継いだ百貨店内買取窓口の運営コスト負担もあり、減益となった。

第3四半期末の総資産は前期末との比較で87億34百万円減の391億54百万円。新株予約権付社債の繰上償還を実施した事や2018年9月28日付で自己株式2,025,785株の消却を行った事で現預金、有利子負債、及び純資産が減少した。一方、順調な仕入を反映して棚卸資産が増加した。自己資本比率29.5%(前期末27.5%)。

2019年3月期業績予想
利益予想及び配当予想を上方修正。前期比0.6%の増収、同144.4%の営業増益予想
リユース店舗事業における既存店売上高が粗利率の高い書籍を中心に好調に推移している事等を踏まえ、営業利益以下の各利益予想を上方修正した。

配当は、1株当たり5円増配の15円の期末配当を予定。期初予想の10円に5円を上積みした。

中期経営方針
事業方針として、「個店を磨く」(店舗運営と商材)と「総力戦で取り組む」(集客とシステム)の2つを掲げている。このうち「個店を磨く」については、店舗型とネット型それぞれのリユースサービスを磨き上げる事がリユースのリーディングカンパニーとなるための出発点と考え、(1)店舗リニューアル、(2)総合買取窓口の展開、及び(3)ECサイトリニューアルを進めている。一方、「総力戦で取り組む」については、「ひとつの BOOKOFF」構想を推進している。店舗と店舗以外の事業の連携を強化して、これまで希薄だったシナジーを追求していく考えで、会員制度や販売・買取のプラットフォーム、それらを支えるシステム等を統合・共通化して、各サービスで蓄積された会員・商品情報や運営ノウハウ等の資産を全てのサービスで活用していく。

【業績目標】
節目となる30期(21/3期)までの目標として、「経常利益20億円、ROA(総資産経常利益率)5.0%以上、有利子負債営業CF倍率5.0以内」を掲げ、足元は順調に推移しており、経常利益目標については19/3期に前倒しで達成となる見込み。

今後の注目点
リユース店舗事業では、既存店が仕入・売上共に好調で、収益性が高い主力の書籍に加え、アパレルを除く全ての商材で前年同期を上回っている(書籍等の仕入が前年同期を下回っているのはキャンペーンの反動で、この影響を除く実質ベースでは堅調)。取扱商材の順調な広がりが、売上単価の上昇につながり、既存店売上高に反映されているものと思われる。リユース店舗事業の収益安定化が19/3期の取り組みの一つだが、成果があがっているようだ。この他、百貨店内買取窓口のてこ入れに取り組んでいる他、中期経営方針の下、チェーン共通の基盤・サービスの整備も進めている。19/3期は同方針の21/3期経常利益目標を前倒しで達成する見込みだが、順調とは言え、各取り組みは未だ途上にあり、更なる収益拡大の余地は大きいと考える。5月に開催される決算説明会での堀内社長のプレゼンテーションに期待したい。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書更新日:2018年12月25日
<実施しない主な原則とその理由>
【原則1-4】
当社は、「出資及び有価証券運用に関する規程」により、原則として政策保有目的の株式の取得を行わない方針を定めております。ただし、例外として、当社フランチャイズ・チェーン加盟企業の株式を保有することがあります。政策保有の株式の議決権行使については、議案の内容を精査し、必要に応じて企業との対話を行い、株主価値向上に資するものか否かを判断した上で、適切に行使いたします。

【原則4-11】
現在は社内取締役2名、社外取締役4名(うち独立社外取締役3名)、常勤監査役1名、社外監査役2名(うち独立社外監査役1名)であり、取締役は企業経営の経験者や公認会計士、豊富なビジネス経験を有する者、担当事業分野に精通した者、監査役は公認会計士、弁護士、及び事業会社出身者で構成されています。特に社外取締役及び社外監査役は豊富な知識と経験を有する者であり、健全で持続可能な成長が図れるように、構成員のバランスに配慮しております。取締役会の国際性の面は、当社グループの海外事業の比率を鑑み不要と考えておりますが、その一方でジェンダー面に関し、今後の検討課題と考えております。

<開示している主な原則>
【原則5-1】
当社は、IR担当役員を選任し、経営企画部をIR担当部署としております。株主や投資家に対しては、決算説明会を半期に一回開催するとともに、逐次スモールミーティングや個別取材等を実施しております。また、IRポリシーを制定し、当社ホームページにて開示しております。

■IRポリシー<株主との建設的な対話を促進するための方針>
https://www.bookoffgroup.co.jp/ir/policy.html

株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
個人投資家に注目企業の事業内容、ビジネスモデル、特徴や強み、今後の成長戦略、足元の業績動向などをわかりやすくお伝えするレポートです。
Copyright(C) 2011 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。 また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。 当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。