(2317:東証1部) システナ 主力事業好調 中期計画も達成見込み

2019/02/21

systena

今回のポイント
・19/3期3Q(累計)は前年同期比10.6%の増収、同39.8%の営業増益。主力のソリューションデザイン事業の売上が同13.1%増、フレームワークデザイン事業の売上が同15.5%増と伸びる等、主要事業の売上がそろって増加。サービスの高付加価値化に加え、ベトナム子会社もオフショア開発拠点として機能し、営業利益率が12.1%と2.6ポイント改善した。・通期予想及び配当予想を上方修正した。通期予想は、売上高574億42百万円(前期比5.7%増)、営業利益67億円(同29.6%増)。修正理由は、ソリューション営業において前年同期のPC大型リプレース案件の反動減を回避できた事、及び契約単価の上昇と高付加価値案件の受注増で主要事業の利益率がそろって改善した事。期末配当は期初予想に3円上積みの9.5円。年間配当は16円となり、4期連続の増配(2018年6月に1株を4株に分割)。

・19/3期は中期4ヵ年計画(16/3期~)の最終年度に当たる。売上高(560億円)、営業利益(55億円)、配当性向(40%以上)及びROE(20%以上)、の全ての項目で目標を達成できる見込み。成長分野の取込みやサービスの高付加価値化等、事業全般で取り組みの成果が現れており、来期以降も高い成長が期待できそうだ。海外事業及び投資育成事業において一定の成果を示す事ができれば、更に評価が高まろう。

会社概要
2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社だったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末の設計・開発・検証に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識及び基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。連結子会社9社及び持分法適用会社3社と共にグループを形成している。

【会社の経営の基本方針 -安定と成長のバランスを重視した経営-】
経営目標は、「日本を代表するIT企業となり、日本経済を底辺から支える」。その実現のために、「破壊と創造」、「安定と成長」、「保守と革新」という相反する課題をバランス良くコントロールし、常に振り子の中心点に経営の軸足を置いた、バランス経営を基本方針としている。

【目標とする経営指標】

・安定した高配当

・高い株主資本利益率

・高い売上高営業利益率目標とする経営指標として、安定した高配当、高い株主資本利益率、高い売上高営業利益率を掲げており、その実現に向け、経営の基本方針に則り、高収益体質を目指して行く考え。当面の目標(中期経営目標)は、19/3期に連結売上高560億円、営業利益55億円、ROE20%の達成と年間配当1株当たり52円(2018年6月の株式分割を反映せず)の実施(配当性向40%以上)。

【事業内容】
事業は、ソリューションデザイン事業(18/3期売上構成比34.7%)、フレームワークデザイン事業(同8.5%)、ITサービス事業(同12.9%)、ソリューション営業(同42.1%)、クラウド事業(同1.8%)、コンシューマサービス事業(同0.9%)、海外事業(同0.1%)及び投資育成事業(同0.0%)に分かれる(調整額△1.0%)。

ソリューションデザイン事業 (株)システナ、(株)ProVision、(株)IDY、HISホールディングス(株)、Systena Vietnam Co.,Ltd.
モバイル端末開発で培ったノウハウを強みとする自動運転やテレマティクス等の「車載」、電力、交通、航空、宇宙、防衛等の「社会インフラ」、通信キャリア、Eコマース、教育、電子書籍等の「ネットビジネス」、スマートフォン、家電、ロボット等の「スマートデバイス/ロボット/AI」及びワークフローや受発注システム等の「業務システム」の5つのカテゴリーに経営資源を集中させている。いずれのカテゴリーも、IoT関連のシステムやサービスの開発及び検証の引き合いが活発である。また、ベトナムの現地法人Systena Vietnam Co.,Ltd.が、ソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点としての機能を担っている。

フレームワークデザイン事業 (株)システナ、(株)ProVision、Systena Vietnam Co.,Ltd.
国内外の生・損保や銀行を顧客として、金融系システム開発や基盤系システムの開発を行っている。生損保業務では、情報系、契約管理業務、保険料計算、代理店業務から営業管理業務に至るまで幅広い業務ソリューションの開発実績を有し、銀行業務では、メインフレームへの対応はもちろん、オープンシステムの分野においても、営業店系システム及び対外系チャネルシステム等で豊富な開発実績を有する。現状では、業務の大半を金融系システムの開発・運用が占めているが、ITサービス事業やソリューション営業との連携による両事業が有する顧客へのクロスセル、或いはスマホアプリやWebアプリ等のソリューションでのソリューションデザイン事業との連携により、金融系の深耕と他業種への横展開を進めている。また、ソリューションデザイン事業と同様にSystena Vietnam Co.,Ltd.がオフショア拠点としての機能を担っている。

ITサービス事業 (株)システナ、東京都ビジネスサービス(株)
システムやネットワークの運用・保守、ヘルプデスク、ユーザーサポート、データ入力、大量出力等のITアウトソーシングサービスを手掛ける。顧客は電機メーカー、金融機関、外資系企業、官公庁等。

ソリューション営業事業 (株)システナ
ITプロダクト(サーバー、PC、周辺機器、ソフトウェア)の企業向け販売やシステムインテグレーションを手掛ける。ハード販売型のビジネスからサービス提供型のビジネスへシフトを進めており、ITサービス事業等とも連携して所有から利用(クラウド等)へと変化するニーズを取り込む事で事業拡大、高付加価値化を図っている。顧客は電機メーカー、外資系企業等。

クラウド事業 (株)システナ
クラウド型サービスの導入支援からアプリケーションの提供までを手掛けており、「G Suite」と同社開発の「Cloudstep」を組み合わせたシステナ版グループウェアのクラウドサービスや昨年5月にサービスを開始したクラウド・データベースサービス「Canbus.\キャンバスドット」、スマートフォン向けフィッシング対策ソリューション「Web Shelter」などを提供している。現在、パブリック・クラウドに特化しているが、プライベート・クラウドへの対応も進めている。尚、「Cloudstep」とは、「G Suite」等のクラウド型サービスの使い勝手を向上させるための業務アプリケーションや運用者向け管理ツール等の総称。

コンシューマサービス事業 (株)GaYa
連結子会社(株)GaYaを中心とする事業である。(株)GaYaは、スマートフォン向けゲームコンテンツを開発し、大手SNSサイトへ提供している他、他社が開発・リリースしたゲームの運営受託も手掛けている。

海外事業 Systena America Inc. Systena Vietnam Co.,Ltd.
米国の現地法人はモバイルや通信関連の開発・検証支援と米国の最新技術・サービスの動向調査・インキュベーションを二本柱とし、ベトナムの現地法人はソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点との位置づけ。

投資育成事業
戦略子会社(株)インターネットオブシングスが、IoT、ロボット、FinTech、ソーシャルメディア関連の企画・開発・販売・サービス提供を手掛けている。

2019年3月期第3四半期決算
前年同期比10.6%の増収、同39.8%の営業増益
売上高は前年同期比10.6%増の430億32百万円。ネットビジネス、eコマース、車載、IoT、ロボット・AIを中心に主力のソリューションデザイン事業が同13.1%増、既存金融分野が堅調に推移する中、新規サービスが軌道化してきたフレームワークデザイン事業が同15.5%増、前年同期の大型案件の反動が懸念されたソリューション営業が同6.2%増等、主要事業の売上がそろって増加。自社開発製品を中心にクラウド事業も同18.7%増と伸びた。

営業利益は同39.8%増の51億94百万円。ソリューションデザイン事業の利益率が4.8ポイント改善する等、サービスの高付加価値化とベトナム子会社によるオフショア開発の軌道化で営業利益率が12.1%と2.6ポイント改善し、中期4ヵ年計画の目標である9.8%を大幅に上回った。営業外費用として新規事業育成に伴う持分法投資損失1億69百万円を計上した他、税負担率が上昇(29.9%→32.8%)したものの四半期純利益も同31.2%増と伸びた。

(2)セグメント別動向
ソリューションデザイン事業
売上高154億23百万円(前年同期比13.1%増)、営業利益27億60百万円(同54.7%増)。通信事業者・コンテンツプロバイダー向け営業強化の成果で自動車と通信の融合に関連するアプリケーション開発やAIを活用した車載向けサービスプラットフォーム開発が増加した他、通信キャリアの大規模基幹サービス開発やネットショップのサイト開発でネットビジネスも増加。この他、AI及び従来のスクラッチ開発に加え、OSS(Open Source Software)を活用した短納期・低コストサービスの寄与もあり、業務システムが増加した他、スマートフォン開発からの人員シフトにより受注体制を強化したロボット及び情報家電・AI・IoT関連機器の開発業務の受注も増加した。

利益面では、ベトナム子会社を活用したオフショア開発が軌道に乗りつつあり、ブリッジSEとして国内の地方開発拠点も活性化している。収益性の高いシステム開発の増加と開発面でのコスト低減及び率改善で営業利益率が17.9%と4.8ポイント改善した。

フレームワークデザイン事業
売上高39億10百万円(前年同期比15.5%増)、営業利益6億35百万円(同34.4%増)。大型保険システム開発や基盤構築案件の拡大等で既存金融分野が堅調に推移する中、業務自動化ソリューションのライセンス販売を中心にした新規サービスが、展示会・セミナー等のプロモーションやキャンペーンの成果もあり、増加。稼動率の向上と売上の増加による新規サービスの収益性改善で営業利益率も改善した。

ITサービス事業
売上高57億50百万円(前年同期比11.0%増)、営業利益7億91百万円(同31.9%増)。企業の積極的なIT投資需要を取り込み、ITサポートやITインフラ構築等で高付加価値案件が増加。人材の拡充を進めたが、ヘルプデスクやシステムオペレーター等の派遣から収益性に優れる請負業務へのシフトが進んだ事で営業利益率も改善した。

ソリューション営業
売上高170億25百万円(前年同期比6.2%増)、営業利益9億16百万円(同8.8%増)。「働き方改革」をキーワードにした、モバイル・セキュリティ・クラウドでの需要喚起に取り組んだ結果、モバイルPCを中心としたWindows7から10への大型リプレース案件の受注に成功した他、クラウドとオンプレミスサーバーによるサーバーソリューションも計画を上回った。

クラウド事業
売上高7億60百万円(前年同期比18.7%増)、営業利益1億44百万円(同76.8%増)。注力商材として営業を強化したビジネスアプリケーションプラットフォーム「Canbus.(キャンバスドット)」や業務改善提案が奏功したグループウェア「Cloudstep」(「G Suite」・「Microsoft Office365」と連携するグループウェア)で大型案件の受注に成功した。

コンシューマサービス事業
売上高2億83百万円(前年同期比28.0%減)、営業損失23百万円(前年同期は営業利益91百万円)。開発を前倒しで進めた新規コンテンツを当初の計画よりも早い12月にリリースした。順調に立ち上がったが、12月単月のみのため、収益貢献は限定的だった。

海外事業
売上高83百万円(前年同期比38.2%増)、営業損失27百万円(前年同期は営業損失1億42百万円)。既存顧客からの継続受注と東海岸の新規日系顧客からの開発案件の受注で米国子会社の売上が増加。ベトナム子会社を活用したオフショア開発で原価の低減も進んだ。
また、提携先であるPlasma(プラズマ)社の「IoTプラットフォーム」が豪州で大規模な農業IoTに採用された事で、米国子会社とプラズマ社の合弁会社ONE Tech,Inc.がAI部分の開発業務を受注した。この他、StrongKey(ストロングキー)社の「暗号化と次世代認証セキュリティ・ソリューション」の販売に向けた準備を進めた(来期リリース予定)。

投資育成事業
売上計上はなく(前年同期5百万円)、営業損失2百万円(前年同期は営業損失18百万円)。(株)インターネットオブシングスが、Canbus.の顧客向けに、IoTでIT経営を実現するためのデータ活用アプリケーション(Canbus.スマートフォンアプリ)の開発を進めている。このスマートフォンアプリとLPWA(LoRa等)のIoTネットワークを活用したIoTサービスの早期収益化を目指している。

第3四半期末の総資産は前期末と比べて19億18百万円増の303億43百万円。借方では、回収が進み売上債権が減少する一方、利益の増加と資金効率の改善による営業CFの増加で現預金が大幅に増加。貸方では、仕入債務が減少する一方、純資産が増加した。自己資本比率63.2%(前期末59.5%)。

2019年3月期業績予想
業績予想及び配当予想を上方修正
売上面では、ソリューション営業において、モバイルPCを中心としたWindows7から10への大型リプレース案件の受注に成功し、懸念されていた前年同期のPC大型リプレース案件の反動減を回避できた事が上方修正の要因。利益面では、契約単価の上昇と高付加価値案件の受注増で主要事業の利益率がそろって改善した事が上方修正の要因となった。

期末配当は期初予想に3円上積みの1株当たり9.5円を予定。上末配当と合わせて年間16円。2018年6月1日を効力発生日として、1:4の株式分割を実施しているため、実質2円の増配となり、4期連続の増配。

今後の注目点
19/3期は中期4ヵ年計画(16/3期~)の最終年度に当たる。成長分野の取込みやサービスの高付加価値化等、事業全般で取り組みの成果が現れており、売上高(560億円)、営業利益(55億円)、配当性向(40%以上)、及びROE(20%以上)、の全ての項目で目標を達成できる見込み。また、8期連続の増収、6期連続の営業増益となり、営業利益は4期連続の最高益更新となる。足元の業績モーメンタムは良好であり、来期以降も高い成長が期待できそうだ。海外事業及び投資育成事業において一定の成果を示す事ができれば、更に評価が高まろう。
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎コーポレート・ガバナンス報告書更新日:2018年11月22日
基本的な考え方
当社は、激しい経営環境の変化に対応し、経営の効率性を高めるために迅速な意思決定によるスピード経営を推し進め、永続的な事業発展と株主価値の増大および株主への継続的な利益還元を行っていくと同時に、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダー(利害関係者)との利害を調和させ、全体としての利益を最大化することを目指し、かつ、経営の健全性確保およびコンプライアンス(法令遵守)の徹底に努めるためにコーポレート・ガバナンスを強化させていきたいと考えております。
このため、外部専門家(監査法人、主幹事証券会社、弁護士、社会保険労務士、司法書士等)やステークホルダーからの指摘や提言を真摯に受け止め、経営の公平性、透明性に関して更なる充実を図る所存であり、持ち前の当社の機動性を活かし、会社規模に応じた体制を構築し、株主などのステークホルダーを絶えず意識した上場企業として一層の自己改革を図り、コーポレート・ガバナンスの強化と適時適切な情報開示に努める所存であります。

<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則4-10-1 任意の指名委員会・報酬委員会など、独立した諮問委員会の設置】
当社の取締役9名のうち独立社外取締役は2名であり、取締役会の過半数には達しておりませんが、社外監査役4名とともに社外役員6名全員が東京証券取引所の定めに基づく独立役員の要件を満たしており、各々の独立役員が専門的な知見と豊富な経験を活かし、取締役会における特に重要な事項の審議に当たり、積極的に意見を述べるとともに、適時適切な助言が行われているため、現在のところ、独立した諮問委員会の設置は行っておりません。今後、必要に応じて検討してまいります。

<開示している主な原則>
【原則3-1 情報開示の充実】
(1)経営理念、経営戦略、経営計画
当社は、経営理念や経営戦略、中期経営計画を策定し、開示しております。詳細は、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照ください。

「経営理念・行動基準」
https://www.systena.co.jp/about/idea.html
「経営目標と経営の基本方針」
https://www.systena.co.jp/ir/management/business_plan.html
「中期4ヵ年計画」
https://www.systena.co.jp/ir/management/business_plan.html

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主との建設的な対話を促進するために、ディスクロージャーポリシーを定め、開示しております。詳細は、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照ください。
https://www.systena.co.jp/ir/management/disclosure.html

また、そのための体制整備・取組については、本報告書「III 株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況」の「2.IRに関する活動状況」をご参照ください。

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