日本合成化学工業株式会社(4201 東証一部)
主力製品OPL フィルムの次期増設を視野に製品開発に注力

2015/06/09

ベーシックレポート
㈱スクアード・リサーチ&コンサルティング
奥山 智子/坂本 貞夫

需要拡大を背景に設備投資を強化、コア事業の更なる拡大を狙う
 1928 年に日本で初めて有機合成酢酸の工業化に成功して以来、酢酸をベースに事業を展開している専門化学品メーカーである。①ポリビニルアルコール(PVOH)、②エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、③粘・接着樹脂(スペシャリティーポリマー)の3つが主力事業となっており、偏光板向け光学用PVOHフィルム「OPL フィルム」、主に食品包装材として利用されるEVOH 樹脂「ソアノール」が同社の収益を支える2大看板製品である。両製品ともクラレとの寡占が続いており、日本合成化学工業は確固たる業界ポジションを確立している。
需要拡大を背景に、2013 年3 月期に「OPL フィルム」、2014 年3 月期には「ソアノール」の生産設備の大型増強に着手するなど、生産能力の拡大を積極的に実施している。なお、「OPL フィルム」については、ディバイスの薄型化/軽量化に伴い、薄膜化のニーズが年々高まってきており、2000 年代前半には75μm だった膜厚は、現在30μm まで薄膜化、目下、20μm 品の生産技術確立に注力するとともに広幅生産ラインの増設も視野に入っており、今後売上規模の拡大を狙う。

2015年3月期を底に営業利益率は改善方向へ
 2015年3月期の売上は1,052億円、前期に実施した連結子会社の決算期変更の影響を除くと(※)、3 期連続の増収となったが、営業利益は縮小、営業利益率の悪化を強いられた。①本第1四半期に稼働を予定していたOPL フィルム新設備の品質安定化に時間を要し、本格稼働が2014年11月にズレ込んだ点及び、②欧州でメーカー撤退等により原料となる酢酸ビニルモノマーの価格が高騰した点が収益性悪化を招いた。2点とも既に対応済みであることに加え、2016年3月期第2四半期にユーティリティーコストの安い米国でEVOH 新設備が稼働を開始する予定である。生産能力増強による拡販のみならず、米国の稼働を優先的に上げ、コスト削減を図る計画もあることから、営業利益率は今期を底に快方に向かうと推察される。

(※)連結子会社の決算期変更の影響を除く2014 年3 月期の売上は1,002 億円、営業利益は148 億円、営業利益率は14.8%である。
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