アグロ カネショウ (4955 東証一部)

2014/10/17

中堅の農薬専業メーカー、野菜や果実向けが多い
14 年12 月期は消費税率引上げ後の需要動向により業績予想を修正

業種:化学
アナリスト:松尾 十作

◆ 中堅の農業薬品専業メーカー
・アグロ カネショウ(以下、同社)は、果樹、野菜向け等の農薬の製造販売 を行っている中堅農薬専業メーカーである。導入品に独自のノウハウを 加えた農薬と自社開発農薬で業容を拡大してきた。

◆ 14 年12 月期上期は3.4%増収、54.6%営業増益
・14/12 期第2 四半期累計(以下、上期)決算は、前年同期比3.4%増収、 同54.6%営業増益であった。同社の期初予想に対する達成率は売上高 98.3%、営業利益107.0%であった。
・第1 四半期に前年同期比22.1%増となった売上高は、消費税率引上げ 後の需要低迷により上期としては同微増にとどまった。営業利益は高採 算品が伸長したため大幅増益となった。

◆ 14 年12 月期通期については期初予想を減額修正
・同社は期初に公表した14/12 期通期業績予想を修正した。修正前⇒修 正後の順で、売上高13,652 百万円⇒13,241 百万円(前期比0.8%減)、 営業利益1,782 百万円⇒1,702 百万円(同63.8%増)としている。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)も、従来予想を同社の修正予 想並みに下方修正した。土壌消毒剤の売上高は堅調な推移が見込める が、一部の農薬について競争が激化していることを考慮したためである。

◆ 投資に際しての留意点
・同社は東京電力に対し、福島第一原子力発電所の事故により操業停止 に追い込まれた福島工場にかかる損害の補償を求めている。既に一部 を受け取っているが、引き続き補償を求めていく方針である。
・同社は、新薬の研究開発資金を確保しながら業績を勘案して行うことを 株主還元の基本方針としている。13/12 期は大幅増益となったことから、 特別配当5 円を実施し、年25 円配としたが、14/12 期は普通配当のみと し年20 円配とする意向である。当センターでは14/12 期に加えて、15/12 期以降も、年20 円の普通配当が継続すると予想する。


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一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

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