オンコリスバイオファーマ株式会社(4588 Growth)
TOPIX銘柄に採用へ

2026/09/09

フォローアップ・レポート
フェアリサーチ株式会社
鈴木 壯

テロメライシン® 高薬価での上市と適応範囲の拡大
オンコリスバイオファーマの主力開発品(OBP-301)は、テロメライシン®という遺伝子を改変した腫瘍溶解ウイルスである。オンコリスバイオファーマ独力での製品化に向けて、国内においては食道がんに絞って、臨床開発を推進し、2025年12月に承認申請を行い、2026年6月「通常承認」を取得した。これまでのところ、上場バイオテックが承認を得た再生医療等製品のなかで、「期限及び条件付き承認」ではなく、「通常承認」を取得したのはテロメライシン®のみである。8月12日には、「先駆け加算」、「有用性加算」、「市場性(希少疾病)加算」の3つの加算が認められ、1バイアル当たり約310万円という高薬価で保険適応となり、8月21日から販売が開始された。さらに、当初想定していたステージⅡ及びⅢの患者のみならず、ステージにかかわらず、「根治手術および化学照射線療法の適応とならない食道がん」が対象となった。高齢者や心臓疾患のある手術不応患者や臓器障害のある化学療法不応患者に朗報である。食道がん治療の「第三の選択肢」として位置付けることができる。

テロメライシン® 効能拡大の方向性
下部直腸/肛門がんの場合、手術後に人工肛門となる割合が高く、QOLの面で課題となっているが、化学放射線療法へのテロメライシン®の上乗せにより、肛門温存という局所完全寛解が期待できる。2026年8月3日、治験届(Ph1/2)が提出されており、まもなく最初の患者組み入れ(FPI)、そして2027年中には組み入れ完了の予定である。手術による病理検査の結果、十分な効果が見込めると期待できるようであれば、手術を伴わないプロトコルに変更して次のステージにステップアップする予定である。さらに、喉頭がんでも、声帯の温存という局所効果を狙って、化学放射線療法にテロメライシン®を上乗せするプロトコルを整備しているところである。食道がんの分野でも、奏効患者を絞り込むためのバイオマーカーの探索や一次治療として主流になりつつある化学療法と免疫チェックポイント阻害剤の併用療法が奏功しなかった患者への適応が注目される。また、日本での通常承認を受けて、海外への導出活動もステージアップしており、既に、アジア圏の会社と条件交渉に至っている。

TOPIX 採用銘柄へ
OBP-601は選択的スプライシングを制御しLINE-1の生成を抑制するLINE-1阻害剤である。2024年10-12月期には、導出先のトランスポゾン社によって、PSPやC9-ALSといった神経変性疾患でのPhase2a試験で有効性/安全性が確認されている。トランスポゾン社ではPSPを対象としたPhase3(Pivotal試験)のための資金調達を2026年中に完了させる見込みで、調達完了後、速やかに試験開始の予定である。より安定した奏効を目指した用量最適化試験が成功すれば、以前より高い関心を示してきたメガファーマが動き出す可能性が高い。 また、10月末からオンコリスバイオファーマ社の株式がTOPIXに採用されることは確実と見込まれる。TOPIX改革の一環として、対象市場が、プライム市場からスタンダード市場やグロース市場まで拡大され、2026年8月末の選定基準(回転率と浮動株時価総額)で、TOPIXの採用銘柄の入れ替えが決定される。TOPIXに連動して運用されている資金規模は110兆円程度と言われており、流動性の向上が期待できる。

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