10月27日妥当レンジ 21,900円~23,650円
企業業績好調を受けポジティブな反応、過熱には注意

2017/11/01

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

 

<ロシアゲートにより3名訴追>

■30日に、トランプ大統領周辺とロシアとの不透明な関係に対する疑惑(ロシアゲート)を捜査するモラー特別捜査官は、トランプ陣営の選対本部長を務めたマナフォート氏他2名を米国に対する謀略や資金洗浄などの罪状で起訴した、と発表。今後は、トランプ氏側近の関与の可能性を含めて捜査が進行するものと思われる。しかしながら、現状では市場は比較的冷静に反応しており、むしろ減税法案やFRB議長人事により高い関心があるような様子である。
■先週は、ECB理事会が開かれ(26日)、量的緩和策の縮小が決定された。12月末までとしていた国債等の資産購入期限を18年9月末に延長した上で、1月以降の購入額を半額にするという内容であったが、市場ではハト派的内容と受け止められた。27日発表の米GDP(4-9月期・速報)は、ハリケーンの影響があったものの、実質で+3.0%(前期比年率換算)とほぼ4-6月期の水準(+3.1%)を維持したことから好感された。
■既に日銀金融政策決定会合(30-31日)では現状維持が決定されたが、今週は米FOMC(31-1日)が予定されている他、主要経済指標の発表が相次ぐ。1日:ADP雇用統計・ISM製造業景気指数・中国財新PMI、3日:米雇用統計、ISM非製造業景気指数。今週中に次期FRB議長人事が発表される見通しである。また、週末の5-7日にはトランプ大統領の来日が予定されている。

 

<IFIS/TIWコンセンサス225 は全期間で前週比プラス>

■10月27日時点のIFIS/TIWコンセンサス225(日経225のコンセンサスEPS)は、全期間で前週比プラスとなった。プラス寄与銘柄は、京セラ、ファナック、コマツ、キヤノン、東京エレクトロンなど機械・エレクトロニクスが目立っている。コンセンサスDI(前週比プラスとなった企業の比率)も50超を引き続き維持している。
■ロシアゲートの捜査の方向性や影響に関しては見守る必要があるものの、企業業績の好調から日本株はまだ底堅く推移すると観る。過熱的な上昇トレンドを描く可能性もありそうだ。現水準では、まだ、割高感はないものの株価の位置が高くなっていることには注意を払うべきと考える。

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

21,900円~23,650 (前回21,400円~23,100円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(10月27日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(10月27日)

今期予想EPS 1167.28 (前週 1163.46円)
来期予想EPS 1302.28 (前週 1295.21円)
再来期予想EPS 1451.74 (前週 1445.03円)
今期予想PER 18.85 (前週 18.44倍)
来期予想PER 16.90 (前週 16.57倍)
再来期予想PER 15.16 (前週 14.85倍)
来期予想PBR 1.27 (前週 1.24倍)
来期予想ROE 7.51% 前週 7.48%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.96% (前週 6.97%)

10月27日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出




図1妥当レンジは大きく上方にシフト。中位(平均)は22,775円と22千円台後半に。
ロシアゲートの今後の展開がリスク要因だが企業業績予想の上方修正が支援材料。

 

 

図2来期予想ベースのプラス企業比率は、 61.761.062.857.1%→58.5%。
再来期予想ベースのプラス企業比率は、52.8%→65.365.960.758.4%。
50%超が安定的に継続!

 

[注:4~5月は例年、対象決算期変更の影響があるのでイレギュラーな値になることに留意]

 

出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2012年1月から表示

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り

 

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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