5月2日妥当レンジ 19,600円~21,200円
月内は日経平均2万円台を伺う展開

2017/05/09

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

 

<米国6月利上げ期待から株価は強含みの展開続く>

■4月のISM製造業景況指数(1日)は前月を下回ったが、ISM非製造業景況指数(3日)は、62.4と市場予想(58.4)を大きく上回った。5日発表の4月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が21.1万人増と市場予想(18.5万人)を上回り、失業率も4.4%と前月から0.1ポイント改善した。米FOMC(2-3日)会合後の声明では「景気減速は一時的」、「利上げペースも緩やかに調整する」と6月の会合(13-14日)での利上げの可能性に十分な含みを持たせた。
■為替市場ではドル円は112円台/ドル後半にまで円安が進み、仏大統領選での中道派のマクロン氏勝利も加わって、連休明けの日経平均株価は一時期19,929円と2万円に迫った。
■第1四半期(1-3月)での米経済の停滞は一時的要因であることが追認されたこと、仏大統領選の親EU派勝利によって欧州におけるポピュリズムの台頭に目先的には歯止めがかかったこと、米暫定予算の期限切れ問題の解消、北朝鮮情勢において米国の先制攻撃の可能性が低いとの見方の強まり、などから懸念材料が大きく後退し、リスクオンの状態が生じている。
■向こう1ヵ月は、6月の米利上げを視野に円安トレンドが期待される中で、企業業績を買う展開が予想される。
■懸念材料を敢えて挙げるならば、中国経済の動向である。4月の中国貿易統計(8日)においては輸出(ドル建・前年比)が8%増となったことが上げ相場の中では好感されたが、市場予想(+10.4%)を下回っている。4月の製造業PMIは、国家統計局及び財新/マークイットも低水準に留まった。

 

<まだまだ日本株は割安水準だが>

■5月2日時点のIFIS/TIWコンセンサス225(日経225のコンセンサスEPS)は、連休の谷間で決算発表が少ないタイミングであったが、全期間で前週比プラスとなった。 「225コンセンサスDI」(前週比プラスとなった銘柄数の比率)は、今期ベースは50%を割ったものの、来期・再来期は50%超を維持した。
■懸念材料の後退と日本株の割安感を買う展開に目先は乗ってゆきたい。ただし、織り込みスピードが速いだけに、その反動にも用心したい。

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

19,600円~21,200 (前回19,400円~20,950円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(5月2日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(5月2日)

今期予想EPS 1118.31 (前週 1116.66円)
来期予想EPS 1201.27 (前週 1193.01円)
再来期予想EPS 1302.84 (前週 1298.63円)
今期予想PER 17.39 (前週 17.19倍)
来期予想PER 16.19 (前週 16.09倍)
再来期予想PER 14.93 (前週 14.78倍)
来期予想PBR 1.21 (前週 1.20倍)
来期予想ROE 7.46% 前週 7.44%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
7.06% (前週 7.06%)

*5月2日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出



図1
妥当レンジは201557月の水準を超えてきた。目先の懸念材料は消化されており、日経平均2万円奪還に現実味。

 


図2
来期予想ベースのプラス企業比率は、 48.5%→45.5%→57.1%→64.5%→56.2%。
再来期予想ベースのプラス企業比率は、44.8%→52.4%→55.3%→61.9%→52.3%。

先週は営業日が2日しかなかったためサンプル数が少ないが、来期・再来期ともにプラストレンドを維持。最終的に来期予想ベースのEPSで1,270円前後が伺えるかどうかが目先のポイント(5/2現在は1,201円)。

[注:4~5月は例年、対象決算期変更の影響があるのでイレギュラーな値になることに留意]

 

 

 

 

 出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2012年1月から表示

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り

 

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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