3月3日妥当レンジ 19,050円~20,600円
リスク要因はあるものの、2万円回復は切っ掛け待ち

2017/03/07

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

 

<北朝鮮のミサイル発射で地政学的リスクが表面化>

■注目された28日のトランプ大統領の議会演説は、移民制度改革や大幅な減税に関して言及されたものの、予想通り具体策には乏しい内容だった。一方で、FRB高官による3月利上げを示唆する発言が相次いだことから為替はドル高・円安に推移し、日経平均株価は2日に年初来高値(19,668円)を記録した。2月のISM製造業景気指数、ISM非製造業景気指数は市場予想を上回る強い内容であり、10日発表の米雇用統計において大きな失望が無い限り、次回FOMC(3月14-15日)での利上げの可能性は高まったと言えよう。
■それにも関わらず、今週の日本株の頭が重くなっているのは、6日に北朝鮮が米韓合同軍事演習に反発してミサイルを4発発射したことによる地政学的リスクの高まりと、15日にオランダの下院選挙を控えていることによると考える。
■また、1月の全国消費者物価において、CPIコア(生鮮食品を除く総合)が+0.1と13ヵ月ぶりにプラスに転じたことも為替への影響があると推察する。プラス転化は原油価格と円安に負うところが大きいが、今後もエネルギー価格のプラス寄与が見込まれるだけに一段と物価の上昇基調を強めてゆくことが予想される。その結果、長期金利の0%維持が次第に難しくなることが予想されるだけに、日米金利差拡大がやや相殺されることが考えられる。

 

<コンセンサス予想(来期ベース)は、18週連続前週比プラス>
■3月3日時点のIFIS/TIWコンセンサス225(日経225のコンセンサスEPS)は、引き続き全期間において前週比でプラスであった(全期間プラスは5週連続、来期ベースは18週連続)。「225コンセンサスDI」(前週比プラスとなった銘柄数の比率)も来期・再来期ベースともに高水準を維持している。
■なお、3日時点では、12ヵ月フォワードベースの予想EPSからの日経平均株価の妥当レンジは、19,900~21,570円と、前週から上方にシフト。株価の水準訂正(2万円回復)は切っ掛け待ちと考える。

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

19,050円~20,600円 (前回18,900円~20,400円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(3月3日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(3月3日)

今期予想EPS 1053.59 (前週 1047.78円)
来期予想EPS 1155.33 (前週 1150.48円)
再来期予想EPS 1262.09 (前週 1261.24円)
今期予想PER 18.48 (前週 18.40倍)
来期予想PER 16.85 (前週 16.76倍)
再来期予想PER 15.43 (前週 15.29倍)
来期予想PBR 1.24 (前週 1.23倍)
来期予想ROE 7.35% 前週 7.33%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.85% (前週 6.86%)

*3月3 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出



図1
予想EPSの増加トレンドから妥当レンジは上方シフトが続く。株価が揉み合う中でのタイミング待ちと考える。

 


図2
来期予想ベースのプラス企業比率は、 62.8%→58.7%→62.1%→59.9%→64.9%。
再来期予想ベースのプラス企業比率は、61.5%→67.6%→55.9%→62.4%→55.5%。

再来期ベースがやや鈍化するものの、50%超を安定的にキープ!

 

 

[注:4~5月は例年、対象決算期変更の影響があるのでイレギュラーな値になることに留意]

 

 

 

 出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2012年1月から表示

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り

 

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
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独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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