4月15日妥当レンジ 16,400円~17,750円
悪抜けシナリオに黄信号、追加緩和でも効果は一時的か

2016/04/19

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

熊本地震で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々が一日も早く日常を取り戻すことを願って已みません。

<余震の沈静化と復旧スピードが鍵>
■週明けの東京株式市場は、1)G20での米財務長官の円切り下げに対して釘を刺す発言、2)産油国会合において増産凍結が見送られたこと、3)熊本地震による生産ラインへの影響と消費マインドへの悪影響、などから大幅下落する展開となった。
■昨日のNY時間では108円台後半までやや円安に戻していることや、ドーハ・ショックからの原油安もやや落ち着いてきていること、27-28日の日銀金融政策決定会において追加緩和の可能性が強まったことから、目先的にはリバウンドが見込まれるものの、先行きの企業業績を鑑みると上値の重い展開が予想される。マイナス金利政策の拡大に関しては懐疑的な面が強く、為替への限定的と思われる。ETFなど資産買入の増額については補完的な効果に限定されると考える。
■熊本地震の余震収束とインフラに対する復旧スピードにも拠るが、生産活動の停滞や消費マインドへの影響、加えてインバウンド需要の収縮等を鑑みると、16年度の企業業績への影響は決して小さくはないと考える。
■これまで、4月下旬から始まる決算発表において悪抜けとなって株価が底打ちする展開を想定していたが、(悪抜けはあるものの)底打ち後の反発力は抑制されることも考えられる。今後は、消費増税再延期と大型補正予算が焦点になるが、消費税再延期には衆院解散を前提とするならば、不透明感が強まった感がある。24日の北海道・京都の衆院補選が注目されよう。今週は20日発表の貿易統計(3月)、21日のECB理事会以外に目立ったイベントはない。

 

<コンセンサス予想EPSは全期間で今回も大幅マイナスに>
■4月15日時点のIFIS/TIWコンセンサス225(日経225のコンセンサスEPS)は、再び全期間において前週比大幅なマイナスとなった。妥当レンジはテクニカルな要因から前週比上方にシフトするものの、熊本地震の影響を織り込んでおらず、この水準よりはやや下方を想定しておくべきであろう。リバウンド一巡後は再び内需関連銘柄が中心の展開と考える。

 

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

16,400円~17,750円 (前回15,800円~17,050円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(4月15日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(4月15日)

今期予想EPS 920.96 (前週 931.52円)
来期予想EPS 1087.05 (前週 1091.28円)
再来期予想EPS 1163.78 (前週 1168.50円)
今期予想PER 18.29 (前週 16.98倍)
来期予想PER 15.50 (前週 14.50倍)
再来期予想PER 14.48 (前週 13.54倍)
来期予想PBR 1.08 (前週 1.02倍)
来期予想ROE 7.00% 前週 7.01%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.95% (前週 7.06%)

*4月15 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

 

 

図1上記は、まだ、熊本・大分地震の影響が織り込まれる前であり、レンジはこれよりやや下の水準を見るべきだろう。

 

図2来期予想ベースのプラス企業比率は、 44.2%→45.1%→41.4%→43.4%→39.6%。
再来期予想ベースのプラス企業比率は、40.5%→48.8%→40.7%→40.6%→25.3%。

サンプル数が少ないものの、回復傾向は見られず。

[注:4~5月は例年、対象決算期変更の影響があるのでイレギュラーな値になることに留意]

 

図3今期ベースは前期水準まで低下。来期・再来期も弱含み。

 

図4予想EPS12ヵ月フォワード)が弱含む中では予想PERの大きな回復は期待薄か?

 

出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2012年1月から表示

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り

 

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
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独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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