11月27日妥当レンジ 18,350円~19,750円
米経済指標発表とECB理事会への期待から目先反発か?

2015/12/01

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

<短期的には浮揚を予想>
■米利上げ見通しの織り込みと、ECBの追加緩和によるユーロマネー流入への思惑、さらには補正予算など政策対応への期待などから10月下旬から世界的な株価上昇を背景にして、日本株も日経平均株価2万円奪回を目指す動きが続いてきた。しかしながら、家計消費支出(10月・27日発表)、鉱工業生産指数(10月・30日発表)など芳しくない国内経済から現時点では2万円が大きな壁となっている。
■今週は、3日のECB理事会において緩和策が発表される見通しである。また、同日にイエレンFRB議長の議会証言が予定されており、米利上げの可能性をより確かにすることが見込まれる。経済指標の発表は、1日:米ISM製造業景況指数(10月)、中国PMI製造業(11月)、2日:米ADP雇用統計(11月)、3日:米ISM非製造業景況指数(11月)、4日:米雇用統計(11月)、と続くが失望するような数値が出ない限りはポジティブに受け留められる可能性が強いだろう。
■ECB理事会において、アナウンス効果の高い緩和策が決定されれば、ユーロ安につられて円安も進行する可能性がある。目先は輸出関連企業を中心とした上昇も期待できるだろう。

<しかし、深追いは禁物>
■11月27日時点の株価(19,883円)は妥当レンジ上限を上回る。また、12ヵ月フォワードの移動平均EPSから算出した予想PERは、18.30倍。8月7日時点の予想PER19.23倍を下回るが、中国ショックが顕在化したこと、それを踏まえて予想EPSのプラス変化が大きく鈍化したこと、地政学的リスクが高まっていること、を考慮すれば既に割高な水準と思われる(参考までに11/27時点の移動平均EPSの19.23倍は20,897円)。
■15-16日の米FOMCで利上げが実施されれば、目先のプラス材料は織り込みになる可能性も考えられえる。短期的には市場センチメントから2万円を突破する可能性はあるものの、利食いポイントであるとの見方には変わりは無い。

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

18,350円~19,750円 (前回18,400円~19,800円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(11月27日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(11月27日)

今期予想EPS 1034.82 (前週 1038.78円)
来期予想EPS 1131.15 (前週 1132.48円)
再来期予想EPS 1232.99 (前週 1233.79円)
今期予想PER 19.21 (前週 19.14倍)
来期予想PER 17.58 (前週 17.55倍)
再来期予想PER 16.13 (前週 16.11倍)
来期予想PBR 1.27 (前週 1.28倍)
来期予想ROE 7.21% 前週 7.28%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.45% (前週 6.48%)

*11月27日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

 

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株価は妥当レンジ上限を突破しているが、理事会を控えて強含みか?

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来期予想ベースのプラス企業比率は、51.8%→50.4%→43.4%→56.8%→54.2%。
再来期予想ベースのプラス企業比率は、44.0%→47.2%→52.5%→50.4%→53.4%。
3Q決算の事前レビューが出てくるまで、50%を挟んだ展開か?

[注:4~5月は例年、対象決算期変更の影響があるのでイレギュラーな値になることに留意]

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長期的視座からは警戒ゾーンに入りつつある

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12ヵ月フォワードの移動平均EPSから算出したPERから見ても上昇余地は限られる。
 

 

出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2012年1月から表示

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り

 

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。