12月9日妥当レンジ 8,200円~9,400円
淡々と弱気材料を織り込み安堵感が広がる展開

2011/12/13

【IFIS/TIWコンセンサス225】

先週末の欧州連合首脳会議は、事前の予想通り着実な進展を見せた。過剰な財政赤字国に対して自動的に制裁を発動する仕組みやEU各国が相互に財政削減に対する監視を行うことも決定された。財政規律強化を目指す新たな条約に関しては2012年3月までの署名を目指している。
既存のEFSF(欧州安定基金)に加えて、ユーロ圏諸国を中心に欧州各国がIMFに2,000億ユーロを融資して新たな資金網を作ることが合意された。さらに、EFSFの後継機関であるESM(欧州安定メカニズム)を当初の2013年から前倒しして、2012年7月に設立することも合意した。欧州共同債の導入については目立った進展は見られなかったが、EFSFの4,400億ユーロとIMFの2,000億ユーロを合わせれば、財政状況に疑問が呈されている5カ国(ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガル、アイルランド)が2012年に償還を迎える国債(合計で約5,300億ユーロ)に対する手当てはほぼ出来た計算になる。

8日のECB(欧州中央銀行)理事会後にドラギ総裁が、流通市場からの国債買入れの増額に対して、それを否定する見解を述べたことから金融不安の払拭に対して懐疑的なメディア報道もなされた(特に日経新聞の土曜朝刊は、「力不足の安全網」と報道)。しかしながら、ECBは政策金利を0.25%引き下げるとともに銀行が借入れを行う際の担保要件を引き下げ、国債相場を間接的に支援する形を提示している。
ドラギ総裁が理事会後に“厳しいコメント”を出した背景には、EU首脳会議の直前であり、各国政府の意思を促す目的があったとの見方が有力である。

今週は、米FOMCの開催(13日)や、日銀短観の発表(15日)が予定されているが、良くも悪くもマーケットに大きな影響はないものと考える。

12月9日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、今回も引き続き、今期予想ベース(1期)、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)の全期間において前週を下回った。減少幅は、それぞれ▲7.25円(1期)、▲3.13円(2期)、▲0.59円(3期)であった。再来期(3期)のマイナス幅ならびにマイナスとなった会社数とプラスになった会社数の差が小さくなっているので、長期的見通しの下方修正は終息しつつあるようだが、今期(1期)についてはまだ慎重なスタンスが続きそうである。
今回は、日経平均の妥当レンジを8,200円~9,400円に据え置く。

今週は、売り圧力が弱まる中で緩やかな上昇基調を維持するものと考える。
しかしながら、今期予想業績に対してはまだ慎重な見方(下方修正余地)も多いだけに上値は重い状態が続くと思われる。来期業績に投資家の視座の中心が移行する3Q決算発表以降までは日経平均が9,000円を上回る可能性は極めて少ないと考えている。

投資スタンスはこれまでと同じである。
妥当レンジの下限付近では押し目買いの好機と考える。
年末に向けてマーケットボリュームが低下する可能性はあるが、マーケットの安心感が広がる中では、流動性リスクを理由として低位に放置されていた新興市場の高ROE・低バリュエーション銘柄への見直しが起こることが期待される。

◇日経平均妥当水準(レンジ)

8,200円~9,400円 (前回 8,200円~9,400円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(12月9日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(12月9日)

今期予想EPS 564.15 (前週 571.40円)
来期予想EPS 704.22 (前週 707.35円)
今期予想PER 15.13 (前週 15.13倍)
来期予想PER 12.12 (前週 12.22倍)
来期予想PBR 0.90 (前週0.91倍)
来期予想ROE 7.44% 前週7.46%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.68 (前週6.59%)

*12月9日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

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