7月17日妥当レンジ 19,400円~20,900円
海外景気動向を視野に、ボックス圏の動き続く

2015/07/22

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

<ボックス圏相場で中小型や個別物色のトレンド強まる>
■中国国家統計局は15日に、4-6月のGDPが前年同期比7.0%増加したと発表しました(物価変動を除く実質)。同時に発表された開発投資や製造業の工業生産がマイナスであったことから統計の信頼性について疑念が生じており、中国経済について悲観的な見方も一部に台頭している。日本株市場が堅調な中で自動車など輸出企業の株価回復が低調である。
■貿易統計は、6月上中旬分(7/8発表)では、前年同期比で輸出が10%増、輸入が5.5%減と円安と原燃料安が引き続き寄与しているようである。23日に6月分が発表されるが輸出の質(数量・仕向地など)を確認する必要がある。
■為替が125円/ドルに近づいてきており、神経質な展開となっている。要人発言等を切っ掛けに(円高に)揺さぶられるリスクには注意。
■先週、日本株は秋口まで高値を更新する要素は強くなく、ボックス圏での動きが続く、と述べた。繰り返しになるが、日本株上昇の条件としては、1)企業業績見通しの上方へのシフト、2)ROEの改善、3)国内・海外景気指標の改善、4)更なる金融緩和、のいずれか(または複数)の条件が必要になると考える。今週末から本格化する4-6月期決算は好調と思われるが通期見通しを大きく上方に持ち上げるには限定的と考えられる。ROE改善には増配など配当性向の改善が求められるが、企業が増配の決定を行うのは期末近くであり、年内のアクションは限定的。低位株・割安株・小型株への物色が高まると思われる。

<コンセンサス予想EPSは全期間マイナス>
■17日時点のIFIS/TIWコンセンサス225(日経225のコンセンサスEPS)は、全期間(今期・来期・再来期)の予想値が前週比マイナスとなった。前週比プラス企業数も今期、来期でマイナス企業数を下回った。一過性のものなのかトレンド変化なのか注視が必要。
■前週がややイレギュラーな要素が強く、日経平均の妥当レンジは上方に修正する。

 

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

19,400円~20,900円 (前回 18,700円~20,150円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(7月17日)来期予想ベースEPSをもとに算出

◇IFIS/TIWコンセンサス225(7月17日)

今期予想EPS 1056.43 (前週 1056.89円)
来期予想EPS 1168.20 (前週 1168.29円)
再来期予想EPS 1266.82 (前週 1268.29円)
今期予想PER 19.55 (前週 18.72倍)
来期予想PER 17.68 (前週 16.91倍)
再来期予想PER 16.30 (前週 15.60倍)
来期予想PBR 1.34 (前週 1.27倍)
来期予想ROE 7.58% 前週 7.53%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.58% (前週 6.61%)

*7月17日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

 

 

tiw1

上限に張りついた動き。20,000円から前回高値(20,952円)の間で当面推移を予想する。

 

 

tiw2

来期予想ベースのプラス企業比率は、64.7%→59.1%→59.8%→57.6%→45.0%。
再来期予想ベースのプラス企業比率は、56.1%→53.8%→56.8%→51.9%→51.1%。
プラス比率は急激に低下、一過性の減少なのか?トレンドの変化か?
<[注:4~5月は例年、対象決算期変更の影響があるのでイレギュラーな値になることに留意]

 

 出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2012年1月から表示

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り
株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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