11月25日妥当レンジ 8,100円~9,200円
予想業績のマイナストレンドは終息に、株価はボトム圏

2011/11/29

【IFIS/TIWコンセンサス225】

先週はドイツ国債の入札において募集額を大きく下回ったことを契機にマーケットは大きく混乱した。全世界的に国債利回りが上昇するとともに、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)が0.518%へと急上昇。LIBORと3ヵ月物の米国債利回りとの差であるTEDスプレッドは欧州危機が最初に顕在化した2009年6月の水準にまで拡大した。
10月末の欧州連合首脳会議においてギリシャ支援やEFSF(欧州金融安全基金)の拡充方針など対応策の決議によって一旦落ち着くかに見えた欧州債務問題は11月に入ってからも出口の見えない混迷が続いている。
ただし、29日にユーロ圏財務相会合が、30日にEU財務相会合が予定されており、EFSFの拡充に向けた実務協議が行われる見通しであり、これを見据えてか、今週の市場はやや落ち着いた動きになっている。

今週は、カンファレンスボード消費者信頼感指数(29日)、ADP雇用統計(30日)、ISM製造業景況指数(12月1日)、米雇用統計(2日)と米国の主要な経済指標の発表が続く。欧州経済は減速感を増しているが、それが米国に及んでいないことが確認されることによって株式市場のリバウンドが期待されるという見方もある。
為替レートも77.7円台/ドルと堅調な米経済を視野に円安傾向にあり、輸出関連を中心に出戻り局面にあるようだ。

11月25日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、今回も、今期予想ベース(1期)、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)の全期間において前週を下回った。減少幅は、それぞれ▲5.84円(1期)、▲0.95円(2期)、▲0.03円(3期)であった。今期(1期)は減少幅が大きかったものの、来期(2期)、再来期(3期)は僅かな減少に留まっており、減少トレンドがほぼ終息したようである。
来期予想ベース(2期)で減少幅が目立った企業は、ミツミ電機(6767)、太陽誘電(6976)。一方でプラス寄与が高かったのが、TDK(6762)。マイナスもプラスも業種による目立った傾向は無く、個別の調整が行われているようだ。

今回も日経平均の妥当レンジを8,100円~9,200円に引き下げる。EPSの減少に加えて、国債利回りが上昇したことがその理由である。夏場から段階的に(結果的にはマーケットの後追いになってしまったが)妥当レンジを引き下げてきたが、そろそろボトムにあるように感じられる。
現時点で妥当レンジから示唆できることとしては、ファンダメンタルの企業業績見通しがかなり悪化したので、仮にマーケットが反発したとしても9,000円程度が天井ということである。その状態は市場が来期及び再来期に目を向ける4月頃までは続く可能性が高いと思われる(勿論、欧州でドラスティックな政治経済の改革が行われて海外市場が大きく高騰するようなケースは例外であるが、そうした期待が実現する可能性は僅かであろう)。

投資スタンスとしては先週と全く変らない。
妥当レンジを下回るようなマーケット状況では短期的には押し目買いの好機と考える。投資対象としては、グローバル化が進んだ優良企業の底値圏もそうだが、特に、マクロ経済に不透明感の強い現状では、好業績の新興市場銘柄を丹念に探して行きたい。

◇日経平均妥当水準(レンジ)

8,100円~9,200円 (前回 8,200円~9,400円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(11月25日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(11月25日)

今期予想EPS 576.15 (前週 581.99円)
来期予想EPS 710.28 (前週 711.23円)
今期予想PER 14.16 (前週 14.39倍)
来期予想PER 11.49 (前週 11.78倍)
来期予想PBR 0.86 (前週0.88倍)
来期予想ROE 7.51% 前週7.49%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.83 (前週6.83%)

*11月25日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

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