今週の注目レポート (11月25日)

2011/11/25

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目3銘柄をピックアップします。

キッセイ薬品工業(4547)
株価は10年5月から実施した自社株取得(上限50億円、発行済み株式総数の5.2%)に支えられ一時的に上昇する場面もあったが9月に終了と同時に実施前の水準へ戻している。業績は安定しているが成長力が弱いのは難点であろう。しかし、主力の排尿障害治療剤と最近発売した腎性貧血治療剤に成長の余地があることから中期的に現水準程度の業績持続は可能と考えられる。株価は実績PBRが1倍台を大きく割込んでおり、ROE改善次第では出直る可能性があろう。12/3期2Q 累計(4-9月)は前年同期比2.7%増収、28.1%営業増益。主力製品が順調に拡大する中、長期収載の既存製品が軒並み減収、かつ輸出、販売提携先への製品供給、技術料収入も減少したため増収は小幅に止まり、キッセイ薬品単体では微減収となった。営業利益は研究開発の導入テーマが少なく販管費が減少したため2桁増となった。同社は 12/3期通期予想(0.3%増収、0.6%増益)を変えていないが、TIWはそれをやや上回る水準の利益を予想している。株価は安定した業績と連続増配を反映する機会もあるかと考える。
ROE3.71%、PBR0.62倍、来期予想PER15.0倍、来期予想EPS成長率 6%。
〔11月21日、担当:森田 青平、Analyst Impression 2+ → 2+ 〕

ジーエス・ユアサコーポレーション(6674)
上期決算は売上高1,318億円(前年同期比3%増)、営業利益47億円(同22%減)。会社側は震災復旧需要による自動車電池及び産業電池の販売数量増加を見込み通期売上計画を100億円上方修正した。利益予想は据え置くが鉛価格軟化から上ぶれ余地がある、などがポジティブ。2Q(7-9月)のみではアセアン地域の販売堅調、新車用電池回復、販売価格適正化、などで前年同期比3%の営業増益へ回復。
注目の車載用リチウムイオン電池は栗東工場が来春稼働、本格的量産による競争力向上と新規顧客獲得が期待される。また、今般の栗東第二工場建設決定からも顧客開拓は順調と推察される。既存3事業拡大と車載用リチウムイオン電池の伸長により中期的成長が見込めることを踏まえれば、13/3期TIW予想PER10.4倍の株価には割安感があろう。
ROE10.63%、PBR1.52倍、来期予想PER10.4倍、来期予想EPS成長率 24%。
〔11月21日、担当:高田 悟、Analyst Impression 2+ → 2+ 〕

トピー工業(7231)
厳しさ増す外部環境の下、12/3期に大幅増益が見込める。中期的成長を支えるベースである以下要素があげられる。(1)収益体質改善、(2)電炉とし車両部品を持つことによる収益基盤の強さ、(3)建設機械(以下建機)向けでの競争力向上、(4)総合ホイールメーカーとしての競争力。11年9月末実績PBR0.54倍の株価は評価不足と言えよう。 12/3期2Q累計(4-9月)の営業利益は前年同期比23%増の33億円となった。建機用のホイール、覆板・履帯の需要好調などが増益に寄与。
会社側は下期は同51%増の64億円の営業利益を想定。自動車向け回復、中国建機需要は一時的に落ち込むが他地域好調が予想される、などが大幅増益予想の背景。TIWはメタルスプレッド改善方向などから会社予想には上ぶれ余地があるとみる。ベトナムに二輪車向けファスナー製品などを生産する新工場を建設。投資額は7億円。同国での2 輪車生産の拡大とタイの生産が需要においつかぬ現状が背景。2012 年11月稼働予定で新工場稼働後はタイから二輪車部品の生産を移管。
タイでは四輪車用部品の製造・販売を強化の方向。
ROE5.55%、PBR0.54倍、来期予想PER7.0倍、来期予想EPS成長率 30%。
〔11月21日、担当:高田 悟、Analyst Impression 2+ → 2+ 〕

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。

こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。 ※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。
※「アナリスト・インプレッション」に関する説明はこちらをご覧下さい。

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