今週の注目レポート (11月18日)

2011/11/18

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目3銘柄をピックアップします。

みらかホールディングス(4544)
株価は今春から緩やかな上昇基調であったが米国で病理検査事業会社カリス・ダイアグノスティックス(以下カリス)の買収を発表後下げ足を早めている。同社はここ数年内外で積極的にM&Aを進めその実績は良好だが、今回は売上規模に比して大型買収なので市場は様子見気分が強いと考える。しかし、国の医療費抑制政策の下で伸び悩む国内事業を海外事業で補強する同社の戦略は当を得たものであり、カリスの成長性が見えてくれば株価は上昇に転ずると予想する。
日本の臨床検査事業は、高齢化により検査件数は増加しているが単価下落が影響し市場は停滞している。米国市場は日本の約3倍の規模、かつ過去10年間で年平均6%成長と、人口増を勘案すると成長の余地は大きい。
12/3期2Q累計(4-9月)は2.3%増収、4.4%営業増益。臨床検査薬事業は10年に買収したイノジェネティックス(以下INNX)を除くと減収、受託臨床検査事業も院内検査が振るわず減収と、ともに国内事業は減収となった。しかしながら基調としては最近M&Aした事業を含めると安定成長しており、12/3期も増収、増益が見込まれる。TIW予想PERなどのバリュエーションにも多少の割安感がある。従ってカリスの業績貢献が見えてくれば株価は上向くと予想する。
ROE12.07%、PBR1.61倍、来期予想PER12.2倍、来期予想EPS成長率 4%。
〔11月16日、担当:森田 青平、Analyst Impression 2+ → 2+ 〕

旭化成(3407)
12/3期上期は売上高8,021億円(前年同期比5%増)、営業利益637 億円(同0.4%増)。2Q(7-9月)は、ケミカルの市況軟化やパソコン、液晶関連市場の低迷を、業績の下支えとなる住宅や医薬・医療の堅調な推移により、上期営業最高益となった。
会社側は下期も同様の傾向が続くとし、通期計画を修正。売上高400 億円減、営業利益40億円増。住宅は受注残から下期も好調に推移する確度は高い。エレクトロニクスもLIB用電池は堅調に推移すると予想する。業績達成はANの動向に拠るところが大きいものの、TIWでは会社計画は概ね妥当と判断し、堅調な業績推移を予想する。加えて、中期的には事業補完の視点からM&Aを実施する確度も高い。財務安全性も高く、予想ROE10%台に対し11年9月末実績PBR0.9倍には割安感があると考える。
ROE10.37%、PBR0.90倍、来期予想PER7.9倍、来期予想EPS成長率 6%。
〔11月17日、担当:高橋 俊郎、Analyst Impression 1 → 1 〕

KYB(7242)
中国の建設機械(以下建機)需要悪化などから、建機向け比率が高い同社株価は低迷している。しかし、会社見解によれば、中国鈍化は他地域堅調でカバーできており、中期的に世界の建機需要は旺盛(2015年に現在から約65%の台数増見込み)であり中国鈍化は一時的である。需要増に答えるべく増産体制整備も進んでいる。TIWは13/3 期は建機向け増加による売上構成良化などにより2桁の営業増益は可能とみる。上期決算は売上高1,647億円(前年同期比6%増)、営業利益124億円(同横ばい)、営業利益率7.6%。大震災影響を建機向け好調でカバーし増収。固定費増、円高影響、などを売上増、構成改善で吸収、利益は前年同期並みを確保。8月公表の通期予想はタイ洪水影響などを勘案、売上下方修正の一方、営業利益上方修正となるが上期計画過達額以下に止めた。TIWは数量に上ぶれ余地ありと考え計画過達を予想。12/3期TIW予想PER6.1倍、11年9月末実績 PBR0.91倍の株価には割安感が強いと考える。
ROE13.71%、PBR0.91倍、来期予想PER4.7倍、来期予想EPS成長率 32%。
〔11月17日、担当:高田 悟、Analyst Impression 1 → 1 〕

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期 予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出 しております。

こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、 さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。 ※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、 レポート発行時に算出した値です。
※「アナリスト・インプレッション」に関する説明はこちらをご覧下さい。

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