4月10日妥当レンジ 18,700円~20,150円
貿易赤字の大幅減少は、市場にとって吉となるか

2015/04/15

【「IFIS/TIWコンセンサス225」によるマーケットの妥当レンジの推計】

<3月上中旬分の貿易統計速報は貿易赤字が90%減少>
■8日発表の景気ウオッチャー調査は、現状判断指数、先行き判断指数ともに前月から上昇した。2月決算の小売関連企業の新年度計画もおおよそ増益を見込むものであり、景況感はやや明るさが増している。
■同じく8日に発表された3月上中旬分の貿易統計速報では、前年同期比で、輸出金額が8.8%増、輸入金額が13.8%減となり、貿易赤字金額は前年同期の1兆1,670億円の赤字から1,016億円の赤字へと90%減少した。3月分は22日発表であるが、大幅に改善していることは間違いなく、経済環境としてはポジティブである。しかしながら、貿易収支黒字化への道筋が見えてくることによって、為替のトレンドが円高に転換する可能性も指摘される。年初から為替に対する日本株の感応度が低くなったと言われてきたが、それは内需関連銘柄に物色対象が移っていた影響が大きい。しかし、食品や小売など内需銘柄は、既にバリュエーション面の魅力は乏しい。輸出銘柄の出直りに期待したい状態にあるだけに、円高によるマイナス影響を受け易いと考える。

<コンセンサス予想EPSは、来期・再来期が僅かにプラス>
■4月10日時点の、IFIS/TIWコンセンサス225(日経225のコンセンサスEPS)は、過去2週と同じく、今期ベースがマイナスとなったが、来期・再来期はプラスであった。新年度に移行した3社(イオン、高島屋、Jフロント)の寄与は、今期+0.28円、来期+0.58円、再来期+0.49円であり、この影響を考慮しても来期・再来期はプラス。前週と比較してプラスになった企業数はマイナスとなった企業数を全期間で上回った。
■マーケットの強さからすると既に新年度の業績を先取りしつつあると言えるだろう。対象決算期移行後の妥当レンジは、19,800円~21,400円となる。そのため、大きく下押しする要素は少ないと考える。しかしながら、業績が好調であった2月決算の製造業銘柄の新年度会社計画は、会社四季報の予想を下回るものが多かった。新年度の会社予想が慎重であることに対する市場のネガティブな反応には注意したい。

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

18,700円~20,150円 (前回 18,450円~19,900円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(4月10日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(4月10日)

今期予想EPS 924.32 (前週 924.63円)
来期予想EPS 1056.46 (前週 1054.58円)
再来期予想EPS 1160.18 (前週 1157.21円)
今期予想PER 21.54 (前週 21.02倍)
来期予想PER 18.84 (前週 18.43倍)
再来期予想PER 17.16 (前週 16.79倍)
来期予想PBR 1.44 (前週 1.42倍)
来期予想ROE 7.62% 前週 7.69%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
6.59% (前週 6.65%)

*4月10日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

 

 

図1

 新年度ベースの妥当レンジは、19,800円~21,400円。

 

 図2

来期予想ベースのプラス企業比率は、63.2%→51.9%→54.4%→47.5%→57.1%。
再来期予想ベースのプラス企業比率は、65.3%→54.5%→49.3%→48.1%→55.6%。

[注:4~5月は例年、対象決算期変更の影響があるのでイレギュラーな値になることに留意]

 

 出所:IFISコンセンサスを基にTIW作成
いずれも2012年1月から表示

「IFIS/TIWコンセンサス225」について
IFIS/TIWコンセンサス225」は、株式会社アイフィスジャパンが集計しているアナリストコンセンサス・データ等を原データとして、2009年4月より株式会社ティー・アイ・ダヴリュが東証株価指数(日経225)に対応するように構成銘柄のEPSを算出・集計したものである。今期予想EPS、来期予想EPSの変化を追うことによって、マーケット全体の業績見通しを確認する。
理論上では株価は、自己資本配当率(ROEと配当性向の積)、EPS成長率、無リスク証券の利回り(国債利回り)、リスクプレミアムの4要素で決定される。株価をこれら構成要素に分解することによって、株価変動の要因について考察するとともにファンダメンタルからの妥当な株価(マーケット)水準を思量する。なお、リスクプレミアムを正確に計測することは、一定期間を経た後でないと困難なことであることから、当レポートではインプライド・リスクプレミアム(株価と他の構成要素からの逆算値)を使用している。
4つの構成要素の内、株価の短期的な変動に最も影響を与えるのがリスクプレミアムである。リスクプレミアムは、無リスク証券の金利に対して投資家が要求する上乗せ金利と定義されるが、投資家心理(マーケットセンチメント)、他の投資対象(金融商品)との利回り格差の変動などによって変化する。長期的な見通しの変化が無い中では、インプライド・リスクプレミアムは一定のレンジ内で推移する傾向にある。日経平均株価の妥当水準を算出には、インプライド・リスクプレミアムの一定レンジからの逆算によって行っている。
〔今期予想ベースEPS、来期ベースEPSにおける“今期”、“来期”の取扱い〕
会計上の業績計測期間ではなく、本決算発表を基準とする。例えば、2011年4月30日現在では、2011年3月期は決算発表前であれば今期、決算発表が行われていれば前期、となる。
〔予想EPS増減社数〕
今期ベースならびに来期ベースを示している。週間(週末値)のデータを基に、前週末に比べてEPSが増加・変化無し・減少した企業の数。
〔予想PBR(今期末)〕
前期末BPS(1株純資産)に今期予想EPSを加えて、予想DPS(1株配当)を控除した値(=予想BPS)で株価を除した数値。中間配当は考慮していない。
〔予想ROE(来期ベース)〕
前述の予想BPSで来期予想EPSを除した値。
〔リスクプレミアム〕
特に断りの無い限りインプライド・リスクプレミアムを表す。計算式は、{ 1-予想配当性向×(1-予想B/Pレシオ)}×予想ROE-無リスク証券利回り
株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
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独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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