11月4日妥当レンジ 8,400円~9,700円
2Q決算を受けて今期予想EPSは大幅減少

2011/11/08

【IFIS/TIWコンセンサス225】

先週はギリシャのパパンドレウ首相がギリシャの財政赤字削減案に関して国民投票を行うと発表したことから市場は大きく揺さぶられたものの、欧州連合の包括策の(ギリシャ)野党側の容認と内閣信任投票の実施を経て、大連立政権の樹立へと収拾が行われつつある。また、ECBの利下げを市場が好感したことや、米雇用統計が市場予測を下回ったものの雇用が緩やかに改善していると見られることなどから海外情勢は週末にかけて落ち着きを取り戻している。

4日に閉幕したG20首脳会議では、欧州支援の継続とともに先進国には財政健全化を着実に達成するよう求められたが、野田佳彦首相は事実上の国際公約として「2010年代半ばまでの消費税10%への引き上げ」が表明した。TPP参加問題で揺れる国内政治情勢に波乱要因が加算されたと言える。国際公約による消費税引き上げの既成事実化によって政治の前進を目指す試みと取れるものの、さらなる機能不全につながる危険も孕んでいる。

11月4日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、今回も、今期予想ベース(1期)、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)の全期間において前週を下回った。減少幅は、それぞれ▲13.34円(1期)、▲3.15円(2期)、▲1.51円(3期)であった。今期(1期)の減少幅はタイの洪水被害などを受けて大きいものの、来期(2期)、再来期(3期)は緩やかな減少に留まっている。減少トレンドも終わりに近づいていると見ることもできるが、前週よりEPSがプラスとなった企業数は、マイナスとなった企業数を大きく下回っており、まだ用心が必要と考えられる。
来期予想ベース(2期)において大きくマイナス修正された企業は、ソニー(6758)、TDK(6762)、テルモ(4543)、富士フイルム(4901)、デンソー(6902)、塩野義製薬(4507)、住友電気工業(5802)、三井物産(8031)、太平洋金属(5541)、三菱商事(8058)、荏原製作所(6361)、など。
日経平均の妥当レンジは、来期予想EPS(2期)の減少幅が少なかったことなどから8,400円~9,700円を継続する。

先週の為替介入を受けて、円レートは78円/ドル付近に留まっている。史上最高値更新の危機感は和らいではいるものの、再び円高基調を強めるようであれば、市場心理の悪化は避けられないところであろう。今回(11/1~2)のFOMCでは追加的金融緩和は見送られたが、米国景気回復の後退や欧州情勢の悪化が見られる過程においては、再び緩和期待が高まることが予想されるだけに、為替レート(円高進行)には引き続き注意が必要である。
先週のコメントと同様であるが、来期の展望が見えてくる年明け頃までは一進一退の展開を続けそうだ。基本は妥当レンジを視野に置いた押し目買いのスタンスで臨みたい。

◇日経平均妥当水準(レンジ)

8,400円~9,700円 (前回 8,400円~9,700円)

  *「IFIS/TIWコンセンサス225」(11月4日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(11月4日)

今期予想EPS 597.92 (前週 611.26円)
来期予想EPS 719.15 (前週 722.30円)
今期予想PER 14.72 (前週 14.81倍)
来期予想PER 12.24 (前週 12.53倍)
来期予想PBR 0.93 (前週0.95倍)
来期予想ROE 7.58% 前週7.55%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
 
6.77 (前週6.63%)

 *11月4日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

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