9月2日妥当レンジ 9,100円~10,400円
悪材料噴出、予想EPSの減少トレンド続く

2011/09/06

【IFIS/TIWコンセンサス225】

先週は世界経済の変調と思われる経済指標や新聞記事が目立った。

8月のユーロ圏の景況感指数は98.3に悪化(30日発表、長期平均=100)、中国大手銀行の政府系投資会社向け融資急増(31日・日経掲載)、インドの4-6月期の実質国内総生産(GDP)は7.7%と鈍化(30日発表)、8月の米消費者信頼感指数44.5(前月59.2)と大幅悪化。極めつけは2日発表の米雇用統計である。非農業部門の雇用者数が前月比横這いに留まった。また同日、ブラジルは政策金利を12.5%から12.0%に引き下げた。

表面的にはいずれもネガティブな印象が強いが、インドの成長率に関しては前年の成長率が高かったので目標の8%を下回っても大きな影響は無く、内需は着実に拡大しているという見方が優勢のようである。米雇用統計も今月は通信大手のベライゾンやミネソタ州政府職員のストライキという特殊要因があり、雇用統計に先立って発表されたADP社の雇用調査では民間部門の雇用者数は91,000人の増加と発表されている。また、ブラジル経済は第2四半期、第3四半期はやや減速するものの第4四半期には再び加速するという政府見解も述べられている。

こうした中にあって、ギリシャは財政赤字削減目標を達成できないという発表や、イタリアがECBの国債買い付けの前提であった赤字削減を実行しないなど、ユーロの深刻な混乱は全く着地点が見えない状態が続いている。こうした情勢を反映してユーロ/ドルは8月29日に1.45ドルを回復したのもつかの間、再び1.41ドル台(9/5)とユーロ安の方向に振れている。

混沌とした海外情勢はまだ今後も続く見通しであり、米長期金利(10年国債利回り)が再び2.0%を割り込んだことがユーロからの資金の逃避と同時に投資家のリスク回避姿勢を象徴している。

9月2日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、3週連続で今期予想ベース(1期)、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)のいずれもが前週を下回った。

8月29日に、みずほ信託銀行(8404:上場廃止)、みずほ証券(8606)を除外し、あおぞら銀行(8304)、ソニーフィナンシャルホールディングス(8729)を新規に採用する入替が行われた。この2銘柄の入替によって、今期予想ベース(1期)に+0.84円、来期予想ベース(2期)に+0.57円、再来期予想ベース(3期)に+0.53円とポジティブな影響を与えているが、それ以上に全体のマイナストレンドが大きかった。

225銘柄の内、今期予想ベースで先週よりも予想EPSがプラスになった企業は52社、マイナスになった企業は65社、来期予想ベースではプラスが42社、マイナスが73社、再来期予想ベースではプラスが35社、マイナスが75社。長期予想になるほどプラス修正が減ってマイナス修正が増えるという状態になっている。

来期予想ベースのROEも前週の8.10%から今週は8.04%へと一段と低下しており、絶対的EPS水準の減少と増益率(=成長率)の低下、収益性(ROE)の低下によってバリュエーションの引き下げが続く状態になっている。これより、日経平均の妥当レンジを今週も引き下げ、9,100円~10,400円に修正する。

先週のレポートでも述べたが、予想EPSのダウントレンドは、下期の情勢が確認できる第2四半期決算の前くらい(9月中旬から10月中旬)まで続く可能性がある。こうした状況では上値は抑えられる展開が続くものと考えられる。しかしながら、一方で、日経平均のPBR(実績)は1.0倍を割り込んだ水準にあり、ダウンサイド・リスクはある程度の範囲に限定されると考えられる。こうした中では、上値は追わずに国際競争力の高い自動車関連や機械・重機関連などの押し目をじっくり拾ってゆきたい。

今週は、日銀政策決定会合(6日~7日)、ECB理事会(8日)、オバマ大統領演説(8日)、G7財務省・中央銀行総裁会議(9日)などのイベントが予定されており、効果のある政策発動に期待したいところである。

◇日経平均妥当水準(レンジ)

9,100円~10,400円 (前回 9,300円~10,500円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(9月2日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(9月2日)

今期予想EPS 638.32 (前週 641.88 円)
来期予想EPS 763.34 (前週 771.10円)
今期予想PER 14.02 (前週 13.71倍)
来期予想PER 11.73 (前週 11.41倍)
来期予想PBR 0.94 (前週0.92倍)
来期予想ROE 8.04 前週8.10%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
7.12 (前週7.24%)

*9月2日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
TIWマガジン「投資の眼」   株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

コラム&レポート Pick Up