9月9日妥当レンジ 9,000円~10,350円
ギリシャ財務問題が再び緊迫化、株価は低位膠着が続く

2011/09/09

【IFIS/TIWコンセンサス225】

8日のオバマ大統領の演説において、4,470億ドルの雇用促進のための税制優遇やインフラ整備事業の積み増しプランが公表された。また、同日ミネソタ州ミネアポリスの講演でバーナンキFRB議長が追加金融緩和を次回のFOMC(9/20~21)において吟味する発言がなされた。 これに先立つ6日(火)に、スイス国立銀行が1.2スイスフラン/ユーロを超えるスイスフラン高を容認しない発表を行った。これを契機にNY株価は、7日(水)、8日(木)と上昇したが、9日(金)には大きな下落に見舞われた。ECBのシュタルク専務理事の辞任を受け、欧州の不協和音が高まっているとの認識が広がり、ユーロ安の加速と世界的に株価が暴落している。特にユーロの中心国であるドイツは、DAX指数が6月下旬から直近までの3ヵ月足らずで約3割の下落となっている。 9月中にはギリシャへの追加融資の続行のために財務赤字削減に対してEU・IMF等の査定が行われるが、ギリシャの財務赤字削減は遅々として進まず、またドイツ国内ではユーロ諸国への資金の拠出に関しては議会の承認を必要とすることが裁判所の判断として確立されるなど、環境は一段と厳しくなっている。ギリシャがデフォルトする可能性も一部報道では指摘されつつある。 9日に終了したG7の声明文では具体策は一つも盛り込まれず、危機感を共有しただけに留まった。欧州の財務問題はその抜本的解決には長期化が予想されるだけに、膠着した状態が今後も続くことが懸念される。

9月9日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、今期予想ベース(1期)は前週を上回ったものの、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)はいずれも前週を下回った。前週比マイナスは、来期予想ベース(2期)では5週連続、再来期予想ベース(3期)では6週連続になる。 前週比マイナス修正された企業数はプラス修正された企業数を全期間で上回っており、マイナストレンドがまだまだ継続される可能性を示唆している。 全期間においてマイナスが目立った企業は、ファナック(6954)、東京エレクトロン(8035)、京セラ(6971)、ダイキン(6367)、アドバンテスト(6857)、TDK(6762)など。他方でプラスが目立った企業は、ソフトバンク(9984)、セブン&アイ(3382)。 日経平均の妥当レンジを今週も引き下げ、9,000円~10,350円とする。

今週は、ユーロ圏財務相会合(9/15)、EU財務相・中央銀行総裁会議(9/16~17)が予定されており、ギリシャ問題への解決に向けた調整が行われると考えられるが、(ポジティブな結果だけではなく)混迷の深さが浮き彫りになるリスクも孕んでいる点には留意したい。また、来週20~21日に米FOMCが予定されているが、追加的金融緩和策が発動された場合に円高が対ドルでも進む可能性にも注意したい。 身動きが取り難い海外情勢が続いているが、インプライド・リスク・プレミアム(現在の株価が内包しているリスクプレミアム)は、再び7.23%(9/9現在)とリスク回避的な高い水準にある。株価下落の過程では、グローバル化が定着している優良企業群に目を向ける局面と考えている。

なお、大変恐縮ですが、来週の「IFIS/TIWコンセンサス225」はお休みとさせていただきます。

◇日経平均妥当水準(レンジ)

9,000円~10,350円 (前回 9,100円~10,400円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(9月9日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(9月9日)

今期予想EPS 639.72 (前週 638.32円)
来期予想EPS 761.02 (前週 763.34円)
今期予想PER 13.66 (前週 14.02倍)
来期予想PER 11.48 (前週 11.73倍)
来期予想PBR 0.92 (前週0.94倍)
来期予想ROE 8.04 前週8.04%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
7.23 (前週7.12%)

*9月9日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

 

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