9月22日妥当レンジ 8,850円~10,150円
世界的経済減速を織り込む展開

2011/09/22

【IFIS/TIWコンセンサス225】

先週はお休みを頂戴したが、その間にマーケット心理は一段と悪化している。欧州財務相会合ではギリシャへの追加融資に対する大枠の合意がなされたものの、最終決定が持ち越されたこと、20日~21日の米FOMCで追加的な緩和処置が行われることに過度な期待感があったが、終わってみればツイスト(短期債から長期債へのシフト)に留まったこと、などが理由である。

世界的な金融不安の増大によって、新興国通貨の下落へと向かい、安全資産といわれていたゴールド(金)の下落を引き起こしている。その結果、基軸通貨である米ドルが上昇している(対円を除く)。米ドルは一時的に、対ユーロで1.33ユーロ/ドルまで上昇し、米国10年債利回りは1.7050%にまで低下する状況になっている。

EFSF(欧州金融安定化ファシリティ)が救済ファンド(bailout fund)を強化するとの見通しから26日の欧米市場は大きく反騰したが、ギリシャがデフォルトする可能性は拭えず、まだ予断を許さない状態が続いている。

IMFは9月20日に発表した世界経済見通しにおいて、世界全体の経済成長率を引き下げた。2011年に関しては6月時点の4.3%から4.0%へ、2012年は同4.5%から4.0%へ。「世界の経済活動は鈍化し、不均一性が増した。信頼感はこのところ急低下し、下振れリスクが拡大している」としている。

後述するが、世界経済の減速感が高まることによって、日本企業の業績見通しにも下方圧力が高まっていると言える。

9月22日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、今期予想ベース(1期)、来期予想ベース(2期)、再来期予想ベース(3期)の全期間において前週を下回った。

これに伴い、日経平均の妥当レンジを8,850円~10,150円へと引き下げる。

前週比マイナス修正された企業数はプラス修正された企業数を全期間で上回っており、深刻なマイナストレンドが続いている。少なくとも10月下旬から本格化する第2四半期決算の動向を見るまでは、下方リスクに対する投資家の不安心理を解消することは難しいと考えられる。

この数週間、株価が下落する過程にあるにもかかわらず、インプライド・リスク・プレミアム(現状の株価から逆算したリスクプレミアム)は高水準ながらも上昇は抑制されている。これは、予想EPSが減少トレンドを辿っていることによる。予想EPSの減少を株価が先取りをしていると、言い換えることもできる。

9月22日時点の日経平均終値(8,560.26円)は、現時点の来期予想EPSをベースに考えれば割安感が強い。しかし、来期予想EPS(9月22日時点755.50円)が730円程度にまで減少すれば株価水準は妥当レンジの範囲となる。

ユーロ体制の混迷と米国の一段の金融緩和の可能性などから日本円はさらなる上昇懸念に晒されている。この円高懸念が一服しない限り、企業業績の見通し悪化に歯止めがかからない可能性が考えられる。

欧州情勢からは引き続き目が離せないものの、トレンドの転換には政府・日銀の対応が大きな鍵になることは言うまでも無い。こうした局面では、短期的には内需関連に歩があるものの、中長期視点からは円高を梃子に積極的に海外M&Aや海外進出を加速させる企業群の押し目を狙いたい。

◇日経平均妥当水準(レンジ)

8,850円~10,150円 (前回 9,000円~10,350円)

*「IFIS/TIWコンセンサス225」(9月22日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(9月22日)

今期予想EPS 636.39 (前週 637.97円)
来期予想EPS 755.50 (前週 758.07円)
今期予想PER 13.45 (前週 13.89倍)
来期予想PER 11.33 (前週 11.69倍)
来期予想PBR 0.90 (前週0.93倍)
来期予想ROE 7.99 前週7.98%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
7.24 (前週7.14%)

*9月22日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

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