10月5日妥当レンジ 8,300円~9,500円
世界経済の見通し悪化が重石に

2012/10/10

 【IFIS/TIWコンセンサス225】

先週末に公表された米雇用統計は、比較的良好な内容であった。非農業部門雇用者数の増加はほぼ事前予想通りに留まったものの、失業率が8月の8.1%から7.8%に大きく回復した。加えて、8月のデータが大きく上方に改定されるなどポジティブな面も強かった。しかしながら、連休中(8日、9日)に発表になった世界銀行ならびにIMFの経済見通しの下方修正がマーケット心理を冷やしたようである。

世界銀行は、東アジアの途上国の今年のGDP成長率の見通しを、5月時点の7.6%から7.2%に下方修正した。中国の成長率も8.2%から7.7%に引き下げた。さらに、東アジアの2013年の成長率について、ユーロ圏が深刻な危機に陥った場合はマイナス2%、米国が大幅増税と歳出削減による“財政の崖”問題を克服できなければさらにマイナス1%の影響を受けるとの予想を示している。IMFは世界全体の2012年の成長率を7月時点の3.5%から3.3%に、2013年を3.9%から3.6%に引き下げた。ユーロ圏周辺国の落ち込みが激しいほか、米国ほか他の先進国も期待はずれに終わっているとし、新興国への影響を懸念している。

10月5日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、今期(1期)640.59円(前週比-8.81円)、来期(2期)747.12円(前週比-6.47円)、再来期(3期)823.71円(前週比-6.15円)と、いずれの期においても大きくマイナスとなった。なお、10月2日から日新製鋼HD(5413)、日本軽金属HD(5703)が加わり、225銘柄に戻ったが、対象となるコンセンサス・データが不在であることから、先週同様に223銘柄で算出した。
前週比で予想EPSがマイナスとなる企業数が再び急増しており、為替動向、中国問題の影響、欧州経済の悪化を織り込む展開がまだまだ続きそうである。マイナスが目立った企業としては、TDK(6762)、アドバンテスト(6857)、日本ガイシ(5333)、ホンダ(7267)、三菱商事(8058)、ユニー(8270)、日本水産(1332)など。
日経平均の妥当レンジは、8,300円~9,500円へと今週も引き下げる。

予想EPSを52週の移動平均で見た場合でも、6月15日をピークに減少トレンドが続いている(6/15時点715.16円→10/5時点681.56円)。先週も申し上げたが、第2四半期決算を通過しないことには下期(通期)の業績見通しに対する信頼感を確保できない状況にある。(下方への)修正を十分に織り込む段階まではマーケット全体の出直りは期待しにくく、それまでは材料株や好業績なニッチ企業・中小型株への個別物色が続くであろう。 


◇日経平均妥当水準(レンジ)

8,300円~9,500円 (前回 8,350円~9,550円)

  *「IFIS/TIWコンセンサス225」(10月5日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(10月5日)

今期予想EPS 640.59 (前週649.40円)
来期予想EPS 747.12 (前週753.59円)
再来期予想EPS 823.71 (前週829.86円)
今期予想PER 13.84 (前週 13.66倍)
来期予想PER 11.86 (前週 11.77倍)
再来期予想PER 10.76 (前週 10.69倍)
来期予想PBR 0.89 (前週0.88倍)
来期予想ROE 7.49% 前週7.47%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
7.00% (前週7.01%)

*10月5日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

 

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