8月31日妥当レンジ 8,400円~9,600円
9月は悪抜けを待つ時間

2012/09/04

 【IFIS/TIWコンセンサス225】

市場で注目されたジャクソンホールでのバーナンキ議長講演(8/31)では「必要ならば追加金融緩和を実施する」という発言でQE3に対する期待感は残したものの、市場は方向感を見定めることが出来なかったようだ。中国国家統計局が発表した8月の購買担当者指数(PMI、9/1)は前月の50.1から49.2へと低下し、景気悪化懸念を強めている。HSBC中国購買担当者景気指数も7月の49.3から8月は47.6(速報値は47.8)と低下している。

今週はECB理事会(9/6)、8月の米雇用統計発表(9/7)が注目イベントである。しかし、ECB理事会でスペイン国債の買取についての具体的な方針が示される可能性は低く、米雇用統計も市場の期待値は低く(市場予想の非農業部門雇用者数の増加は12.5万人)、事前予想を大きく上回らない限りはマーケットが浮揚する切っ掛けにはならないと思われる(市場予想を下回った場合は、QE3期待の高まりから逆にマーケットは好転する可能性も考えられるが・・・・)。
9月は、12日にドイツ憲法裁判所によるESM(欧州金融安定メカニズム)に対する合憲判決、ギリシャに対するトロイカ(ECB、EU、IMF)の査定結果が控えているだけにまだまだ慎重に構えて置く必要がありそうだ。1Q決算以降も国内企業業績見通しが緩やかに低下している点などを鑑みると、目先的には慎重なスタンスが求められるであろう。
しかし、中国経済失速に関してマーケットへの折込みが急ピッチで進んでいることやスペイン支援(国債買取)の枠組み整備が水面下で進行していると考えられる点を考慮すると、9月後半から10月にかけて悪抜けのタイミングとなる可能性も意識しておく必要があるだろう。

8月31日時点の「IFIS/TIWコンセンサス225」の予想EPSは、今期(1期)655.09円(前週比-5.24円)、来期(2期)763.90円(前週比-3.65円)、再来期(3期)838.25円(前週比-3.10円)と、引き続きマイナストレンドであった。
前週比でプラスあるいはマイナスとなった企業数で見ると、今期(1期)プラス47社・マイナス77社、来期(2期)プラス51社・マイナス74社、再来期(3期)プラス51社・マイナス70社となっており、マイナス企業数が多いもののやや縮小傾向にある(緩和された)。前週比マイナスとなった企業は、電通(4324)、オリンパス(7733)、日本曹達(4041)、TDK(6762)、日本電気硝子(5214)、など。特に目立った傾向は無くなってきたようである。
日経平均の妥当レンジは、8,400円~9,600円へと引き下げる。

前週末時点のインプライド・リスク・プレミアム(ERP)は株価が下落したにもかかわらず7.11%と前週(7.10%)とほぼ変わらない水準にある。つまり、理論上は、先週の株価下落の大部分はファンダメンタルな企業業績予想の下落分ということになる。コンセンサス予想はまだ減少傾向が続いており、海外市場が上昇する局面でも慎重なスタンスを堅持したい。 

 

◇日経平均妥当水準(レンジ)

8,400円~9,600円 (前回 8,600円~9,850円)

  *「IFIS/TIWコンセンサス225」(8月31日)来期予想ベースEPSをもとに算出

 

◇IFIS/TIWコンセンサス225(8月31日)

今期予想EPS 655.09 (前週 660.33円)
来期予想EPS 763.90 (前週 767.55円)
再来期予想EPS 838.25 (前週 841.35円)
今期予想PER 13.49 (前週 13.74倍)
来期予想PER 11.57 (前週 11.82倍)
再来期予想PER 10.55 (前週 10.78倍)
来期予想PBR 0.88 (前週0.91倍)
来期予想ROE 7.59% 前週7.67%)
来期予想
インプライド・リスク・プレミアム
 
7.11% (前週7.10%)

*8月31日 日経平均終値より、PER、PBR、ROE等を算出

 

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