訪日客効果などから『化粧品』の好調が持続

2018/05/30

訪日客効果などから『化粧品』の好調が持続

訪日客の増加が日本経済に好影響を与えています。インバウンド(外国人旅行者)消費も伸びており、土産物としてはカメラ・時計、『化粧品』などが人気があるようです。インバウンド消費に加えて、日本からの帰国後も日本の製品を消費する傾向がみられ注目されます。中でも『化粧品』はその好例です。品質の高さを実感した消費者が帰国後も購入を続ける好循環となっており、今後も好調な売り上げが期待されます。

【ポイント1】1-4月の累計訪日客は1,051万9千人

1-3月の訪日外国人の旅行消費額は1兆1,343億円

■日本政府観光局(JNTO)の推計では2018年の1-4月の累計訪日客は1,051万9千人と前年同期比+15.4%となり、過去最速で1,000万人を上回りました。また1-3月の訪日外国人の旅行消費額は前年同期比+17.2%増の1兆1,343億円と1-3月で初めて1兆円を突破しました。

【ポイント2】訪日中国人の8割は『化粧品』を購入

訪日客のインバウンド消費に加え、帰国後消費が牽引

■インバウンド消費全体の増加に加えて、訪日中の消費行動の変化と帰国後の日本製品の購買の増加は、日本の『化粧品』の売り上げの大きな追い風となっています。訪日時の消費行動は高額品から日用品に変化してきており、訪日中国人の8割は『化粧品』を購入していると言われています。日本で品質の高さを実感した中国人は帰国後も、現地の百貨店やインターネットで購入を継続、口コミなどでブランド価値が高まり、長期間のリピーターが増加するという好循環になっています。

■日本百貨店協会によると全国百貨店の4月の『化粧品』売上高は前年同月比+17.0%増加となり、37カ月連続プラスとなりました。

■『化粧品』各社の収益も急拡大しており、資生堂の1-3月はインバウンドと中国本土向け売り上げ拡大が目覚ましく、売上高は前年同期比+13.5%、営業利益は同+95.4%の大幅増収増益となりました。株価も上場来高値をつけ、時価総額も3兆円を上回っています。

 

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【今後の展開】インバウンド消費の追い風をいかした取組みが期待される

■2020年の東京オリンピックに向けてインバウンド需要は更に増加するとみられます。『化粧品』各社はインバウンドの追い風をいかして、ブランドを厳選した効率的なマーケティングや電子商取引の強化などにより、なお時価総額などで開きのある大手の仏ロレアルなど欧米企業へキャッチアップしていくことが期待されます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

 

(2018年 5月30日)

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