良好な状態が続く米国の雇用統計(2018年3月)雇用者数は下振れしたが、前月からの反動に過ぎない

2018/04/09

 

良好な状態が続く米国の雇用統計(2018年3月)

 

【ポイント1】雇用者数は10万人増

大幅増となった前月の反動

■2018年3月の非農業部門雇用者数は前月比10.3万人の増加となり、市場予想(ブルームバーグ集計)の同18.5万人増を下回りました。

■温暖な天候等に支えられて同30万人超の大幅増となった前月の反動と考えられます。労働市場が変調をきたしたわけではありません。

■実際、雇用増加数の3カ月移動平均は20.2万人と、20万人超を維持しています。

 

20180409us1

 

【ポイント2】失業率は前月と同じ4.1%

賃金の伸びは緩やか
■失業率は前月比横這いの4.1%でした。3月は前月に比べ労働供給(労働力人口)、労働需要(就業者数)とも減少しましたが、ともに変動の大きい指標であり、単月の振れと考えられます。

■賃金上昇率は、市場予想の通り前月比0.3%でした。前年同月比では2.7%となります。2月のそれぞれ0.1%、2.6%からは加速しましたが、前年同月比では2.8%を持続的に超えられない状況が続いています。
20180409us2
【今後の展開】賃金・物価が安定しているため、利上げの速度は緩慢と見られる

 

■雇用統計が公表された4月6日の米国市場では、株価が下落、債券価格は上昇(利回りは低下)しました。3月の雇用統計は、緩やかな物価上昇のもとで、米景気が拡大を続けていることを示唆する内容でしたが、市場は対中貿易摩擦が激化しつつあることに、より強く反応したようです。

■米景気・雇用が拡大を続けていることから、米連邦準備制度理事会(FRB)は、利上げを継続すると予想されます。もっとも、賃金・物価の上昇が緩慢なものにとどまっているうえ、政治的な不透明感が浮上してきたことを踏まえると、利上げの速度は引き続き緩やかなものになると考えられます。

 

(2018年 4月 9日)

印刷用PDFはこちら↓

今日のマーケット・デイリー 良好な状態が続く米国の雇用統計(2018年3月)雇用者数は下振れしたが、前月からの反動に過ぎない

関連マーケットレポート

2018年 4月5日 米国FOMCの『ドット・チャート』は?(18年3月)

2018年 3月 29日 米国経済と長期金利の見通し(2018年3月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ