原油価格の動向(2018年2月)協調減産の効果で需給が改善、原油価格も堅調に推移

2018/02/27

原油価格の動向(2018年2月)協調減産の効果で需給が改善、原油価格も堅調に推移

 

【ポイント1】 価格は底堅く推移

リスク回避の動きは後退

 

■原油価格はWTIで見て、18年1月下旬の1バレル当たり約66ドルから2月初旬の同59ドル台への下落を経て反発、26日には同63ドル台まで戻しました。このように世界的な株価急落を契機とするリスク回避の動きの強まりから、原油価格は2月初旬に下落しましたが、株式市場が落ち着きを取り戻すにつれ、原油価格も戻り歩調を辿っています。

 

 

20180227gl1

 

 

 

【ポイント2】 原油需給は良好

需要増とOPEC協調減産の効果

 

■原油の需給は、改善傾向にあります。OPEC月報最新号によれば、2017年の原油需要は世界全体で日量9,701万バレル、前年比1.7%増、供給はOPECおよび非OPEC産油国による協調減産が効を奏して同9,654万バレル、同0.8%増にとどまりました(うちOPECは同0.8%減の同3,238万バレル)。この結果、需給バランスは、16年の供給超過から17年には需要超過に転換した模様です。

■18年は需要が前年比1.6%増の日量9,860万バレル、非OPEC産油国の生産量が同2.5%増の同6,574万バレル程度と予測されています。従って、OPECが現状の生産水準である同3,200~3,300万バレル程度を維持すれば、需給の悪化は避けられる見込みです。

 

 

20180227gl2

 

 

 

【今後の展開】 堅調な展開が見込まれるが、上値の余地は限られよう

 

■協調減産の遵守状況を点検するために設置された「OPECおよび非OPEC合同監視委員会」によると、18年1月の減産遵守率は133%を記録しました。

■133%の遵守率は、高い水準といえます。こうした産油国の努力が、価格上昇を支えているわけですが、価格の上昇は一方で米国シェールオイルの増産を誘発します。この点を踏まえると、原油価格の上昇余地は、限定的と考えられます。

 

 

 

 

 

(2018年 2月27日)

印刷用PDFはこちら↓

今日のマーケット・デイリー原油価格の動向(2018年2月)協調減産の効果で需給が改善、原油価格も堅調に推移

関連マーケットレポート

2018年01月30日 原油価格の動向(2018年1月)

2017年12月26日 2017年の原油市場の振り返り

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ