活況を呈した2017年の米国『年末商戦』

2018/01/17

<今日のキーワード>活況を呈した2017年の米国『年末商戦』

米国では、11月下旬の感謝祭翌日から12月24日のクリスマス・イブまでのセール期間を『年末商戦』 と呼びます。最近ではセールの開始日が前倒しされる一方、クリスマス後も年末までセールが実施されることから、11月と12月の2カ月を『年末商戦』と呼ぶことも多いようです。なかでも百貨店にとっては、この2カ月間で年間売上高の約24%をあげる書き入れ時です。それだけに注目も集まりますが、昨年の『年末商戦』は活況でした。

【ポイント1】良好だった2017年の『年末商戦』

オンライン売上高も事前予想通りの高い伸び

■全米小売業協会(NRF)によれば、2017年の『年末商戦』売上高(11月と12月の売上高合計)は6,919億ドル(約76兆円)、前年同期比+5.5%の増加となりました。

■NRFによる事前予想の6,788億ドル~6,820億ドル、同+3.6%~+4.0%増を上回りました。前年同期比の伸び率としては、2005年の+6.2%以来の高さです。品目別では家具、家電等の販売が好調でした。

■一方、商戦期間中のオンライン売上高は同+11.5%増の1,384億ドルとなり、NRFの事前予想である1,377億ドル~1,426億ドル、同+11%~+15%のレンジ内に収まりました。

 

 

【ポイント2】良好な雇用・所得環境が消費者の財布の紐を緩める

消費マインドが上向く

■良好な雇用・所得環境が、消費者の財布の紐を緩めたと見られます。

■実際、2017年の米非農業雇用者数は月平均+17.1万人、直近3カ月(10月~12月)に限れば同+20.4万人のペースで増加しています。失業率は2017年12月時点で4.1%と、ほぼ完全雇用と考えられる水準まで低下しました。雇用が良好なことから、消費マインドも上向いています。

 

180117MK

 

 

 

【今後の展開】生産→雇用・所得→消費の好循環が続く米国経済

■『年末商戦』の結果が公表された2018年1月12日の米国市場では、堅調な消費関連の統計や上振れした消費者物価統計の公表を受け、国債利回りが上昇(国債価格は下落)しました。ただし、想定以上の物価上昇は、『年末商戦』という季節要因の影響による衣料品価格等の上振れが原因であり、一過性のものと見られます。

■米国経済は、生産の増加が雇用・所得の拡大を通じて消費を押し上げ、それが生産のさらなる拡大を促すという好循環にあります。

■今後は減税による消費押し上げ効果も見込まれるため、利上げの継続が予想されます。もっとも、物価の動向を踏まえると、利上げの速度は緩やかと考えられます。

 

 

 

(2018年 1月 17日)

印刷用PDFはこちら↓

活況を呈した2017年の米国『年末商戦』

 

 

関連マーケットレポート

2018年01月15日 米家電見本市では『AI』や『5G』に注目

2018年01月12日 米国『税制改革法』の内容と経済効果は?

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ