ブラジルの金融政策(2017年10月)0.75%利下げ、次回会合で緩和サイクル終了の見込み

2017/10/27

ブラジルの金融政策(2017年10月)0.75%利下げ、次回会合で緩和サイクル終了の見込み

 

【ポイント1】0.75%の利下げ

累計の利下げ幅は6.75%に

 

■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は、10月25日の金融政策委員会で、政策金利を0.75%引き下げて、7.50%とすることを全会一致で決定しました。利下げは市場予想(ブルームバーグ集計)の通りで、9会合連続となり、昨年10月以降の利下げ幅は累計で6.75%となりました。

 

 

20171026lt1

 

 

 

【ポイント2】緩和サイクル終了を示唆

物価は低下傾向が続く

 

■9月の消費者物価は前年同月比で+2.54%と、中銀の目標レンジ(4.5%±1.5%)の下限を下回り、インフレが落ち着いた状況が続いています。

■中銀は声明文で、最近の経済指標によるとブラジル経済は徐々に回復してきており、世界経済も好ましい環境にあるとしています。

■中銀は、こうした経済環境から、政策金利は構造的な中立水準を下回る緩和的な水準がふさわしいとしつつも、緩やかに利下げペースを落としていく見通しを示しました。

 

 

20171026lt2

 

 

 

【今後の展開】相対的に高い金利水準、レアルには資金流入期待

 

■政策金利は次回12月会合で7.00%へと0.5%引き下げられた後、当面は据え置かれると見られます。ブラジル経済は回復基調にあり、金融緩和サイクルも年内には終了すると見込まれることから、相対的に高い金利水準にあるブラジルレアルには資金流入が期待できます。

■テメル大統領は、企業からの収賄を主導するなど組織的犯罪に関与した罪などで先月訴追されました。これにつき、議会下院で大統領を起訴すべきかの採決が行われました。これ以上の混乱を避けたいとの見方が優勢となり起訴は回避されたものの、今後もこうした政治リスクは残ると見られ、引き続き注視が必要です。

 

(2017年 10月 26日)

印刷用PDFはこちら↓

今日のマーケット・デイリー ブラジルの金融政策(2017年10月)0.75%利下げ、次回会合で緩和サイクル終了の見込み

関連マーケットレポート

2017年9月22日 ブラジルの経済・市場動向(2017年9月)
2017年9月07日 ブラジルの金融政策(2017年9月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ