成長戦略と日本株式市場 生産性の向上で日本経済の将来を切り拓く

2017/06/15

成長戦略と日本株式市場 生産性の向上で日本経済の将来を切り拓く

 

【ポイント1】再興戦略は未来投資戦略へ進化

日本再興戦略の成果と課題

 

■6月9日に、「未来投資戦略2017」(成長戦略)が閣議決定されました。安倍政権になって5回目となります。成長戦略は日本経済再生本部のもとに設置された未来投資会議(*)で議論され、名称も日本再興戦略から未来投資戦略へと変更されました。 (*)成長戦略は産業競争力会議が議論してきましたが16年9月に未来投資会議が引き継ぎました。

■今回の未来投資戦略はこれまでの日本再興戦略の成果と課題を整理することから始まっています。成果としては、①60年ぶりの電力・ガス小売り市場の全面自由化、②60年ぶりの農協改革、③再生医療制度の導入、④法人実効税率の引き下げ、などを実現したとしています。

■課題としては、設備投資や消費など民間の活動に力強さが欠けている点を指摘しました。背景には、長期にわたる生産性の伸び悩みと新たな需要の創出が欠如していることが挙げられます。未来投資戦略では、こうした課題を打破し、日本が世界で優位に立つための鍵が「Society5.0(*)」を実現することと指摘しています。(*)①狩猟社会、②農耕社会、③工業社会、④情報社会に続く、人類史上5番目の新しい社会。

 

 

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【ポイント2】「未来投資戦略2017」

対応が急がれる第4次産業革命

 

■現在進行中のデジタル革命(第4次産業革命)は実現不可能と思われていた社会の実現を可能とする一方、対応が遅れればあっという間に最先端企業・国に飲み込まれることになると指摘されています。日本がグローバルな競争で優位に立つためにも、製造業の枠を超えてモノ、ヒト、機械、システム、世代等様々なものをつなげるConnected Industriesの実現に向けた動きを加速する必要があります。

<進め方のポイント>

■具体的な進め方として、5点が指摘されています。それは、①勝ち筋となる「戦略分野」への選択と集中、②価値源泉の創出に向け共通基盤の強化、③「まずはやってみる」。「実証による政策形成」、④Society5.0時代に向けた新陳代謝システム構築、⑤地域経済好循環システムの構築、です。

<資源を集中させる分野とは>

■未来投資戦略では、5分野を中心に、我が国の政策資源を集中投入し、未来投資を促進する、としました。それは、①健康寿命の延伸、②移動革命の実現、③サプライチェーンの次世代化、④快適なインフラ・まちづくり、⑤FinTech(金融テクノロジー)です。

■特に今回は、新設された重要業績評価指標( KPI ) が、FinTech が4 つで最多となるなど、FinTechの指標管理が明確化されました。金融サービスの高度化を通じて経済・金融の成長につなげるために取り組みを加速する方針です。金融機関とFinTech企業が連携しつつ利用者のために競争的なサービスが提供できる環境を整備することなどが狙いです。

 

 

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【今後の展開】生産性の向上はいずれ株式市場にプラスへ

 

■安倍政権になって今回で5回目の成長戦略でもあり、株式市場の注目度はやや低下した可能性はあります。しかし、今後労働人口が減少する日本で、生産性の向上は重要なテーマの1つです。未来投資戦略が資源を集中する分野は、人手不足に対応して生産性をいかに向上させ、競争力の高い国へ進化するための柱といえます。

■また、FinTech分野で新設された4指標のうち2つは2020年が目標達成年です。現在進行している成長戦略の目標達成年は多くが2020年です。目標達成年まであと3年という時間軸の中でどこまで達成できるか、企業の取り組みに拍車がかかり、生産性が向上すればいずれ株式市場にプラスに影響すると期待されます。

 

 

(2017年 6月14日)

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