米国の金融政策(2017年5月)6月追加利上げが視野に

2017/05/09

米国の金融政策(2017年5月)6月追加利上げが視野に

【ポイント1】政策金利を据え置き

■5月2日、3日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)は、市場の予想通り政策金利(FFレート)の誘導レンジを0.75%~1.00%に据え置くことを決定しました。

 

 

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【ポイント2】経済指標の変調は一時的

■米国経済は、1-3月期のGDP成長率が前期比年率+0.7%にとどまるなどやや悪化しかけている印象がありました。今回の声明文では足元のこうした環境に対してどのような評価を示すかが注目点でした。

■声明文では、「1-3月期の成長率は減速したが一時的と見ており、緩やかな金融緩和状態の是正とともに、経済活動は緩やかなペースで拡大を続け、労働市場はさらに幾分強まり、物価は中期的に2%近辺で安定するであろう」としました。米連邦準備制度理事会(FRB)は直近の経済指標の変調を一時的と評価したもようです。5月の声明文を見る限り、3月時点から参加者の経済見通しが変化したとの兆候は見られませんでした。

 

 

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【今後の展開】6月、12月に利上げ、年明けバランスシート政策の変更見通し

■市場の利上げ期待も高く(FF金利先物市場から算出される6月の利上げ確率は98%程度、5月5日現在)、FOMCが6月に追加利上げを選択する可能性が視野に入ってきました。

■その後の年内の利上げは12月と考えられます。米国経済は、循環的に徐々にピークアウトすると見られ、年後半に入れば、現在より減速感が浮上すると思われます。その際に、政治的な不透明感が重なれば、FRBとして1回ぐらい(9月)利上げをスキップすることもありそうです。その後は景気対策の発動なども期待されることから、利上げ再開は12月と考えられます。注目のバランスシートの縮小(保有証券の再投資政策の停止)は、18年3月から開始される見通しです。
(2017年 5月 8日)

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