主要アジア株式市場の見通し 業績の伸びで先進国との相対的な割安度を埋める展開

2017/04/24

主要アジア株式市場の見通し 業績の伸びで先進国との相対的な割安度を埋める展開

【ポイント1】2017年に入り総じて堅調

 

中国、インド、フィリピンなどが堅調

■2017年に入ってからのアジア株式市場は、トランプ米大統領の政策への警戒感は燻っているものの、中国やアジア全体の経済の好調さや米ドル高の修正などに見られるような資金流入を背景に総じて堅調な展開が続いています。2016年末から2017年4月21日までの上昇率は、MSCIベース(現地通貨建て)で中国が+14.5%、香港+13.3%、フィリピン+10.8%、インド+10.6%と2桁の上昇となりました。インドネシアも+8.0%と堅調でした。

■中国は鉱工業生産や小売りの伸びが堅調で経済成長がやや加速しています。こうした中、トランプ新政権と中国政府との緊張が懸念材料ですが、米中首脳会談を経て緊張が和らいだこと、中国が為替操作対象国に認定されなかったこと、貿易問題の拡大が回避されていることなどから、安心感が広がりました。中国と米国の関係が安定化したことで、香港株式市場も堅調な推移となりました。

■フィリピンは、2017年2~3月にかけては値動きの乏しい展開でしたが、4月に入って水準が修正されました。フィリピンでは、インフラの整備が今後も進むと見られています。

■インドネシアは、大手格付け会社による格上げ期待などが背景にあります。S&Pグローバルは、インドネシア国債の格付けを投機的水準である現在の「BBプラス」から投資適格水準の「BBBマイナス」へと引き上げる可能性があります。格上げで債券利回りが低下すれば、株式の魅力が上昇します。

 

 

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【ポイント2】インドは顕著な資金流入

高額紙幣廃止後の混迷を克服

■インド株式市場も堅調な推移が続いています。2016年11月に高額紙幣の廃止を発表してから、景気悪化が懸念されましたが、景気への悪影響は一時的なものにとどまるとの見通しが強まり、インド株式市場は堅調に推移しました。2017年に入ってからは、2~3月にかけて実施された地方選挙でモディ首相が率いる与党が大勝したことで政治に対する安心感も広がりました。さらに、7月に予定されている物品サービス税(GST)導入の可能性が高まったことで、税金の簡素化や企業の財務コストの削減による企業業績の上振れ期待が広がりました。市場環境が明るさを増す中、投信マネーの流れにも変化が表れました。

■インド株式ファンドは2015年末以降、流出傾向が強まっていましたが、2017年1月中旬からは資金流入が大幅に加速しています。

 

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【今後の展開】相対的な割安度を埋める方向

■主要アジア株式市場が堅調に推移する背景として、さらに企業業績の着実な回復が挙げられます。2016年以降で見ると、インドネシア、インド、フィリピンは着実に成長しているほか、中国は2016年1月の水準を下回っているものの、改善が進んでいます。また、アセアン地域やインドの企業業績は、景気の回復期待が強く上方修正の余地があると見られています。

■なお、先進国株式市場との相対的な位置関係で見ると、アジア株式市場は依然として割安と見られます。株価収益率(株価÷1株当たり予想利益)の水準を比較すると、かい離があります。3月の1株当たり予想利益の伸びは、アジアが前年同月比+7.8%と先進国(同+7.1%)を上回っていることなどから、アジア株式市場は、先進国市場との相対的な割安度を埋め、堅調に推移すると期待されます。

 

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(2017年 4月 24日)

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