ASEANの「PMI」(アジア)

2017/01/05

<今日のキーワード>ASEANの「PMI」(アジア)

日本経済新聞社は、2016年8月度分より、ASEAN(東南アジア諸国連合)の製造業「PMI」(購買担当者景気指数)を公表しています。「PMI」は、景気判断について50を上回ると景気が上向き、50を下回ると下向きの兆候とされる景気動向の先行指標です。ASEANの製造業「PMI」は、インドネシア、ベトナム、シンガポール、マレーシア、フィリピン、タイ、ミャンマーの7カ国が対象です。

【ポイント1】ASEANの「PMI」は49.1

3カ月連続で50割れ

■日本経済新聞社が3日発表した2016年12月のASEANの製造業「PMI」は49.1と、景気判断の節目となる50を3カ月連続で下回りました。

■国別に見ると、「PMI」が50を超えているのは、タイ(50.6)、フィリピン(55.7)、ベトナム(52.4)です。タイは8カ月ぶりに50を上回りました。一方、「PMI」が50を下回っているのは、インドネシア(49.0)、マレーシア(47.1)、ミャンマー(49.4)です(シンガポールは11月で52.8)。

 

【ポイント2】フィリピンの「PMI」は低下も高水準

タイは娯楽自粛期間明けでプラスへ

■フィリピンの「PMI」は低下したものの、域内で最も高い水準を維持しています。輸出依存度が低く、中国経済の影響を受けにくいためで、内需の好調さが製造業へ波及する構図が続いています。タイの「PMI」上昇は、プミポン前国王逝去後30日間の娯楽自粛期間が明けたことが背景と見られます。また、ベトナムの好調さは、堅調なスマホ需要を反映した動きと考えられます。

 

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【今後の展開】2017年2~3月頃には改善の可能性も

■今後、ASEANの景況感は改善する見込みです。引き続きフィリピンの内需が堅調と思われる一方、インドネシアとマレーシアの景況感の回復が期待できるためです。足元では資源価格が回復基調にあり、資源価格の回復はインドネシア、マレーシア両国の歳入にとってはプラスに作用します。また、両国とも1月から新年度入りで、公共投資を再び積極化すると見込まれます。中国の春節の影響から1月はややもたつく可能性はありますが、2~3月頃にかけて景況感の改善が期待されます。

(2017年 1月 5日)

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