アジア諸国の対外債務と米国の利上げ

2015/12/25

アジア諸国の対外債務と米国の利上げ

【ポイント1】アジアの主要通貨、米利上げを前に通貨安が進む

中国の景気減速も影響
■12月の米国の利上げ決定を前に、アジアの主要通貨は下落傾向にありました。米国の金利上昇に伴い、アジア諸国から米国への資金回帰が発生するとの懸念が背景にあります。また、中国の景気減速がこの懸念を強めた面もあります。

■ただし、対米ドルでの通貨安は、97年~98年のアジア通貨危機当時と比べて、総じて緩やかとなっています。急激な為替変動が避けられている背景には、経常収支が黒字化し短期対外債務の外貨準備に対する比率が低下している国が多いこと、米ドルペッグ制から管理フロート制への移行が進んだことなどがあります。

20151225as1

【ポイント2】対外債務は大きく改善

リーマン・ショック前からは悪化も水準は低く、悪化傾向は一服
■報道によると、アジア諸国の企業債務などは08年のリーマン・ショック前に比べて倍増しており、景気減速下で債務への不安が高まっていることを指摘する見方もあります。確かに、短期対外債務の外貨準備に対する比率も13年まで上昇傾向にありましたが、水準はアジア通貨危機当時に比べて大きく改善しています。経常収支の改善なども踏まえると、危機的な状況に発展する可能性は低いと考えられます。

20151225as2

【今後の展開】米利上げは極めて緩やかに行われ、米ドル高の進行も緩やか

■米国では、インフレが上向くペースが緩慢なため、利上げは年2回程度の極めて緩やかなペースとなる見込みです。米ドル高圧力も緩やかになると考えられます。

■アジア地域の経済は、中国の景気減速が落ち着くにつれ、徐々に増勢を取り戻す見込みです。対外収支・債務の改善、緩やかな米国の利上げを踏まえると、アジア通貨安圧力は限定的と考えられます。

 

(2015年12月25日) 

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー アジア諸国の対外債務と米国の利上げ

関連マーケットレポート

2015年12月 4日 アジア諸国のインフラ投資が本格化

2015年11月27日 「AIIB」でアジア新興国の成長が拡大(アジア)

三井住友アセットマネジメント株式会社
SMAM マーケット・レポート   三井住友アセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向、関連する旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく説明します。また、“教えて!Q&A”では、投資に関する様々な疑問をタイムリーに取り上げ、解説します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友アセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会