今後、存在感増すアジアへの「観光客」(アジア)

2015/09/25

<今日のキーワード>今後、存在感増すアジアへの「観光客」(アジア)

国連世界観光機関(UNWTO)は今年6月、2014年の国際観光に関する動向と今後の予測をまとめた「ツーリズム・ハイライト(2015年)」を発行しました。それによると、2014年の海外からの「観光客」は、世界全体で前年から4.3%伸び、11億人を超えました。そのうち、主要先進国への「観光客」の伸びは5.8%と、新興国の2.4%を上回りました。北米と日本への「観光客」の伸びが特に高くなっています。

【ポイント1】米州とアジア・太平洋への「観光客」が大きく伸びる

受入国のランキングで日本は22位
■2014年の海外からの「観光客」の伸びを地域別に見ると、米州が前年比+8.0%、アジア・太平洋が同+5.4%と高い伸びになりました。そのうち、北米が同+9.2%、日本が同+29.4%と際立っています。日本は、政府の施策や円安などが貢献し、主要先進国の中では最も伸び率が高くなっています。
■2014年の「観光客」受入国ランキングでは、1位から9位までの顔ぶれに変動はなかった一方、日本は、前年の27位から22位に順位を上げています。政府目標の年間2,000万人達成は、2014年のランキングに当てはめると16位に相当します。

【ポイント2】観光収入は全体で3.7%増加

中国からの支出は27%増
■一方、地域別の観光収入の伸び(世界全体で同+3.7%)を見ると、新興国地域での収入の伸び(同+4.6%)が、先進国地域(同+3.2%)を上回りました。観光市場としては、新興国地域の成長が高かったことになります。
■出発国別では、中国からの「観光客」の支出が、同+27.1%と高い伸びでした。今年以降、中国の景気減速の影響が、こうした「観光客」の支出に見られるかが注目されます。

 150925MK

【今後の展開】アジア・太平洋地域への「観光客」の伸びが最大、経済成長に貢献

2020年までの「観光客」の伸びは3.8
UNWTOの「ツーリズム・ハイライト(2015年)」は、「観光客」の長期的な予測を示しています。それによると、2010年から2020年までの「観光客」の増加率は、年率で3.8%としています。そのうち新興国への「観光客」は4.9%と底堅い伸びとなる見込みです。

アジア・太平洋への「観光客」の伸びが最大
「観光客」の長期予想を地域別に見ると、アジア・太平洋地域が最大の伸び(同5.7%)となっています。アジア・太平洋地域は、中間所得層の拡大などから内需の成長性が高いうえ、観光という外需の成長も貢献し長期的に高い経済成長を維持しそうです。

(2015年9月25日)

印刷用PDFはこちら

http://www.smam-jp.com/market/report/keyword/__icsFiles/afieldfile/2015/09/24/150925mk_2.pdf

関連マーケットレポート

2015年9月24日 「外国人旅行者」の消費が地価にも影響(日本)

2015年9月17日 インドは今月の「利下げ」が濃厚(インド)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ