「ギリシャ第3次支援」の今後(欧州)

2015/07/31

<今日のキーワード>「ギリシャ第3次支援」の今後(欧州)

欧州安定メカニズム(ESM)などによる最大860億ユーロの金融支援を柱とする「ギリシャ第3次支援」交渉が実質的にスタートしました。しかし、ギリシャ国内での追加の改革法制化を巡り早くも与党内で不協和音が聞こえ、また、債務負担の軽減を巡る欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の認識のズレもあり、合意への道のりはまだ長そうです。

【ポイント1】追加の改革法制化を巡り、与党内で不協和音

ギリシャは、薬局やパン屋の規制緩和などを法制化する必要
■「第3次支援」交渉は、開始の条件とされた一定の改革の法制化をギリシャが23日に終えたことで、スタートしました。ギリシャはさらに、一層の年金改革、閉鎖的な薬局やパン屋などの規制緩和、労働組合の団体交渉権の緩和などを進めることがEUから求められています。一方、これ以上の改革の法制化に難色を示すギリシャ与党内勢力もあるとの報道もあり、交渉が長期化する懸念が出ています。
■「第3次支援」の主な仕組みは、売却が困難とされるギリシャの公的資産を第三者機関(ファンド)に移管のうえ、売却することを柱としています。その売却予定資産のリストアップに際して、ギリシャ国民の反発が強まることが予想されます。

【ポイント2】IMFと債務削減方針でズレ

メルケル首相は元本削減に反対
■EUとIMFのギリシャ債務削減の考え方についてはズレがあります。IMFはEUによる債務削減を前提として、ギリシャへの追加支援を検討していると報道されています。
一方、ユーロ圏首脳会議では「第3次支援」による融資を実行したうえで、改めて債務負担の軽減を検討することとしました。債務の元本削減には最大の負担国となるドイツなどが強く反対しています。

 150730MK

【今後の展開】「第3次支援」交渉合意による、金融市場の早期正常化を期待

■ギリシャの銀行営業再開は部分的
20日に業務を再開したギリシャの銀行ですが、外国送金などの業務は引き続き停止され、証券取引所も29日現在クローズしています。ギリシャのユーロ圏離脱シナリオは大幅に後退したものの、資本規制解除を含めた金融市場の正常化には、「第3次支援」交渉合意を待つ必要がありそうです。

■8月20日のECB返済は合意なくてもつなぎ融資
金融支援協議が8月20日のECBへの返済期日を過ぎても合意に至らない場合、50億ユーロ程度のつなぎ融資をEUが約束しています。ギリシャの追加の改革法制化が大幅に遅れ、再び市場が不安定化しないよう、早期の合意が期待されます。

(2015年7月30日)

印刷用PDFはこちら

→http://www.smam-jp.com/market/report/keyword/__icsFiles/afieldfile/2015/07/29/150730mk.pdf

関連マーケットレポート

2015年07月17日 ECBは現行政策を維持、ギリシャ支援を拡充

2015年07月13日 ギリシャ協議は未決着、財政改革法制化に3日間の猶予

三井住友アセットマネジメント株式会社
SMAM マーケット・レポート   三井住友アセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向、関連する旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく説明します。また、“教えて!Q&A”では、投資に関する様々な疑問をタイムリーに取り上げ、解説します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友アセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

コラム&レポート Pick Up