トルコの「新内閣」成立は難航か(トルコ)

2015/07/16

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エルドアン大統領は9日、公正発展党(AKP)のダウトオール党首(暫定首相)に組閣を命じました。AKPは、6月の総選挙で第1党の地位を維持したものの過半数の議席を獲得できなかったことから、他党との連立を目指しています。今回の選挙で議席を獲得した他の3党いずれと組んでも過半数になりますが、各党ともAKPとの連立に消極的であり、「新内閣」の成立は難航しそうです。

【ポイント1】野党いずれも連立に消極的

8月下旬までに「新内閣」が成立しない場合には、再選挙も
■AKPは、他の3党いずれに対しても、連立パートナーになるよう個別に打診している模様です。ただし、他党がいずれも同党を長く率いてきたエルドアン大統領の権力強化に反対しているほか、汚職追及やクルド人問題への姿勢がAKPと異なることなどから、政策のすり合わせは難しいと言われています。
■AKPが他党との連立を断念する場合、少数与党として案件ごとに野党の協力を仰ぎながら政権を運営する可能性や、大統領が第2党の共和人民党(CHP)に組閣を命ずる可能性があります。8月下旬までに「新内閣」が成立しない場合、再選挙の可能性もあります。

【ポイント2】連立パートナーは不透明

他党にも再選挙を避けたい考え
■再選挙となる場合、選挙の実施は11月との見方もあり、不透明な政治情勢の長期化が経済や金融市場に及ぼす影響が懸念されます。
■一方、クルチダルオールCHP党首から再選挙は時間と費用の無駄と否定的な発言もあり、再選挙を避けたい考えもあります。報道では、AKPと政策や閣僚ポストなどの条件を交渉の上、CHPか民族主義者行動党(MHP)のいずれかがパートナーになり、「新内閣」が成立するとの観測が優勢です。

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【今後の展開】トルコ市場の安定には、「新内閣」の成立がカギ

■AKP単独政権終焉は市場にプラスとの見方も
足元で政治情勢が不透明化していますが、今後AKPが政策に他党の意見も取り入れざるを得なくなるため、長期政権下で蓄積した政策への不満が解消されるとの期待も見られます。市場では、エルドアン大統領への権力集中が見送られ、中央銀行への政治的圧力が和らぐとの観測などから、国債の格付けにプラスとの見方もあります。

■市場の安定には、「新内閣」の成立がカギに
トルコの通貨、国債、株式は、総選挙直後に大きく下落しました。しかし、足元では、「新内閣」への期待、ギリシャ支援協議の合意、中国株式市場の持ち直しなどから、トルコ市場は安定化しつつあります。市場の落ち着いた推移が続くためには、再選挙を避けて幅広い支持を得られる「新内閣」が成立することがカギとなりそうです。

(2015年7月16日)

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