「TPA」決着は7月まで持ち越し(米国)

2015/06/18

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「貿易促進権限(TPA=Trade Promotion Authority)」法案は、米国議会が通商交渉の権限を大統領に一任することを認めるものです。「TPA」法案は5月22日に上院で可決し、6月12日に下院で可決しました。しかし、貿易調整援助(TAA=Trade Adjustment Assistance)法案が否決され、再採決の期限が7月30日まで延期されました。「TPA」法案が成立するためには、「TAA」法案の可決が不可欠で、「TPA」は最大の山場を迎えます。

【ポイント1】「TPA」法案は下院を通過

「TAA」法案とセットでなければ「TPA」法案は成立しない
■「TPA」法案は、議会が通商交渉の権限を大統領に一任する法案と、貿易自由化の促進で失業した労働者への支援策を定める関連法案がセットとなっています。議会が通商交渉の権限を大統領に委ねる法案は6月12日に下院で可決されましたが、関連法案である「TAA」法案が民主党の反対で否決されました。「TAA」法案は、「環太平洋経済連携協定(TPP)」等の自由貿易協定で失業した労働者への転職支援などを財政面で手当てし、支援する仕組みです。「TAA」法案が否決された後、直ちに、再採決する案も出されましたが、再採決は延期されました。

【ポイント2】7月30日がタイムリミット
民主党反対派からの譲歩を引き出せるか
■「TAA」法案の再採決延期は、オバマ大統領による民主党への党内説得が不調に終わり、再度否決される可能性があったためと見られます。もともと「TAA」法案を主張したのは民主党ですが、貿易関連失業者の定義や、転職支援のための財源などで折り合いがつかず、反対に回る民主党議員が増加しました。
■ヒラリー・クリントン前国務長官も、「TAA」法案反対派の民主党議員を支援する立場を表明するなど、オバマ大統領にとっては、党内の説得が最重要課題です。「TAA」法案を成立させるためには、民主党反対派からの譲歩をいかに導き出すかなど、極めて政治的な交渉が求められます。

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【今後の展開】TPP交渉参加国は年内妥結を目指す方向に変化なし

■「TAA」法案の7月30日までの成立に期待
今後は、7月30日までに「TAA」法案が成立するかどうかに注目が集まります。民主党の一部には「TPA」は必ずしもTPP交渉の前提とはならない、との声もありますが、交渉参加国は「TPA」を前提に交渉を行う準備をしているだけに、もはや後戻りはできないと思われます。

■TPP交渉参加国は年内妥結を目指す
「TAA」法案が成立し、オバマ大統領が「TPA」法案に署名すれば、TPP交渉はいよいよ動き出します。日米交渉に弾みがつき、他の10カ国との交渉も加速化すると見られます。各国間では知的所有権の問題など課題はありますが、年内の妥結は達成可能と見られます。

(2015年6月18日)

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