日本株の買い手に変化の兆し?

2017/11/28

市川レポート(No.453)日本株の買い手に変化の兆し?

  • 海外投資家は、11月第3週に日本株の現物を8週ぶりに売り越し、先物を2週連続で売り越した。
  • 海外投資家の買い越しが売り越しに転じ、個人が買い向かう構図に変わると、株価下落の恐れも。
  • 8週ぶりの売り越しは一時的なポジション調整の可能性も高く、株安局面に転じたとの判断は早計。

 

海外投資家は、11月第3週に日本株の現物を8週ぶりに売り越し、先物を2週連続で売り越した

日本株を見通す上では、売買高の約6割を占める海外投資家の動向を把握することが重要です。海外投資家は、9月第4週から11月第2週まで、日本株の現物を7週連続で買い越しており、相場の上昇を牽引したと推測されます。現物を取引する海外投資家は、主に年金など長期投資家が主体とみられますが、11月第3週は8週ぶりに売り越しに転じました(図表1)。

一方、先物(日経225先物とTOPIX先物との合計額)をみると、海外投資家は11月第3週まで2週連続で売り越しています。先物を取引する海外投資家は、主に短期的な値ざやを稼ぐ投機筋が主体とみられるため、前述の現物を取引する海外投資家とは異なる動きをすることもありますが、足元では現物・先物のいずれにも海外投資家の売り意欲がみられます。

 

海外投資家の買い越しが売り越しに転じ、個人が買い向かう構図に変わると、株価下落の恐れも

なお、11月第3週で日本株の現物を買い越したのは、個人投資家、法人、証券会社の国内勢で、いずれも10週ぶりの買い越しとなりました。なかでも、個人投資家は日本株売買高の約3割を占め、海外投資家に次ぐ重要な取引主体です。この点を踏まえると、9月以降の株高は、「海外投資家の買い+個人投資家の売り」という構図で進行したと解釈することができます。

ただ、11月第3週の結果を見る限り、この構図が「海外投資家の売り+個人投資家の買い」に変わった可能性があります。実は、この変化には注意が必要です。というのも、過去において、「海外投資家の買い+個人投資家の売り」の構図で株価が上昇した後、「海外投資家の売り+個人投資家の買い」の構図に変わると、株価が下落に転じるケースがみられたからです(図表2)。

 

8週ぶりの売り越しは一時的なポジション調整の可能性も高く、株安局面に転じたとの判断は早計

ただ、日本株を押し上げてきた内外要因(日本企業の業績回復、安倍政権の安定、世界的な景気回復など)に、今のところ大きな変化はみられず、金融市場が極端にリスクオフ(回避)に傾いている様子はうかがえません。また、日本企業の4-9月期決算が11月中旬には一巡し、23日には米感謝祭が控えていたため、海外投資家が、日本株の一部を早々に売却し、持ち高を調整したと考えることもできます。

そのため、11月第3週にみられた「海外投資家の売り+個人投資家の買い」という構図が今後も継続し、株安局面に転じたと判断するのは、やや早計と思われます。なお、11月第4週の動向は、11月30日の午後3時に東京証券取引所から公表される予定の「投資部門別株式売買動向」で確認できます。今回は、海外投資家が2週連続の売り越しとなるか、あるいは買い越しに戻るかに注目が集まります。

 

 

 

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(2017年11月28日)

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