新年度入り後の日本株展望

2017/04/03

市川レポート(No.373)新年度入り後の日本株展望

  • 1-3月期は主要株価指数が堅調に推移するなか、円高の重しで日経平均の出遅れが目立った。
  • 日経平均上昇のカギを握るのはトランプ政策と円相場だが、足元で米保護主義への警戒が浮上。
  • 4-6月期の日経平均の下値目途は18,400円、ただ年後半は株高基調に戻る余地は広がろう。

1-3月期は主要株価指数が堅調に推移するなか、円高の重しで日経平均の出遅れが目立った

世界の主要株価指数について2017年1-3月期のパフォーマンスをみると、ブラジルやアジアなど新興国株が堅調に推移し、欧米株も好調な動きが確認できます(図表1)。ブラジルについてはインフレ沈静化と金融緩和が、アジアについては循環的な景気回復が株高要因と思われ、鉄鉱石など商品価格の持ち直しも追い風と考えます。また欧州や米国については総じて底堅い経済成長が株価の上昇を促したとみています。

一方、出遅れたのは日本株とロシア株です。ロシア株は不安定な原油相場が重しとなり、日経平均株価は円高が影響したと考えます。2017年1-3月期は、市場でトランプ政策に対する過度な期待の修正が進み、米ドルは対主要通貨で下落しました。その結果、日本円は対米ドルで5円超上昇し、日経平均株価のパフォーマンスを悪化させる主因になったと思われます。

日経平均上昇のカギを握るのはトランプ政策と円相場だが、足元で米保護主義への警戒が浮上

日経平均株価が上昇基調を強めるための条件としては、引き続き、①米国の通商政策や財政政策の内容が明らかになり、日本企業への影響が限定的と確認できること、②米国の経済が底堅く推移するなかで利上げ観測が強まり、ドル円相場が緩やかなドル高・円安方向で安定すること、と考えています。そのためこれらの条件が揃わない限り、日経平均株価は上値の重い展開が続く可能性があります。

なおトランプ米大統領は3月31日、貿易赤字削減をめざす大統領令に署名し、商務長官と米通商代表部(USTR)代表は90日以内に貿易相手国の不公正な関税などを調べ、大統領に報告することとなります。市場では、医療保険制度改革法(オバマケア)代替案の廃案など内政で失策が続いたため、トランプ米大統領は通商政策に活路を求め始めたとの見方が浮上し、米国の保護主義的な動きへの警戒が再び強まっています。

4-6月期の日経平均の下値目途は18,400円、ただ年後半は株高基調に戻る余地は広がろう

米財政政策について、4月は10日から21日まで米議会休会のため、目立った進展は期待できません。一方、米通商政策については、4月6日と7日に米中首脳会談、18日に日米経済対話の初会合が行われる予定です。市場がこれらのイベントで、米通商政策に保護主義的な動きを読み取った場合、財政政策の遅れが懸念されるなかでは円高・株安に振れやすく、海外投資家の日本株回帰も遅れる恐れがあります(図表2)。

ただ今回は、米中首脳とも初めての会談、日米経済対話も初めての会合となるため、まずは双方の意見や考え方を確認し合うことが優先され、初回から貿易問題を巡って激しく対立する可能性は低いと考えます。引き続き4-6月期はドル安・円高の目途が108円程度、日経平均株価の下値目途は18,400円程度とみていますが、米国で着実な利上げや財政政策が遂行され、現実的な通商政策が採用される限り、年後半は円安・株高基調に戻る余地は広がると思われます。

 

 

170403図表1 170403図表2

 

(2017年4月3日)

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