税に関する驚くべき発表とは

2017/02/14

市川レポート(No.353)税に関する驚くべき発表とは

  • トランプ米大統領が、就任100日行動計画で示した税制改革案などの詳細は、まもなく明らかに。
  • しかしながらよほど「驚くべき」内容が盛り込まれない限り、大幅な円安・株高の反応は限定されよう。
  • 財政規模に関する大統領と議会の協調度合いや、財政執行遅延の有無が市場の変動要因に。

トランプ米大統領が、就任100日行動計画で示した税制改革案などの詳細は、まもなく明らかに

トランプ米大統領は日米首脳会談の前日となる2月9日、米航空大手首脳とホワイトハウスで会談し、2、3週間以内に「税に関する驚くべき発表」をすると述べました。これまでは通商政策に関する発言が目立っていましたが、今回は財政政策について具体的な時期まで言及したこともあり、いよいよ法人税制改革の具体策が示されるという市場の期待が高まっています。

就任100日行動計画でトランプ米大統領が示した法人税制改革案には、①連邦法人税率を35%から15%へ引き下げる、②企業が海外資金を米国に戻す際の税率は10%とする、③企業の海外移転を阻止する関税を賦課する、などがあります。この他、民間の投資減税拡大や官民連携による10年間で1兆ドルのインフラ投資、また家計向け所得税の引き下げと税制の簡素化も併せて、立法措置を講じるとしています(図表1)。

しかしながらよほど「驚くべき」内容が盛り込まれない限り、大幅な円安・株高の反応は限定されよう

トランプ米大統領は、2月28日の米上下両院合同本会議における演説や、予算教書において、就任100日行動計画で示した法人税制改革などの立法措置に関する詳細を明らかにする見通しです。ただ計画の内容自体はすでに市場に織り込まれているため、よほど「驚くべき」内容が盛り込まれない限り、大統領選後にみられたような大幅な円安・株高にはつながりにくいと思われます。

なお米国では議会に予算編成権があるため、歳入・歳出に関する法案は、議会が独自に作成して審議することができます。そのため米大統領の予算教書は、議会に対する提案にとどまりますが、実際は大統領と議会の交渉により、予算教書のかなりの部分を議会の法案に反映させています。ただ財政規律を重んじる共和党議会が、大規模減税のトランプ案をそのまま受け入れる公算は小さいと考えます。

財政規模に関する大統領と議会の協調度合いや、財政執行遅延の有無が市場の変動要因に

今後「2、3週間」の間に、トランプ米大統領が米議会との協調姿勢を強めた場合、合同本会議や予算教書において、当初よりも控えめな規模の財政支出プランが示される可能性もあります。一方、トランプ米大統領が計画通りのプランを示した場合でも、そのまま議会で法案化されることは困難と思われ(図表2)、最終的に議会の予算決議案は財政中立規模の内容にとどまると予想されます。

実際の予算決議案がトランプ案より小規模となれば、市場はいったん円高・株安で反応すると思われますが、財政政策が着実に実行される限り、一時的な動きにとどまるとみています。なお両院の一致した予算決議案は4月15日が成立期限ですが、必ずしも期限内に成立するとは限りません。財政政策の実行が遅延すれば、トランプ政策への期待が一段と後退し、円高・株安要因となる恐れがあるため、予算決議案の行方にも注意が必要です。

 

170214図表1170214図表2

 

 (2017年2月14日)

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