米利上げ見通しの変化で相場はどう動くか

2016/09/02

市川レポート(No.295)米利上げ見通しの変化で相場はどう動くか

  • 米金融政策に対する見通しが変化した場合、世界の金融市場の潮目も変化する傾向がある。
  • 利上げ観測後退ならドル安・円高でリスク資産上昇、浮上ならその逆の動きが年初からみられる。
  • 日銀会合とFOMCの結果を受けた9月21日から23日の3日間は市場が大きく変動する可能性。

米金融政策に対する見通しが変化した場合、世界の金融市場の潮目も変化する傾向がある

8月18日付レポート「シンプルに相場を考えてみる」でもお話ししましたが、世界の投資マネーの流れは世界最大規模である米国の経済と金融市場の動向に左右され、その経済と金融市場は米国の金融政策に最も大きな影響を受けます。従って、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に対する見通しが変化した場合、世界の金融市場の潮目も変化すると考えられ、実際に年初からそのような傾向が窺えます。

今年は金融政策の見方が二転三転しました。市場は3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)をハト派的と捉えたものの、5月公表の4月分FOMC議事要旨は、一転して想定外にタカ派的と解釈しました。また6月FOMCでのメンバーによる政策金利見通しの下方修正を受けて、再び緩やかな利上げペースを織り込みましたが、8月のジャクソンホールでFRB議長と副議長が揃って利上げに言及したことで、早期利上げ観測が再燃しました。

利上げ観測後退ならドル安・円高でリスク資産上昇、浮上ならその逆の動きが年初からみられる

米国の金融政策に対する見通しの変化に伴う主要市場の動きをまとめたものが図表1です。大まかな動きとしては、利上げ観測が後退した場合、米長期金利が低下してドル円はドル安・円高方向へ、逆に利上げ観測が浮上した場合、米長期金利が上昇してドル高・円安方向へ振れる傾向がみられます。日銀は7月に追加緩和を実施していますが、ドル円の動きをみる限り、より米金融政策の見通しに敏感に反応しているように思われます。

株価指数、ハイイールド債券指数、原油価格については、利上げ観測の後退で上昇幅が拡大、利上げ観測の浮上で上げ幅が縮小、もしくは下落に転じる傾向が読み取れます。今後、必ずしもこのような関係が続くとは限りませんが、年初からの市場の動きを踏まえれば、米金融政策に対する見通しが変化した場合の、為替、株式、債券、原油の方向性は、ある程度把握できるのではないかと思われます。

日銀会合とFOMCの結果を受けた9月21日から23日の3日間は市場が大きく変動する可能性

9月は日銀金融政策決定会合とFOMCが、ともに20日、21日に開催されます。日本では21日の日中に日銀の金融政策に関する総括的検証が公表され、追加緩和の有無も明らかになります。FOMCの結果発表は日本時間で22日の未明になりますが、この日は秋分の日で日本は祝日です。23日の祝日明けがFOMC後の東京市場になりますので、21日から23日の3日間は国内外の金融市場が大きく変動する可能性があります。

日銀の総括的検証の結果はFOMC前に公表されますが、これに関する市場の見方は定まっていません。よほどのポジティブサプライズがない限り、大幅な円安と日本株の上昇は見込み難いと思われます。そしてFOMCでは利上げの有無が最大の焦点ですが、今回はFOMCメンバーの経済および政策金利見通しも発表になります。市場はその内容から先行きの利上げペースを判断すると思われますので、こちらも重要な注目材料です。

160902図表1

 

 (2016年9月2日)

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