米大統領選挙と相場の関係(その2)

2015/10/22

市川レポート(No.163)米大統領選挙と相場の関係(その2)

  • マッキンリーからオバマまで米大統領の出身政党と在任期間中の株価の動きを整理する。
  • 大統領の出身政党が変わると、選挙の年と翌年で株価騰落率の方向性が変わりやすい。
  • 出身政党に関わらず、大統領就任3年目はかなり高い確率で株価が上昇する傾向にある。

マッキンリーからオバマまで米大統領の出身政党と在任期間中の株価の動きを整理する

 前回のレポートでは米大統領選の仕組みと現状の候補者の顔ぶれについてお話ししました。その間にも、民主党ではジョー・バイデン副大統領が21日に大統領選への不出馬を表明し、ジム・ウェッブ元上院議員が党の指名候補争いから撤退するなど、大きな動きがありました。選挙日程の進展につれて次第に相場への影響が注目されると思われますので、今回は過去の実績に基づき、米大統領選挙と株式相場の関係について考えてみます。

 具体的には米大統領の任期である1期4年(1年目の選挙翌年、2年目の中間選挙、3年目の選挙前年、4年目の大統領選挙)の各年間、および任期4年間における株価騰落率を計算します。長期のデータをみるため、株価は1896年5月26日に算出が開始されたダウ工業株30種平均を用います。そしてマッキンリー大統領Ⅰ期(1897年1月)からオバマ大統領Ⅰ期(2012年12月)までにおける株価の変化を検証します。  

大統領の出身政党が変わると、選挙の年と翌年で株価騰落率の方向性が変わりやすい

 計算結果をまとめたものが図表1です。まず出身政党と株価の動きに注目してみます。4年通期の株価の騰落率は、マッキンリー大統領Ⅰ期からオバマ大統領Ⅰ期まで29回計算できます。このうち上昇したのは21回(共和党11回、民主党10回)、下落したのは8回(共和党5回、民主党3回)でした。数字だけみれば、4年の任期中に株価が上昇する確率は、民主党大統領が76.9%と、共和党の68.8%よりもやや高いことになります。 

 出身政党と株価の動きについて、もう1つ別の観点からみてみます。過去の実績をみる限り、大統領の出身政党が変わると大統領選挙の年と翌年(4年目と1年目)で株価騰落率の方向性が変わりやすいことが分かります(上昇から下落、または下落から上昇)。マッキンリー大統領Ⅰ期からオバマ大統領Ⅰ期までの間、大統領の出身政党が変わったのは11回ありますが、このうち株価騰落率の方向性が変わったのは9回で、確率は81.8%になります。 

出身政党に関わらず、大統領就任3年目はかなり高い確率で株価が上昇する傾向にある

 次に在任期間中の株価の動きを検証します。図表1をみる限り、任期3年目、すなわち大統領選挙の前年は株価が上昇しやすい傾向にあることが分かります。マッキンリー大統領Ⅰ期からオバマ大統領Ⅰ期までの29回のうちで、3年目に株価が上昇したのは24回あるため、その確率は82.8%に達します。また直近の18回に関しては、株価は任期3年目で全て上昇しています。 

 出身政党との関係について、4年の長期間では海外要因なども株価に影響するため、政党と株価の関係はやや割り引いて考える必要があります。また大統領の出身政党が変わると株価騰落率の方向性が変わりやすいのは、下落(上昇)局面にある株価が、政策変更への期待(警戒)を織り込むことなどが理由として考えられます。そして3年目の株価上昇傾向は、選挙戦を意識した景気対策などを先取りする動きと推測されます。オバマⅡ期の3年目にあたる今年は、年初から10月21日までのダウ工業株30種平均の騰落率は-3.7%にとどまっています。過去の傾向は必ずしも将来の株価の動きを保証するものではありませんが、年末までにプラス圏に浮上できるか見極めたいと思います。

 

151022 図表1 

 (2015年10月22日)

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