オフィスビル大量供給も、Jリートは底堅い動きか

2018/07/06

▣ 良好なオフィス需要継続

三鬼商事が6月7日発表した5月末の東京都心(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の空室率は2.68%と0.03ポイント上がったものの、依然として低水準で、需給はタイトな状況が続いています(図表1)。平均募集賃料は53か月連続で上昇し、2009年7月以来となる2万円に乗せました。賃料の伸び(前年同月比)も、昨年後半の3%台から5月末には6%半ばまで拡大しました。

ただ、今後の東京23区の大型オフィスビルについては、2018年、2020年に大量供給が見込まれています。森ビルの「東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査2018」によると、2018年の東京23区の大規模オフィスビルの供給量は146万㎡、2020年は168万㎡と、過去20年の平均102.9万㎡を大きく上回ります(図表2)。もっとも、2021年、2022年はそれぞれ52万㎡、42万㎡と大幅に減少する見込みです。また、2018年~2022年の5年間の平均は101.4万㎡と、過去平均を若干下回ります。

日銀短観によると、大企業の設備投資計画(全産業、含む土地投資額)の2016年度の実績が前年度比マイナス2.1%、2017年度は同+4.1%に対し、6月調査の計画では2018年度は前年度比+13.6%と大幅な伸びとなっています(図表3)。計画より実績が下回る傾向がみられるため、若干割り引いて考える必要がありますが、企業の景気の先行きに対する見方が強気になっているとみられることから、良好なオフィス需要が続くことが期待されます。

▣ 空室率は均衡水準から大きく下にかい離

2018年は既に入居が内定しているビルが多いとみられることから、需給がタイトな状況が続きそうです。2019年は大型オフィスビルの供給はやや減る見込みで、需給は崩れないとみられます。2020年についてもテナント誘致が進んでいるとみられ、空室率の上昇は限定的になりそうです。その後の2021年、2022年についてはオフィスビルの供給が半減する見通しで、供給減がオフィス市況を支えることが見込まれます。

賃料の伸びが反転する際の空室率の水準は、図表4のようになっています。需給が均衡する空室率は5%が目安とされてきましたが、直近(2014年4月→5月)では6%半ばで賃料の伸びがプラスになりました。均衡水準がやや高くなっている可能性があります。足元の空室率は3%を下回っており、均衡水準まではまだ距離がある状況です(図表5)。賃料については堅調な伸びが続くことが見込まれ、Jリート市場が支えられそうです。

▣ 「東証REIT指数÷TOPIX」はようやく1倍超え

これまで東証REIT指数は、TOPIXと同じような水準で推移してきています(図表6)。東証REIT指数がTOPIXをやや上回る傾向がありますが、昨年9月以降、東証REIT指数がTOPIXを下回っての推移が続いていました。先月の下旬にようやく、東証REIT指数がTOPIXを上回りました。

過去に東証REIT指数がTOPIXを上回る局面では、東証REIT指数が堅調な動きになる傾向がみられました。東証REIT指数は2005年7月にはTOPIXの1.42倍まで、2007年5月には1.53倍まで、2013年3月には1.62倍まで、2016年4月には1.51倍まで上昇しました。足元では1.05倍前後とまだ低い水準。良好なオフィス市況が続く中、Jリート市場は底堅い動きが見込まれます。

図表入りのレポートはこちら

http://www.skam.co.jp/newest_report/contents_type=9&type=env

 

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