米長短金利差の縮小はリセッションの予兆との懸念も

2018/03/30

▣ イールドカーブのフラット化が進行

米国債市場では、イールドカーブ(利回り曲線)のフラット化(平たん化)が進行しています。フラット化には、ブル・フラット化(利回り低下、平たん化)、ベア・フラット化(利回り上昇、平たん化)、たまにツイストしながらのフラット化(短期の利回り上昇・長期の利回り低下)などがありますが、現在は利上げ局面の中でのベア・フラット化ということになります。

3月29日の米2年債利回りは2.29%程度、米10年債利回りは2.74%程度。2015年12月の利上げ開始時には1.3%程度あった2年債と10年債の利回り格差は、50bp(1bp=0.01%)を割り込み、直近は2007年8月以来の水準まで縮小しています(図表1)。

ベア・フラット化が一段と進行すると、利上げ局面の終了前後には長短金利差はほぼゼロに、さらにその後の利下げを織り込む局面になった場合には逆イールド(右肩下がりのイールドカーブ)となり、長短金利差はマイナスになります(図表2)。政策金利がピーク時(利上げ局面の終了)にはそろそろ景気拡大が終了する景気の「山」に差し掛かってきている可能性が高く、景気後退(リセッション)への警戒が強まります。

▣ リセッション入りの1年前に逆イールドに

1990年以降の3回のリセッションの局面では、約1年前に長短金利差(10年債利回り-2年債利回り)がマイナス(逆イールド)になりました(図表3)。

利上げ局面では、期間が長い利回りほど高くなる順イールドから、横並びになるまで利回りが上昇するため、政策金利のピークに向かって長短金利差が縮小していくのは必然で、最近のペースで長短金利差の縮小が継続すると仮定した場合には、来年にも長短金利差がマイナスになり、その1年先の2020年にリセッション入りするとの見方もできます。

もっとも、長短金利差の縮小ペースはゼロに近づくと緩やかになる傾向があるため、長短金利差がマイナスになるのはもう少し先になる可能性があります。また、90年代中盤のように、政策金利を調整しながらリセッション入りを免れる、あるいは軽度のリセッションにとどまる可能性もあります。

当面は、“緩やかな経済成長が続く中、緩やかな利上げが継続する”のがメインシナリオとなりそうです。ただ、中間選挙を見据えたトランプ大統領の政策運営への警戒などからボラティリティ(市場の変動性)は高く、その分は米国株の上値が抑えられる可能性がありそうです。また、米長期金利については、米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利の長期見通しの中心レンジ(2.75%~3.0%)が大きく引き上げられない限り、上昇余地は限定的になりそうです。米長期金利の上昇が限定的となると、ドルの上値も抑えられる可能性があります。

図表入りのレポートはこちら

http://www.skam.co.jp/newest_report/contents_type=9&type=env

 

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