ドル円が横ばいなら、株価は上昇か

2017/04/07

▣ 2016年度はドル円はほぼ変わらずも株価は上昇

2016年度の国内株は、日経平均株価は2,150円上昇、TOPIXは165ポイント上昇しました。15年度はそれぞれ、2,448円、195ポイント下落しましたが、16年度はその下落幅を埋めに行く動きになりました。15年度はドル円が7円以上下落(ドル安・円高)したことが主因とみられます。16年度はドル円が下げ止まったことに加え、日銀が指数連動型上場投資信託(ETF)の買入額を倍増させたことや、トランプ氏の登場が株価を押し上げました。

▣ 海外投資家の売買はドル円に連動

投資部門別の売買動向をみると、15年度に大きく売り越していた海外投資家でしたが、16年度は若干の買い越しに転じ、売り圧力が後退したこと、事業法人の自社株買いが継続したこと、売らない投資家である日銀の買いが大きく増えたことなどが株価を押し上げたと言えそうです。特に売買シェアが70%弱を占める海外投資家の売りが弱まったことが大きかったと考えられます(図表1、2)。
海外投資家は株価の動きに追随する順張りの傾向がみられますが、売買動向をみると株価の動き以上に、ドル円の動きに連動する傾向がみられます(図表3、4)。ドル円の下げが一服したことで、海外投資家の売りが弱まったとも言えそうです。ただ、昨年10月~12月は大きく買い越した海外投資家ですが、今年に入り、1月は僅かに買い越しだったものの、2月、3月は売り越しに転じています。現物に先物を加えた売買動向では1月以降売り越しています。

円高が進行すると、国内企業の業績懸念が広がることに加え、海外投資家の買いの手が止まることで、株価を下押しする、逆に円安が進行すると企業業績への期待や、海外投資家の買いから、株価が押し上げられることが見込まれます。

▣ ドル円が大きく下落しない限り、株価は堅調地合いか

4月5日に公表された米連邦市場公開委員会(FOMC、3月14-15日)の議事要旨では、「大半の参加者は、経済が想定通りに推移すれば、年後半にも再投資政策を変更するのが適切だと判断した」ことが明らかになりました。米連邦準備制度理事会(FRB)は現在、保有している米国債の償還金などを再投資して保有資産の残高を維持し、金融市場を緩和的な(再投資することで市場に資金を供給するとともに、債券を買い入れることで金利の上昇も抑える)状態にしています。FRBが昨年12月に続き、今年3月に追加利上げに踏み切る中、再投資政策の変更(停止、縮小)が視野に入ると、米金利に上昇圧力がかかることも想定されます。金融政策の方向性からはドル高地合ですが、シリアや北朝鮮などの地政学リスク、またトランプ政権の政策運営への警戒などで、為替や株価が神経質な動きになることも想定されます。

もっとも、16年度は円安が進行しなくても株価は上昇しました。ドル円が110円の水準から大きく下落しない限り、海外投資家の売りは限定的とみられます。また、多少ドル円が下落しても、事業法人の自社株買いや日銀のETF買入れに加え、企業業績への期待が、株価を下支えすることが見込まれます。

201703407

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