米利上げペースは一段と緩やかに

2016/06/16

▣ 追加利上げに慎重姿勢

市場の早期利上げ観測が後退する中、大方の予想どおり、米連邦準備制度理事会(FRB)は6月14-15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決めました。あわせて公表された米国経済見通しでは、2016年、17年の成長率を若干引き下げる一方、16年のインフレ見通しについては、若干引き上げました。

注目された政策金利見通しの主なポイントは以下のとおりです(図表1)。

  • 年内2回の利上げ見通しは維持も、年内1回を予想する委員が1人から6人に増加
  • 来年以降は、年4~5回の利上げペースから年3回の利上げペースと、現実的な緩やかなペースの見通しに下方修正
  • 年内1回利上げし、以降18年まで利上げなしが1人

今後のFOMCはすべてで利上げの可能性があるとしているものの、5月の米雇用統計で雇用者の伸びが急減速したことを受け、利上げに慎重な姿勢が強まっている模様です。

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▣ 市場の利上げ観測も後退、ただFOMC見通しとは乖離

市場が織り込む利上げ確率は、5月には年内利上げなしが20%前後まで低下していましたが、直近では50%を超えてきました。年内利上げなしもしくは1回の利上げがせいぜいとの見方で、FOMCの見通しとはまだ、乖離している状況です(図表2、3)。

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▣ 英国の国民投票、6月の米雇用統計で、米利上げを占う

声明文からは、「力強い就業者数の増加を含め、最近の広範な指標は、労働市場が一段と力強さを増したことを示している」との文章が削除されました。もっとも、経済活動全般の見方では、「労働市場の改善ペースが鈍る一方で、経済活動の拡大は加速したように見えることを示している」と、基調としての景気拡大の勢いがなくなったわけではないとの見方。7月の会合での利上げの可能性についても低くなっていますが、7月8日発表の6月の米雇用統計は、年内の利上げを占う上でいっそう注目を集めることになりそうです。

また、23日の英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票も、今回の決定に影響を与えた模様です。EU離脱なら一段と米利上げ観測が後退、残留なら米利上げ観測が若干浮上することになりそうです。

 

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