来週の金融市場見通し(2018年3月5日~2018年3月9日)

2018/03/02

■来週の見通し

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル新議長が議会証言で、「昨年12月の会合以降、景気見通しは力強さを増してきた」と発言したことを受け、年内4回利上げの可能性が浮上してきています。他方、トランプ大統領は鉄鋼やアルミニウム輸入に関税を課す方針を表明しました。来週中に詳細を決定し、署名・発令する見通しです。秋の中間選挙に向けたトランプ氏のアピールが相場の足かせになる可能性があります。

◆株価 : 米国の保護主義や円高を警戒

米国株が再び不安定化したことから、日経平均株価も軟調な動きとなっています。こうした中、3月9日の米雇用統計などで、米国の賃金・インフレ率の動向を確認する必要があります。さらに、トランプ米政権による保護主義的な政策に対する警戒感も強まっています。また、国内企業の業績は堅調とみられるものの、最近の円高が輸出企業を圧迫する恐れもあります。そのため日本株は当面、積極的に上値を追いにくい展開が続きそうです。

◆長期金利 : 上昇は限定的

日銀が国債買入れオペで「25年超」のオファー額を100億円減額したものの、債券市場の反応は限定的。10年国債入札も順調な結果で、良好な需給を確認。長期金利は一時0.035%と2017年12月以来、約3か月ぶりの低水準。米国の保護貿易への懸念も安全資産とされる国債の買い材料。ただ、週末には黒田日銀総裁が、出口に言及したことから長期金利は一時0.08%まで上昇。日米の金融政策をにらんで、もみ合う展開が続きそうです。

◆為替 :  ドル安地合い継続か

ドル円は、今週、米連邦準備制度理事会(FRB)パウエル新議長の初の議会証言が予想よりタカ派だったことから一時107円台後半まで上昇。しかしトランプ大統領がアルミなどへの関税賦課の計画を発表すると、週末にかけて106円台前半へ急落しました。来週は保護貿易政策がらみの続報や米雇用統計における賃金の上昇率、日銀の出口論の展開に注目。日米長期金利がさらに上昇すると株下落に合わせ、ドル円も引き続き下値トライか。

◆Jリート : 落ち着き待ち

Jリートは、週前半は堅調な地合いが継続も、米利上げペースの加速観測や貿易戦争への警戒などから、内外の株式市場が荒い展開になる中、週央以降は値を下げる動きに。ただ、株価ほどは下落せず、底堅さは維持。予想分配利回りは4.2%程度まで上昇しており、利回りに着目した買いも期待できます。長期金利の上昇は重し。底堅い推移を見込むものの、戻りは内外金融市場の落ち着き待ちとなりそうです。

来週の注目点

毎月勤労統計(1月) 3月9日(金)午前9時発表

毎月勤労統計調査によると、昨年12月(確報値)の従業員1人あたり名目賃金は前年比0.9%増となりました。ただ、物価が上昇しているため、これにより調整した実質賃金は同0.3%減となりました。また、2017年の実質賃金は同0.2%減となりました。今年も多くの企業が固定費増を懸念する中、賃金の大幅な増加は見込みにくい情勢です。そのため消費が急拡大する可能性は低く、日本経済は引き続き輸出主導の回復にとどまりそうです。

米雇用統計(2月) 3月9日(金)午後10時30分発表

1月の雇用統計では、非農業部門就業者数は前月比20万人増と市場の予想を上回り、失業率は4.1%となりました。失業率は4か月連続で2000年以来の低水準が続いています。注目の平均時給は前年比2.9%増となり、市場予想を大きく上回るとともに2009年6月以来最大となり、長期金利の大幅な上昇につながりました。米国では力強い景気拡大が継続しており、2月の非農業部門就業者数は19万人程度の増加、失業率はさらに改善し4.0%を想定しています。今後のインフレ動向と長期金利に大きく影響すると思われる平均時給は1月と同様、前年比2.9%増を想定しています。

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

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