中国A株のMSCI新興国株式指数採用

2017/06/23

国際的な株価指数を算出している米国MSCI社は、6月20日(日本時間6月21日未明)に、人民元建ての中国A株をMSCI新興国株式指数(MSCIエマージング指数)に組み入れると発表しました。

 

この「中国A株のMSCI新興国株組入れ」というテーマは、2014年の定期見直しのタイミングで話題にのぼって以来、組み入れ観測が高まっては見送られるということがここ3年間繰り返されてきました。今回は四度目の正直(?)でようやく実現に至ったというわけです。

 

このMSCI新興国株指数は、インデックス運用を行う多くの機関投資家やファンドなどがベンチマークとして採用しているなど、新興国株式の代表的な指数になっています。そのため、同指数に組み入れられるということは、その株式への資金流入期待が高まることになります。

 

実際に、今回のMSCI社の見直しでは、中国A株のほかに、アルゼンチンやサウジアラビア株式についても組み入れ観測が高まっていて、組み入れが見送られたアルゼンチン株が大幅安となり、その一方で、サウジアラビア株は結果的に組み入れられなかったものの、来年にも組み入れが検討されることとなり、5%を超える大幅上昇を見せています。

 

発表を受けた6月21日の中国株市場でも上海総合指数が上昇を見せましたが、前日比で0.51%の小幅上昇にとどまっています。すでに織り込み済みであったことや、今回組み入れが決まった銘柄数が222銘柄に絞り込まれ、組み入れ銘柄の同指数におけるウエイトは0.7%程度と、その影響は限定的と見られていることで盛り上がりに欠けてしまっているのかもしれません。ただし、全体の株価を大きく押し上げるものではないにせよ、継続的に買いをサポートする材料にはなりそうです。

 

また、実際の組み入れ実施は2回に分けて行われる予定です(2018年5月と2019年8月)。ただし、香港市場と上海市場、香港と深セン市場の相互取引の制限が緩和されれば、1回にまとめて行う可能性を示唆しているほか、組み入れ比率の引き上げも取引環境の改善状況に応じて行うという条件も付されています。つまり、中国A株の指数組み入れのハードルは株式市場の構造改革と規制緩和がまだ十分でないことを意味しています。

 

そのため、今回の組み入れ決定と今後の影響力については、IMFが昨年採用された人民元のSDR(特別引き出し権)と同じように、中国の金融市場自由化に向けて一段と歩みを進めることができるのかという「実行力」が試されていると言えそうです。

 

 

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